11.あっさり薄味の映画でした。無理やり感動系にしたかったようですが、ちょっとズレている気がします。だいたい出会い系で会ってたちまち入れ込んでしまうインスタントな主人公2人より、「誰のクルマにでも平気で乗ってくる女は嫌いだ」と言って美女を蹴り出してしまう大学生君のほうが、よほど筋が通っているし男気がある。彼はスパナを持つ柄本明に対し、「おたくの教育方針が間違っていた」と説教してやるべきでした。 と、いろいろ考えてみると、実はコメディー映画にしたほうがよかったんじゃないかという気さえします。「もし出会った彼が殺人犯だったら」みたいな。けっこう笑えると思うのですが。 【眉山】さん [地上波(邦画)] 5点(2011-12-19 14:55:15) (良:2票) |
10.地上波のカットしまくり版を見てレビュー書くのってどーよ、と思うが、お金払ってDVD借りる気にはならんだろうし、多分カットされたシーンは、お茶の間に流せないようなシーンばっかだったんだろうから、別に大勢に影響ないか、と思って書くことにしました。というわけで、原作は既読。吉田修一ファンの方には申し訳ないんだが、私はこの人の作品2本しか読んでいないけれども、嫌いです。もう1本読んだのは『さよなら渓谷』。選択が悪かったんだろうけど、まあ、嫌いになっちゃったもんは仕方ない。なので、本作もゼンゼン期待しないで見た次第。というか、むしろ、こき下ろしてやろうと手ぐすね引いて見たといっても良いくらい。ところがところが。あら、結構イイじゃない。原作じゃムカついた、佳乃の殺害シーンの描写も、こっちは見ていて「ひでぇなー」としか思わない。これは、多分、満島ひかりの演技が上手いからでしょう。始めから終わりまで、まあ、ムカつくことなく見れたのでした。脚本に原作者も参加しているけれども、こういうのって、むしろ失敗するケースが多いと思うが、本作に限っては成功していると思う。そうか、吉田氏は、こういうことが書きたかったんか、と、原作を補うものがあったような。この人は、小説家より、脚本家の方が向いてんじゃないか? とさえ思った。・・・とはいえ、まあ、だからもう一度見たいかと聞かれると、別に見たいと思わないし、心を動かされる何かがあったかというと、それもない。ふわ~っとイイ作品、でしかない、私には。でも、それはそれで十分良いとも思う。吉田作品を他にも読もうとも思えないけどね・・・。あとこれ、CMが一杯細切れで入っていたんだけれども、日本の企業ってのは、もう少し、ショーバイ根性よりも、文化とか芸術とかの精神性を尊重するっていう度量はないのかね。ある程度まとめてインターミッション的にCM流すとかさー。そういう企業だったら、同業他社の製品より高くても私は買うぞ、率先して買うゾ。そういう、芸術に理解ある(上っ面じゃなくて)本物の経営者っていないのかねぇ、・・・ということを、本作を地上波で見て一番強く感じました。 【すねこすり】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-11-29 21:49:40) (良:2票) |
9.この世に完全な悪人も善人もいない、あるのは相手との関係性と、ただほんの僅かな運の良し悪しだったりする。 「俺、なんででこんな人間なんやろ」という妻夫木君も、「あたしはそんな人間じゃないっ」と絶叫する満島ひかりちゃんも、同じように今という不安を彷徨っていたのだろう。 よくよく胸に手を当ててみたら、妻夫木の不器用さも、深津のみっともなさも、満島の計算高さも、岡田の虚勢も、余貴美子の身勝手も、松尾ズズキのあくどささえ、全部自分自身に当てはまるではないか。 そんなヒリヒリする思いに加えて、シーンは雨、雨、雨、と、閉そく感と胸苦しさをかきたてる。
なんと完成度の高い映画でしょう…と思ったら、フラガールの李監督なのですね。 で、原作者が脚本も書いてらっしゃる。なるほど。 難しいテーマの作品を、長い尺にも関わらず、巧みな場面転換により飽きずに一気に観せてもらいました。 人物の背景も説明臭いセリフではなく、映像できちんとみせてくれる。 そして、キャストが揃いもそろって熱演。 一人ずつ褒めたらキリがないし、誰か一人をとりあげたらもう全員褒めなくちゃならないほどだけど、強いて、強いて言うなら満島ひかりさんは出色ですね。
観賞後は救われたような、やるせないような、複雑な思いが残る。傑作と言って良い出来だと思う。 【poppo】さん [DVD(邦画)] 10点(2011-08-08 00:00:43) (良:2票) |
8.妻夫木聡と満島ひかりの演技が良かった。また、長崎に住んでいた者として、長崎人(妻夫木聡)と佐賀人(深津絵里)の疎外感、長崎・佐賀と福岡・湯布院(満島ひかり・岡田将生)のコントラストが、すごく身に沁みた。原作未読ですが、このあたり、長崎出身の吉田修一さんの設定がうまいなと思いました。ともかく、現代日本の闇を描ききった良作と思います。 【ashigara】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-07-09 20:37:50) (良:2票) |
7.キャストは豪華だし、映像的にも完成度が高い。 でも、僕はこの手の作品が苦手だ。 この物語はフィクションであり、特定の事件をモチーフにした作品ではないのだろうけど、世の中にこういった事件が存在することも事実。 そんな被害者や被害者の遺族のことを想うと、多少なりとも被害者を悪く描写することに抵抗感がある。 もちろん、殺人事件の被害者はすべて聖人であるとは言わないけど、敢えて悪く描く必要もないんじゃないかと。 何の罪もない女性がたまたま事件に巻き込まれてしまったという設定じゃ駄目だったんだろうか? そういうことをつい考えてしまう。 殺人事件の加害者であっても根っからの悪人ではないかも知れないというメッセージには納得しつつも、やっぱり被害者は悪く描かないで欲しかったというのが正直な感想です。 そんなことをいろいろと考えさせられる深い作品です。 【もとや】さん [映画館(邦画)] 5点(2011-05-19 15:25:23) (良:2票) |
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6.この伏線がここで効いてこう、みたいなエンターテインメントを期待する人にとっては陳腐な設定、ストーリーだろうな。 プロット的にははっきり言って大したことないし。 でもそういうところじゃなくてひとつひとつのシーンの中で描かれる登場人物の心模様、それを表現する行動や表情のディティール、それを味わうタイプの映画なんじゃないかな、これは。 そういう意味では極めて“小説的な”映画だと思いました。 (原作未読です) 【とと】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-10-06 06:15:52) (良:1票)(笑:1票) |
5.増尾率いる学生グループ、あいつら大学生にもなって、あの中に善人が一人しか見当たらんって、どうなん。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2016-09-19 22:10:15) (笑:1票) |
4.テレビでやっていたので観ましたが予想よりずっと良かったです。殺人を起こした主人公を短絡的に悪人としては描いておらず、遠回りですが周りの人間にもかなりの悪人が居たんだよ的な描写が多いです。その割には意外と言い訳がましくはなっておらず、邦画としてはきちんと作り込まれているように感じました。 しかしながらあくまで前提条件として「殺人」=「悪人」なのは純然たる事実でもあり、そういった意味では淡々と事実を描いてあって潔かったりもします。結局のところ美化しようが言い訳しようが何しようが、、「行動」には「結果」が伴うということがきちんと描かれているので、日本のドラマ作品の中では割と奥深かったりもします。群像劇としてもきちんと機能していたし、言いたいこともきちんと筋が通っていたと感じました。
ただ・・ 被害者側の立場で鑑賞すると納得いかない映画だと感じました。頑張ったほうだとは思いますが、作り手側が加害者に感情移入していると言わざるを得ない仕上がりなのは少々残念でした。加害者側の樹木希林の演技が心に沁みましたので、この点は必見だと思います。 【アラジン2014】さん [地上波(邦画)] 6点(2014-11-05 13:37:36) (良:1票) |
3.★妻夫木聡さん(福岡県山門郡三橋町出身) ★深津絵里さん(大分県) ★保険外交員特A:満島ひかりさん(沖縄県) ★保険外交員A:韓英恵さん(静岡県) ★保険外交員B:中村絢香さん(青森県) ★クソ大学生A:岡田将生さん(東京都) ※福岡、久留米、佐賀、長崎県がロケーション先となったこの作品。そこでちょっと、各出演陣皆さんの出身地を調べてみました。ご参考までに。 その上で、台詞使いについて触れてみましょう。まずは、満島ひかりさん。今回、初っ端から一人ぶっ飛ばし加減でピーチクパーチクとよーく喋っていましたが、彼女、沖縄の出身であるにも関わらず、一体どこで勉強してきたのか 今回、博多弁の使い回しが完璧だった事にびっくりだ。とにかくペラペラ喋る 喋る 喋りまくる しかも自然にかわいらしく(博多弁を流暢に。) とにかくよーく喋りまくっていましたが、まるで違和感無かったということはスゴイ事。まるで近所に住んでる娘さんみたいだったよ 彼女の喋りはまるで本物だ。そんな事から、とにかく、彼女の役への入り込みようがハンパでない事がようく分かりました。褒めてあげたい 頭なでなでしてあげたい。また福岡に来てください。 そしてついでに、保険外交員のAとB、彼女たち二人の博多弁による会話も意外と自然でしたね あまりに自然なので てっきり地元福岡のエキストラ使ってるんでしょうかなんて思っていたんですが、後々調べてみたらば あら違う。保険外交員Cのほうなんて出身青森ですやん びっくりしました。彼女もたとえ台詞は少なかったとはいえ頑張ってましたね( かと言って満島さん並みに頭なでなでしてあげたいって気にはならないが ^^; )まあ、とにかくご苦労さんでした。その他、久留米在住という設定だった柄本明と長崎県平戸市の漁港に暮らしている老婆という設定だった樹木希林さんにしても何の違和感もありませんでしたね さすがと言ってよいものであったと思います。しかし、妻夫木君については、正直、台詞が少なかったもんであんまり良かったとか良くなかったとか分からない。深津絵里さんの佐賀弁については今イチぎこちなかった あまり感心出来るものではなかった(佐賀弁、あんまり勉強していなかった?) 以上、そんなこんなな感想でした。 とにかくそんな事情からなわけですが、今回のMVPは絶対満島ひかりちゃんにあげたい もう、彼女の頭をずっとなでなでだ。 【3737】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-09-25 13:30:12) (良:1票) |
2.期待し過ぎなのか、、、あまり感ずるところのない映画だった。 ストーリーの展開のテンポや映像やキャスティングは確かによいのだけれで、「それで?」と思ってしまう。 人間が持つ「孤独感」がこの映画のテーマなのかな?と個人的には思う。 【MS】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-05-01 11:32:37) (良:1票) |
1.物語としてはまずまずの面白さと言うところではあるが、何と言ってもキャスト陣が各々に素晴らしい演技をしていて良かった。その中から3人あげたい。見事なビッチぶりを演じた満島ひかり。彼女の存在が物語の要因なので、それだけに重要な役割だったと思うが、そんな役を好演していて素晴らしかった。次に、見事なカスぶりを出していた岡田将生。憎たらしさが出ていて、遺族の怒りや無念さをより引き立てていた。呆然ぶりが素晴らしかった樹木希林。突然孫が犯人となってからの演技が素晴らしかった。何も言わなくても伝わってくるものがあった。マスコミのカスぶりもよく引き立っていたし。主役の二人よりもこうした人々を含む脇役陣の演技が光って、それが映画を引き締めていて良かったと思う。 【スワローマン】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-03-04 23:38:44) (良:1票) |