8.ネタバレ 海外の国際映画賞を狙っていたな。「反戦」っていう錦の御旗ですべてをラッピングしようとしている映画。これでいいと思っているしたり顔がイヤなんだ。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 2点(2015-10-03 20:00:00) (良:2票) |
7.ネタバレ 手足と言葉を失った夫とその妻の介護生活。この構図自体は老親や乳児の世話とあまり変わりません。また戦争でなくとも、身体機能を失う事故は起こりうること。この夫婦の特殊性は、夫が軍神と崇められていること、彼が精神の拠り所を軍功に求めていることにあります。確かに介護する側は報われない。2人は心で繋がっていないのだから。問題の本質は、夫婦の人間関係が破綻している事にあります。戦争の罪を問いたいのならば、戦争が夫婦を引き裂いた、あるいは夫の心を変えてしまったという状況が必要です。しかし戦争が変えたのは彼の見た目。下劣な内面は出征前からのことでした。現地の女を暴行したトラウマも彼自身の責。問題の全てを戦争の責任に転嫁するのは筋違いです。戦争は憎むべきもの。その主張に異を唱える日本人は皆無でしょう。でも的外れな批判や論理のすり替えは、事の本質を見誤らせます。ラストも本筋とは直接関係のない原爆投下の映像と反戦歌でした。正直、反戦映画として質が良いとは思えません。ただ、大女優「寺島しのぶ」が汚れ役を演じ、国際映画祭で主演女優賞を受賞したという作品のネームバリューと付加価値は侮れません。大人は肩書きに弱いのです。成人向け反戦映画としてこれから有効利用されていくことでしょう。作品制作の経費等を考慮すれば、費用対効果は高いと言えそうです。結果的に監督の意図した効用のある映画になっているのかもしれない。でもね…。『おっぱいの出る映画に悪い映画はない』という個人的信条に照らし合わせ、今回は寺島しのぶの素敵なおしりに+1点進呈させていただきます。 【目隠シスト】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-09-10 21:14:46) (良:2票) |
6.ネタバレ 俳優達は、すばらしいと思うが、脚本、監督が何の映画を作りたいか、単なる反戦映画にしか見えない。 単なる反戦映画は単なる好戦映画と同じぐらい、中身が薄く感じられる。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-08-05 22:55:53) (良:1票) |
5.ネタバレ 若松監督の追悼放送で鑑賞しました。映画メディアには色々な側面がありますが、この方の作品は常にエンターテイメントとは対極の場所にあります。何かを訴えるというレベルでは無く、暴いて抉るって感じです。その追い込み方は恐れ入ります。 本作ですが、監督本人の意図は別にして、反戦映画という範疇には入らない気がします。ラストにヒロシマや長崎の映像や戦死者の数がテロップで表示されますが、本編と繋がっていないような違和感を覚えました。 私にとってのキーワードは「御国のために」です。「御国のために」送り出した亭主が形容も難しい姿で帰還し、妻は「御国のため」に食欲と性欲と排泄の世話をする。「亭主のために」という言葉は聞こえてきません。その亭主が「御国のために」やっていたことは中国の婦女子を凌辱することで、軍神と祭り上げられても呵責に苛まれる状態。 世間からは軍神と帝国婦人の鑑だったりする訳ですが、内実は「御国のために」蝕まれて行く夫婦です。「御国のために」やっていたことを現代に映画化して、その内実を伝えること自体は、直接的には意義を感じません。今、日本が戦争状態になっても、同じ状況が現れるとは思わないから。でも、日本人の悪しき体質である、本音と建て前の使い分けが最も悪いカタチで現れた例が「御国のために」だったと思います、カタチこそ違え、その体質は現代の日本を相変わらず不自由な国にしているような気がしてならない。それを教訓としたい映画だと思いました。 タイトルのキャタピラーは「芋虫」って意味なんですね。乱歩の同名短編をモチーフにしているらしいのですが、そのまま「芋虫」ってタイトルでも良かったと思います。その昔に「ジョニーは戦場へ行った」という映画がありました。四肢を失くした兵士という共通項があります。名作と言える作品だと思うし、真っ当な反戦映画ですが、本作を観た後では随分とキレイな作品だったなぁと思いました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-27 23:19:12) (良:1票) |
4.ネタバレ 若松監督作品に、普通の意味での映画的陶酔は期待していない。「永遠のシロート」と言うか、シロートっぽい表現のくどさがときに、洗練の対極の異様な力を感じさせることがある。その一瞬を待ち受けるように観ている。もっぱらそれは暴力がらみの場面で起こるのだが、今回は違った。いや、妻が旦那の軍神を殴るところもかなり「異様な力」なのだが、本作で一番キたのは、旦那をリアカーに積んで村を回るシーンだ。精神的な暴行。闇の中でうごめいていた夫を、軍神として陽光の中にさらけ出す。世間に対しては貞節な軍神の妻としてまっとうしながら、同時に夫を辱める(「五体不満足」の乙武さんの覚悟を逆に思った)。辱めているのは夫だけではなく、村の人々もだ。「これがあなたたちの軍神です」と巡る。軍神というフィクションを一度迎えてしまった人々は(夫も含め)、その辱めを辱めと感じなくとも受け入れていかなければならない。敬礼して佇立する。農家の嫁はけっきょく、おしっこの処理と性欲の処理と、もっぱら下半身の処理のための存在だったことを如実に示したあとでの復讐。もちろんそこには強姦された中国女性たちの亡霊もかぶさってきているだろう。いくさは日本と中国の間で起こるより前に、男と女の間で起こっていたのだ。それを踏まえた上で「歴史の被害者」としての夫が、もっとクッキリ出ても良かったのではないか。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-02-04 10:18:39) (良:1票) |
3.ネタバレ 「お国のため」「軍神」というキレイな言葉で、醜い傷やドロドロとした感情・トラウマ、そして己を現在の姿にしたものへの疑問・恨み等々が外に溢れ出ないよう包み隠し、泣き寝入りを強いる全体主義的な社会の恐ろしさを描いた作品です。
非常に考えさせられる作品でした。
【TM】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-17 00:27:33) (良:1票) |
2.危ねぇ。演者の力量に騙されて10点付けるところだったぜ・・・。 【関白宣言】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-09-24 15:41:42) (笑:1票) |
1.これまた随分と安っぽい映画だ、前作あさま山荘で3時間越えの映画を撮ったかと思うと今度は一転90分にも満たない映画。 前作でも前半部に文字を画面に多く使い、この監督、結構有名なのに安っぽいなぁと感じたがこの作品はもっといろんな事が気になった。 たしかに寺島しのぶや大西信満の演技には観るべきものがあるが、監督の一番見せたいものは毛穴が見えるほどの役者のドアップばかりじゃないだろう、役者はいろんな表情で感情を上手く表現しているが、あれだけ余韻無く次のシーンに移行されたら興醒めだ、前作があれだけ長かったのに何故?音響もイマイチだったし、独立プロダクションだとこれが限界なのだろうか、でもあれだけの役者を持ってきてるのだから製作側や監督の問題だと思う。 戦争に対する思いや、人を神と呼ぶ愚かさは理解できる、黒川シゲ子にとって敗戦とあのラストはハッピーエンドであろう皮肉は面白いが、最後に流れる歌詞付きの曲はそう思った自分にとっては違和感があった。 【カーヴ】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-08-21 13:44:50) (良:1票) |