10.卒業 って一体何からの卒業なんだろか なんて言ってたら尾崎豊みたいになってしまうのでヤメますが、、、 卒業 とはいっても、よくよく考えてみたらば 原題自体は Graduation ではなく The Graduate でしたね。 ってことは〝卒業生〟。 だとしたなら、辻褄合ってくるんですよね つまり、邦画的に例えたならば〝大学は出たけれど〟ってな風に捉えてみればいのですよね。 ほんでラストの強奪事件については当然の如く賛否両論ありますが、結構楽しめましたね。後の わらの犬にも通じるものがあった気がする。あちらのほうが後発ですし監督だって全然違うんですけどね。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-13 22:21:47) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 早いもので、44年も経ってたんですね。サウンド・オブ・サイレンスと共に始まり、花嫁略奪をして二人で乗り合いバスに乗り、これから、幾多の難関が待ち受けるであろう人生に歩き出すところで終る。 当時としては、アメリカン、ニューシネマの代表作で、あらゆる既成観念を打ち壊すほど私にはインパクトがありました。 現代の方が今見たら、「なんだあのうじうじした、ストーカー男は!」親子どんぶりはするし、追い掛け回して 嫌がられるし。「あんなやつがガラスたたいたって、ベーン!なんて言わないだろうし、幸せな結婚を捨てて、一緒に行かないよ。」 そこらじゅうから聞こえてきます。 だけど、60年代なんですよね。親が欲するすべての欲求に子は従い。一族郎党の中で誇れる 息子、娘を演じなければならなかったわけです。 時代はちょうど曲がり角にあり伝統の保守的既得概念に反発するやからが横行し始めた頃です。性の概念も、やっと、変わりかけた頃かな。アンバンクロフト演ずるロビンソン婦人もそんな時代の中で、自分でまいた種とはいへ、時代に流された人を素晴らしい演技力で演じています。ベットで交わす会話に「美術を専攻していたは」の中に自分の後悔と夢を捨てた挫折の念が見え、曇る表情のうまさを感じてください。 ともかく、難しい事言わずアメリカの歴史を時代を S&Gのサウンドともに感じてみてください。 【としべい】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-08-04 17:51:56) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 まだ初々しいダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスの魅力にS&Gの曲が見事にはまった作品。ヘンな言い方ですがアン・バンクロフトの醸し出す微妙な雰囲気もいい。
最初、ベンの役はレッドフォードに持ちかけられたそうですが、レッドフォードが蹴ったそうな。よくぞダスティンにこの役が回ってきたことと思います。
話自体は魅力を感じる作品ではないですが、二十歳そこそこで自分の人生の進むべき方向性なんてなかなか決められないと思うし、親に決められた通りの人生を歩んでいく事に迷ったり、誘惑に道を外れそうになる事もある。そんな若さゆえの迷いや葛藤が伝わってくる作品です。
有名なラストはやはり素晴らしいと思います。教会を飛び出してバスに乗り込んだ直後の満面の笑みは長くは続かず、不安げな表情でエンディングとなりますが、その表情が2人の未来を暗示する。ニューシネマのはしりの作品だと思いますが、挿入されるユーモアや音楽の使い方のセンスは、結構色んな映画を撮っていますが後に都会派とも称されるマイク・ニコルズのセンスの良さを確かに感じる作品です。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-19 21:55:20) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 初めて観る人にはトンデモないストーリーで、ストーリーだけを単純に追えば疑問だらけで大した映画ではないのかもしれないが、映画の根底にある子どもでもない、大人でもない、大人になり切れない微妙な時期の若者の不安定感を見事に表現している映画である。 本作を鑑賞するにあたり、この映画のタイトルである「卒業」とは、何からの「卒業」なのかを考えながら観ていた。色々な意味(下ネタもありかも)が掛かっているとは思うが、「無責任な子ども時代からの卒業」「大人への依存からの卒業」ではないかと思う。大人によって敷かれたレールの上を、優等生としてただ平凡に歩くだけの人生に疑問をもったベンであるが、不安だけがつきまとい、自分の確たる信念も決断もなく、ただ無気力に日々を送るだけしかできない。彼の行動を冷静にみれば、ただ単に大人の誘惑に惑わされ、親に与えられた車を乗り回し、親が所有しているプールで暇を持て余しているだけである。 エレーンに再会し、ようやく人生において初めて大きな決断であるバークレー行きを決心するものの、そこでも何をしてよいか分からない。ただ単にストーカーまがいの行動しかできないというもどかしいほどの若さである。このあたりも大人になりきれない不安定感、何かをしたくても何もできない若さゆえの無力感が十分に描きこまれていると思う。そして、エレーンが強引に結婚されることを契機にして、ベンは考えるよりもまず行動を開始する。何かに悩んで深く考えすぎて行動を躊躇するよりも、まず直感的に行動することも必要ではないかと言っているようにみえる。 また、親から貰った赤いスポーツカーではなく、自分の足で結婚式場に向かい、バスを使っての逃亡がよい。親から与えられた車を使って逃亡するのでは、真の意味において「卒業」ではない。しかし、親から「卒業」したとしても、必ずしも明るい未来が待ち受けているとは限らない。「親や大人たちからの依存」から卒業することは今以上に苦しく、険しい道のりが待ち構えているということを、バスの中での二人の表情に込めているのではないか。それが「子ども」を卒業して、「大人」になることなのかもしれない。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-12-31 00:03:35) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 ストーリーは今見てもブッ飛んでます。(今でさえそうなんだから、上映当時の衝撃は凄かったでしょうね。)やはり名作と謳われるだけあって、作品から滲みでるオーラが凄かったです。 ダスティン・ホフマン 、キャサリン・ロス 、 アン・バンクロフトの演技の素晴らしさ、どの場面もそのまま切り取ってポスターに出来そうな素晴らしい映像 、サイモン&ガーファンクルの美しく切なすぎる音楽、そして余りにも有名すぎるラストシーン・・・・・。まさに伝説の映画というにふさわしい作品でした。 まあ、冷静に見ると突っ込みどころ満載なんですが、それでもやはり凄い作品だと思います。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-28 18:57:10) (良:1票) |
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5.ラストシーンと主題歌があまりに有名で、何だか見た気になっていたが、実は一度も見たことがなかった。しかも、“青春ロマンス”なんて取り立てて見ようともしなかった。が開けてびっくり。斬新な映像と洒落たカット割り、また度々使われる沈黙で飽きさせず、しょうもないストーリー(失礼っ)にも関わらず目を奪われていた。わざとらしい、あざとい、逆にダサいなんて思われそうな冒険的映像は、まさにロビンソン夫人とベンの関係を象徴するようで、作品全体にあやしい空気を醸し出しているように思う。ひとり立ちし過ぎた例のラストシーンは「ラスト」ではなく、まして「ハッピーエンド」でもなく、ベンの現状打破、現実逃避願望による衝動的行動だったとは。以上、映像と結末の意外性にびっくりしたのでありました。音楽は言うまでもないが素晴らしい! 【ちゃか】さん 8点(2004-07-13 15:18:15) (良:1票) |
4.サイモン&ガーファンクルの歌が流れると、いっしょに口ずさんでる客が大勢いた。それを見つけると仲間ができたようで嬉しかった。映画は、すっごく複雑なニュアンスを含んだ映画。けっこう手強い映画ですよ。 【ひろみつ】さん 8点(2003-10-25 14:37:19) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 有名なあのシーンは知っていましたが、全編観たのは初めてです。みなさん書かれている通り、あのシーンからこの映画全体を勝手に想像して観ると、あまりのギャップに驚きます。主人公も、結婚を投げ出してついていく女の子も、お互いのことをきっとものすごく愛しているわけではないと思う。まわりに反発して自分の存在を確かめたいというか、題名通り、今までの自分に「卒業」という感じなのではないでしょうか。それはあのふたりの最後の表情から読み取れます。「奪ってはみたものの」「奪われてはみたものの」という感じ。大変なことをしでかしたということだけで、もう本人たちの中では終わってるような。ほんとに愛し合っているふたりなら、あんなにふたりして前ばっかり見ないと思う。でも、なぜかこの最後の場面、涙出ました。主人公の表情がほんとにうまいです。笑えるところもあり、映像も斬新なところもあり、おもしろかったです。 【きょうか】さん 8点(2003-08-06 17:09:29) (良:1票) |
2.この映画は非常にブラックなテイストを持った、優れたセックス・コメディだ。60年代から70年代という不安定な社会背景を巧みに織り込みながら、一種の娯楽映画としても楽しめる。70年代に入ると、アメリカ映画からは、「家族」という普遍的なテーマが姿を消してしまう。この映画は否定的でシニカルな描き方であるけれど「家族」を扱った、60年代最後の重要な映画だと思う。既成の概念はもはや通用せず、それらは完全に打ち破られ、新しい時代へと突き進んでいたこの頃。性に対する抑圧的な道徳観念を打ち破り(ロスとバンクロフトという親子と関係を持つ点がそう)、親たちの望む、上流志向とそんな生活に決別を告げる学生を演じたホフマンの演技には大いに笑った。愛の渇きを演じさせたら、天下一品のミセス・ロビンソンことアン・バンクロフトがことに素晴らしい。年増女の渇いた魅力が、とても印象的で、この映画は彼女の代表作の1つと言える。 【ノブ】さん 8点(2003-02-02 13:56:42) (良:1票) |
1. こういう作り話の枝葉末節をあれこれ突くのもどうかと思うが…。一種の現代(70年代)のメルヘンとして、ニコルズ監督の鮮やかな演出テクニックとS&GのピタリとはまったBGMと名手ロバート・サーティスの絶妙なカメラ・アングルに酔いしれる映画デスよ、コレは。ベンジャミン役は当初ロバート・レッドフォードにオファーがあったとか。それはそれで見たい気もしないではないが、矢張りあの何とも言えないペーソスを醸し出せるのがホフマンの真骨頂なのでは?賛否両論の「花嫁掠奪」も、戦前からのアメリカ映画(特にミュージカルやサイレント喜劇)によく見られた一種のお約束みたいなモノ。なので、あんまり目くじら立てることもないんじゃ?だって…ミュージカル観てて「こんな風に突然街角で歌い踊り出す人間なんか現実には存在しない!」とか言わないよ、フツー。鑑賞の仕方を根本的に間違ってると思うけどナ。 【へちょちょ】さん 8点(2002-12-31 03:13:14) (良:1票) |