4.自分がこれからの人生をどう生きていくべきかという事にまだ確信を掴んでいない、成功した家庭の息子が、やがて既成の権威ないし権力に異議申し立てする為、それらからの脱出を計る。アメリカ式価値観に安住して、疑う事を知らない両親との断絶は、プール・サイドでの誕生日パーティの場面で絶妙に描かれている。この作品はコメディ色が強く、ベンとロビンソン夫人の関係でも例えば、最初のキスをしている間中、夫人が目を白黒させて、終わった後それまで我慢して溜めていたタバコの煙を、ふうっと吐き出すシーンや、ベンがなんとか夫人の気を引こうとしても、ドレスの汚れを気にしてちぐはぐな生返事でしか応じないというシーン等々、M・ニコルズ監督のコメディ・センスが冴えわたる。さらにサイモン&ガーファンクルが「サウンド・オブ・サイレンス」「ミセス・ロビンソン」そして叙情的な柔らかい旋律の「スカボロウ・フェア」など、この映画の内容を旨く歌い上げている。こういった音楽の使い方や斬新な映像表現で、当時の若者を熱狂させたわけだけれど、未だにこの名作を超える青春映画は出てこない。 【ドラえもん】さん 10点(2000-10-15 23:40:05) (良:2票) |
3.初めて見たのは小学生高学年の頃、日曜日の昼間に民放テレビで放送したものだったと思います。初めて見た時の衝撃や感動は40年位以上たった今でも残っており、その後何度も繰り返し見ています。そして毎回見る度に新しい発見があります。各登場人物の演技、セリフ、映像、カメラワーク、音楽、、、どれも完璧です。しかし、ベンは全く完璧な人間ではなくどちらかと言うとダメダメ人間です。でもそれで良いんです。完璧な人間なんかいませんから。現実の世界は理屈だけでは通用しません。ちなみに、S&Gの名曲をバックに、ベンが肉体的(連日の情事)にも精神的(将来への不安)にも疲れてプールで虚ろにフロートで浮遊しているところに情事のシーンがカットバックされるシークエンスが好きです。文句なしに名作です。 【みるちゃん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2019-07-22 14:29:55) (良:1票) |
2.既存の価値観、倫理観、常識、世間体に従っていくことに疑問を感じた事は、誰にでもあるだろう。20歳とは「まだ大人じゃない」という言い訳が使えなくなる年齢だ。「もう大人なんだから」という諦めと妥協に流されていった当時の多くの若者達に衝撃を与えた名作だ。自分の人生は、両親や先生や他人が決めるものではない。自分はどうすべきか、より、自分はどうしたいかを考えて行動すべきなのだ。もちろん、幸せになれる保証はない。しかし、後悔はしないはずだ。 【パセリセージ】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-04-17 23:30:06) (良:1票) |
1.S&Gの曲がすごく効果的で大好き。この音楽と映像の斬新さは何度みても飽きずに新鮮な気がする。名シーンは数多いが、デートでストリップ劇場に連れて行かれて(嫌がらせ)俯いたままのキャサリンがぽろりと大粒の涙を流した時、ダスティンがはっと彼女への愛に気づくところ、ロビンソン夫人に覆いかぶさる次の瞬間ベンはプールで浮きに乗っているなど、、現実的に考えればダスティンはストーカーまがいだし、キャサリンの選択はありえないように思う。でもそんなことは見たときには全く気にならなかった。ストーリーよりなによりとにかく音楽と映像表現が見事で今も大好きな作品。 【キリコ】さん 10点(2003-04-05 17:07:11) (良:1票) |