《改行表示》 4.《ネタバレ》 素直に面白いと思える映画。 他のヒーローモノの世界とも異なり、もちろん現実的な世界とも異なるが、“現実”をベースにした独特な世界観が非常にユニークと感じられる。 あまり見たことのないタイプの作品だけに、評価をしたいところ。 世界観だけではなくて、ストーリーに関しても観客を裏切るような展開が多く、飽きることが全くない。 ゲイネタを盛り込んだり、他のヒーローモノのパロディネタを盛り込んだり、いきなり大量虐殺が始まったり、主人公がとんでもないところから登場したり、バズーカの使いどころといったように、自由自在さが観客を驚かせる。 さらにオタク系の恋愛モノや親子愛モノなども盛り込まれており、“現実感”を取り込み続けることで、映画が非常に豊かな仕上りとなっている。 瀕死のビッグダディがヒットガールに対して、指示を送り続けるシーンには親子の長年の訓練による“絆”のようなものも感じられる良いシーン。 「悪者はただぶっ殺せばよいのか」「女児童による殺人は許されるのか」という問題もあるが、リアリティや倫理性を重視している作品ではなくて、正義感やエンターテイメント性を重視しているのであり、それほど問題はない(現実感がある作品にリアリティがないというのも面白い)。 主人公のガールフレンドがきちんと悲しんでいたので、この点に関しても一応はフォローされている。 ビッグダディの友達の警官もフォロー役として機能している。 最後にキックアスとヒットガールが本名を交し合っており、ヒーロー(殺し屋)ではなくて、生身の人間であるという確認する行為を行うことでこれらの問題に対する提起もなされているように思えた。 また、声高々に「ヒーローとは何か」「正義とは何か」といったテーマを叫ぶようなことはしていない点に好感がもてる。 そのようなことをしなくても、他のヒーローモノとは異なり、生身の人間だからこそ、心に訴えてくるようなものがあったように思える。 ヒーローを見て「カッコいい」と思うようなことはあっても、ヒーローと同じことをしようとは思わないが、キックアスを見ると「自分は何をすべきなのだろうか」と思うようなことはある。 日本は幸いなことに暴力や強奪が横行しているわけではないが、少なくとも傍観者ではいられないのではないだろうか。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-01-07 00:55:25) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 11歳の子供を洗脳して殺人マシーンに仕立て、訓練で実弾を(防弾チョッキの上から)打ち込んだりすのは残虐やエロ描写、下品な言葉使い以前に設定がR指定です。きっと映画企画段階から「R指定でいこう」と割り切ったように思えます、その分面白い!。なのでこの映画はR指定と知った上で映画の評価に含めるのが正しい観方。ポケモン見て「子供向けでガッカリ」なんて言わないでしょ? 【かのっさ】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-12-29 20:56:12) (良:2票) |
2.すんごい楽しいアクションヒーローもの。超能力は特に無いんですけど、アクションが凄く見やすい&ストーリーがわくわくなので、最高です。意外に血が結構飛びますけど、不思議と爽やかな血しぶきなんですよね。その血のせいで、子供と一緒には見られませんが、気分爽快なアクション映画でした。Shoot Them UpだとかRebellionを彷彿とさせるガンアクションです。余談ですが子役の子はこれから大人気になりそうなCuteさでした。 【ronronvideo】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-12-26 12:06:54) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 ノリの軽いアクション・ヒーローコメディかと思っていたが、大分違う手触りに少々戸惑う。確かに笑える部分も多く、コメディの要素は多い。一般的なバカ映画ならこういうノリはアクションシーンであろうと継続され、バイオレンスを笑いにするのが常套手段であると思う。しかし、本作でのバイオレンスシーンはシリアスでハード。アクションシーンではあまりおちゃらけず、痛みを表現している。 特に幼い女の子が殺戮をする場面なんか陽気な音楽が流れてて爽快に感じてもおかしくないのに、マジメに残酷な描写がされるためか、どこか憂いを帯びている。 デイブ君らが敵に追いつめられるようなシーンはハードに描かれ、なかなか笑えない。 それなのに映画の雰囲気自体はすぐに陽気に戻ったり、という温度差が実は気持ち悪かったりする。何も考えず楽しめる爽快アクションとはちょっと違うのである。 とはいっても、敵味方脇役に至るまですべての登場人物に愛嬌があって非常に楽しい。 ヒットガール演じるクロエちゃんはクソ可愛い。クソ可愛いだけに、殺しに哀愁がにじむ。耳に残るポップでハードな楽曲の数々も素晴らしい。 少しだけ気になった点と言えば、デイブ君の立ち上がる動機が弱いところ。ヒットガール親子がしっかり戦う宿命を持ってただけに、主人公のデイブ君が薄すぎるのが少し残念。 しかし、2時間しっかり釘付けにされたし、コメディ&ヒーローハードバイレンスという新鮮味のある娯楽作品でした。面白かった! 【すべから】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-12-25 18:19:59) (良:2票) |