8.《ネタバレ》 「天才の孤独」を見せながら、凡人の孤独も感じさせてくれる作品でした。他者と上手くコミュニケーションが取れない主人公。冒頭のガールフレンドとの会話がそれを象徴し、導入として秀逸です。システム作りに熱中してアイデアの盗用を疑われたり、サイト拡大の為に友人を裏切る行為を容認したり。やはりその知性には幼稚な部分が窺える。彼は「知ること」や「創ること」に対する興味は人一倍あっても「理解すること」や「共感すること」に対する意識は極めて希薄だった。それが「天才」の性向と画一するのは早計だけど、彼の孤独は自身で招き入れたものだ。ガールフレンドの悪口をブログに書きなぐったことは弁解の余地も無いが、よく知りもしない奴らから「あいつは友達が2~3人しかいない」なんて断言されるのは、さすがに可哀想でした。SNSの主旨や目的は彼にとって皮肉と演出される。漠然と感じたのは、天才では無くとも趣味的時間をPCに向かって費やす時間が長い人には、主人公と同様の孤独を感じている人も多いのでは、ということ。孤独感を端末上のコミュニケーションだけで癒すことは難しく、友人を作るサイトがあっても、それを有効に活用できるかどうかはやはり本人の資質に戻って行く話なのでしょう。喧嘩別れしたエリカへメッセージを送って更新を何度もクリックするよりも、1本の電話を入れるべき。その二つの行為の狭間に、この十数年で急速に肥大したネットコミュニケーションの功罪を見る思いでした。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-01-16 04:17:40) (良:5票) |
7.《ネタバレ》 主人公、マーク・ザッカーバーグ。かのハーバード大屈指の天才であり、やがてネットビジネスの寵児となる者。しかし、その人間性は「問題アリ」で、個人的には絶対に関わりたくないタイプ。でもこうして客観的に見ているだけなら楽しく退屈させない人間なので、映画のキャラクターとしては最高かも。 Facebook創設の歴史は確かに興味深い。しかし、この映画には実はもう一つのテーマがあります。本作は、百の屁理屈を並べる凡人たちよりも、金のなる木に群がる凡人たちよりも、(何かを初めに) 創作した者こそが最も偉大、、という、古今東西、あらゆる分野における「創作者」たちへのリスペクトである、と思っています。もちろん、Ⅾ・フィンチャー監督ご自身による、「幾多の映画評論家よりも "映画監督" こそが偉大である」というメッセージが暗に込められています。 世界中のユーザに異性と出会う機会を与え、Facebookを通じて多くのカップルも誕生したと思います。その創設者自身が目の前にいる意中の女性を落とせないとは、笑っちゃいけないけど皮肉なお話でした。しかし、ネットビジネスにおける偉大な人物、それが実は恋に彷徨う等身大の一人の若者だった、、彼に愛着がわくような締め方には "人間愛" があってよかった。 個人的には、過去と現在を延々と繰り返す手法は苦手なこと、そしてこういった映画は公開当時、つまりFacebook全盛期に観てナンボでしょう、という思いはあります。 以下余談。 出演した俳優たち、ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、そして、ルーニー・マーラですか。当時はそこまで有名ではなかった認識ですが、特に本作以降、役者として大成したように思います。今改めて、Ⅾ・フィンチャーの役者を見る「慧眼」は素晴らしいとしか言いようがありません。 【タケノコ】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-11-28 23:00:32) (良:2票) |
6.フェイスブックの世界的な普及は、国家の体制まで動かすおおきな影響力をもっているらしい。ただネットに匿名性を求める日本ではいまいち普及しない。個人的にもそれほどまでに人とつながり合いたいのかが理解出来ない。よって主人公もカリスマに映らないし、ストーリーにも入り込めない。日本人の私には、展開が予想通りで、ただただ悲しいオタクの物語でした。J・ティンバーレイクがちんちくりんでかっこわるく、本人と最後まで分からなかった。
【kaaaz】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-06-11 00:07:21) (良:1票) |
5.フェイスブックは使ったことがないし、アメリカのネット社会の事情とかはよく分からないが、なんと言っても物語の進行するテンポが良いので飽きずに見ることができた。過去と現在を交差させた見せ方と、登場人物の喋くりが、そうさせていたのだろう。ただ、正直なところ、話自体が面白いかと言われれば、それ程でもない。まぁ、“ふーん”って感じなのだ。実話だとしても、会社が大きくなってしまって、もめごとが…という話自体はよくあるものだし。 【スワローマン】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-06-05 23:12:31) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 悪い映画ではないし、それなりに面白かったとは思うけど、見終わって、確かに「アカデミー作品賞がとれないのもしょうがない」と思ってしまった。僕もFacebook誕生を巡る、壮大なサクセスストーリーみたいなものを想像していたのだが、実際には訴訟と恋愛模様のよくあるハリウッドストーリーであった。誰でも楽しめる娯楽映画だが、個人的にはちょっと不満。この話自体がわずか数年前の出来事であり、Facebook自体が現在進行形なので、実をいうとザッカーバーグという男の人生のというドラマにおいてまさに序章に過ぎないわけだ。この作品の物足りなさはそこにあるのではないか?だがしかし、今だからこそ作れない、そして観られない作品であることもまた事実。起業して新しいことを始めるのは、どこの国でもリスクがあるし、もめ事が付きものだ。アメリカ人はそれがイノベーションにとって必要であることを自覚してるが、今の日本はリスクを恐れ過ぎなんじゃないだろうか。それが停滞の一番の原因なんだろうな、なんて思いながら鑑賞した。それにしても、このお話の一番のツボは、世界最大のソーシャル・ネットワークを作り上げ、世界中の人たちを繋ぎあわせた張本人が、実は人付き合いが苦手で友達が2~3人くらいしかいないというその皮肉にあると思う。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-05-31 22:34:14) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 単純に面白い。観ている間は演出、演技、音楽その他諸々が楽しめたので退屈はしなかった。でも、それだけ。何かアッサリ終わっちゃったなあとガッカリ。ストーリーがまるでライダーチップスのチップスのようであまり惹かれなかった。しかし、ザッカーバーグが元カノにフェイスブックの友人登録(?)をするという盛り上がりに欠けるラストで、結局この映画で描きたかったものはは等身大の1人の人間だったんだなと納得。OPではまるで宇宙人のようだったザッカーバーグにある意味共感させられてしまった。というかザッカーバーグから知性と富を引いたらまんま俺。 【bolody】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-02-19 22:55:38) (笑:1票) |
2.実際にFACEBOOK使ってる人や、興味を持ってる人にはそれなりに面白く見られるかも知れません。興味のない人には苦痛の2時間になるでしょう。青春劇としては登場人物たちがあまりにも幼く思えますし、努力の結果が結末につながるわけでもありません。ドキュメンタリーを見ているかのようです。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-02-18 23:57:10) (良:1票) |
1.たまたま吹替にて鑑賞。 これだけの台詞の応酬劇・・・字幕でなくて良かったかも。
映画としてはさすがフィンチャー監督、構成もカメラワークも素晴しいのひとことです。
ただし映画のストーリーとしては、普通の映画のように
・共感できる登場人物もなければ(サベリン君くらい?)、 ・盛り上がる場面もなく、 ・主人公の成長物語でもない(ラストで極小の成長・・・)
ので、見て面白かったかと聞かれると、そうとは言えません。 見て感情を動かされる作品ではありません。
フィンチャー監督の映画技法を味わいにいく映画であると言えるのでは・・・。 【wetb】さん [映画館(吹替)] 6点(2011-02-02 18:49:42) (良:1票) |