4.《ネタバレ》 これ、面白いですね!現在みたいに派手なカー・アクションやくどいくらいの銃撃戦が無くても脚本の力でぐいぐい引っ張る。70年代に多く見るシナリオライティング力を今の制作陣もちょっと見習ってほしいもんです。主人公はもっさりでも、実にすっきり爽快なクライム・ムービーです。 チャーリー、なんて頭の切れる奴なんだ。使うつもりのさらさら無かったパスポート、大金を持っているとの‶匂わせ”、花束の使い方。動きは見えるけど会話や細かいニュアンスまでは伝わらない500ヤードという絶妙な距離。 後から思い返すと行間に込められた「意味」にうわあ、となります。わりと非情な展開も70年映画の特徴といいますか、あっさりと殺されてしまうんですよね。W・マッソー扮する主人公も生き残った仲間を切るのがとても早い。歯医者のカルテすり替えの場面は、まだまだ計画の序盤ですもんね。この辺の冷酷さ、ドライさは今観るととても新鮮に感じます。 あとコンテナハウスの隣人であるちょっと妄想気味の婆ちゃん、脇ながらいい仕事しますね笑。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2022-07-14 18:41:37) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 何度見ても惚れ惚れする映画。ドキドキするサスペンスを含んだアクションがお見事。先が読めるようで読めないのがまた良いんですよ。愛してやまないアンディ・ロビンソンは『ダーティハリー』に続いていい仕事してる。蝋人形のような死に顔!何度見ても良い顔です。…チャーリー・バリックとモリーって、表裏一体じゃないですか。どちらも嘘をつかないし、やり手。ただ、選ぶ女がねー!悪役は暴力で女を魅了するけど、主役は溢れんばかりの魅力で女を抱く!チャーリーにはやらしさが無い。メシを食わない。寝ない。人間の三大欲求を全て否定している。モリーは女を見ると、まずケツに目が行く。『金で抱かれる女は嫌いだ』と言いながら、やっぱりケツに目が行く。メシにこだわりがある。熟睡する。やっぱり、ヒーローは欲求を否定することで成り立っているのかな。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-04-07 06:27:14) |
2.《ネタバレ》 いい人役や正義の人の印象がモロ強いウォルター・マッソーが悪奴、しかも相方が「ダーティハリー」でイーストウッドと苦しめまくったさそりことアンディ・ロビンソンの組み合わせは凄いなぁ、ジョー・ドン・ベイカーのドきつい悪役っぷりを見てるとさそりの悪さが屁に見えてくるよ。警察vsマフィアvsマッソーを作りだしたドン・シーゲルの見事な演出力にキャスト陣の見事な演技力で面白さ抜群、後半の軽飛行機vs車の対決は有り得ないぐらいに面白かった。個人的にマッソーのベッドシーンはうひょー!!憎いねこのぉ!!ってなったけどいろんな伏線が洩れることなく一つにつながってるので脚本の出来も見事でした。 |
1.「ウォルター・マッソー=由利徹」説ってのが常に根強くある訳ですが(ホンマかいな)、本作の二枚目ぶりはなかなかのもの。見ようによってはピアース・ブロスナンあたりを彷彿とさせたり(ブロスナンよりは深みがある。ブロスナンの魅力はあの浅さにある)。まず冒頭、緊迫感あふれる銀行強盗シーン、そしてこれに続くド肝を抜くカーアクション。しかも奪った大金は、実はマフィアの隠し資金だったもんだから、さあ大変。逃亡を図る主人公と、迫りくる追手の姿を、長廻しなどを効果的に用いながら、練りに練ったカットで(とは言えおそらくは偶発的な事象も織り込みながら)描き、派手さと渋さを兼ね備えた見事なアクション映画となっています。妻を失いながらも冷静に事態を受け止め、策を練る主人公。仲間が死んでも「うまくいったぜ」と言うばかりの、頼りにならずむしろややアブナイ相棒。ただ事態を楽しんでいるだけのような刺客。彼らの持つ「温度差」が、本作の“駆動力”となっていて、オモシロイところでもあります。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-11-19 11:11:42) |