《改行表示》 9.ネタバレ あたしにとって、この年の邦画では「ヒーローショー」と並ぶ秀作だと思います。 最初は良くある感動モノの映画だと思ったんですよ。ハイ、ここが泣きのシーンですよ、みんな泣いてください、みたいなね。そういうのって分かってしまうと泣けないなんて事があるのだけど、この映画は泣けるんです。泣きのシーンまでの過程が丁寧なんだよね。泣ける場面は都合3(いや、3.5かな?)回ありますが、そのどれもがその過程が丁寧で、予備動作としてその時点で目が潤んでしまうという感じでした。 役者陣も非常に良かった。特に主役である太郎役の高良健吾は良かったです。最初、無表情だったのが徐々に表情が豊かになっていく感じというのを、実に上手く表現していて、彼の泣きのシーンにしてもすべて表情を変えているんだよね。これって観ている側に自然と伝わる形でちゃんと表現されているんです。反対に谷村美月の演じる華は徐々にエネルギーを奪われていく感じを隠そうとするのが良く表現されていて、多分、その相乗効果もあって泣けるのだと思います。 大杉蓮にしても統一感を出すことに注力していて、例えば太郎と似た表情や仕種をみせたり、太郎以上に不器用な姿を演じる事によって家族としての一体感がそこには確かに垣間見えるんです。それは母親役の宮崎美子についても同じで、彼女は華と同じ様な表情を見せたりしています。 で、この家族を丁寧に撮る為にフレームワークやレイアウトも非常にしっかりとした撮り方をしています。 惜しいな、と思ったのが、一部のシーン。例えば、翠翔会の中心的な役割をしている金髪のあんちゃん。田舎の閉鎖的な部分を見せる為の役回りだと思うのだけど、そういう役回りの恰好が、いかにもヤンキー風の金髪やあごひげってベタな方向性にするのは辞めて欲しかったですね。実際の田舎って、そういう人こそ協調性あったりするのでね。 【奥州亭三景】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-11-08 12:26:26) (良:4票) |
《改行表示》 8.ネタバレ 人が病気で亡くなる話は好きではないのですが、実話なら仕方がないですね。 前半はひきこもりのお兄ちゃんを引っ張り出すコメディテイスト。笑いどころが多い。スキあらばうまいことを言おうとする兄。それにつっこむ華。二人の掛け合いが面白おかしくも微笑ましい。女装させられるお兄ちゃんには爆笑必至。 後半、華の白血病が再発。事態は急変。物語は次第にシリアスなドラマへと路線変更していきます。 妹は結局年を越すことができません。それはそれはもう悲しくて仕方がないわけですが、物語のクライマックスはここではありません。兄が亡き妹のために、個人奉納で赤色の花火を打ち上げる。その一部始終を、静かに、でもドラマチックに描いた感動のストーリー。最近見た中では一番泣いた映画となりました。 父。母。病院の先生。学校の先生。同級生。翠嶂会のメンバー。新聞配達先のお婆さん。誰もが優しい人ばかり。 大切な人を失い、いったんは絶望の淵に突き落とされる。そこへ届く一通のメール。心の底から悲しい事を乗り越えて、そこから再生していこうとする物語。よくある人の死で泣かせるだけの物語ではありません。悲しさや寂しさと共に、そこには確かに希望があったのです。 88歳の誕生日を孫達に祝ってもらうおばあちゃんもいれば、17歳という若さでその生涯に幕を閉じる人もいる。 人はいつ死ぬか誰にもわからないけれど、だからこそ一日一日を大切にしようと感じさせてくれる名作でした。 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 9点(2021-03-21 17:41:07) (良:1票) |
7.あのシャツ、そんなに良いか???? 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-08-20 13:32:17) (笑:1票) |
《改行表示》 6.ネタバレ 先日、新潟市内の料理屋に行ったところ、たまたま店に小千谷市出身の人がいてこの映画の話題が出て、お互いに映画を見ましょうという話になった(出身者でも見たことがなかったらしい)。自分は真面目な人なのでシーズンが終わらないうちにちゃんと見たが、遠方のためその店にまた行く機会は当分ありそうにない。 それで内容としては最初から結末が見えており、あとはどうやって泣かすかの手法の問題だろうから、泣かせられるものなら泣かせてみろという気分で見たところ逆に打ちのめされてしまった感がある。冒頭で妹の頭を見せられてしまった後では、この病人らしくない明るく元気で世話焼きで強引な妹の言動に笑わされると同時に泣けて来て、感動のラストのはるか以前から半泣き状態になる。ひねくれた兄もこの妹には逆らえないらしいのが情けなく、同時にこの妹を愛しく思う気持ちが見ている側でも高揚させられてしまう。 そうすると、その後の明らかに泣かそうとする場面は当然として、使い捨てカイロが暖かいというだけでも、またクリスマスケーキを買う母子を見ただけでも泣けて来る。花火大会の場面では、一つひとつの花火にこれまでのエピソードで出た人々の思いが込められており、互いに大事に思い合う人々がいることもわかってまた泣かされる。最後には、題名の花火が上がったと思うともう一つ題名の花火が上がったりもして、これはもう泣かすことに関して徹底された映画だと思える。また奉納花火という性質も十分に生かされていた。 ところでキャストについて、妹役の女優は実は外見的には好みでないのだが、この映画を見ると演技で納得させるには顔の造作など関係ないと実感する。また花火グループの会長さんは、ストーリー的には妹亡き後の空白を埋める立場になるのだろうが、この人(演・早織)が何気にいい顔をしていて好きだ。ほかにも劇中では母親役を含め、女性に救われるところの多い映画だった。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-08-23 08:54:47) (良:1票) |
《改行表示》 5.ネタバレ まず、悲しい話であること。そして、実話であるということ。そういった意味からストーリー及び脚本についてはどうこう控えたいと思います。 結果、幼い女子が一名、楽しい盛りの時期に家族・友達を残して先に一生涯を終えてしまったということ。そんな彼女がどこかに実在していたということ。すでに過去の話となってしまっているということ。悲しい事実に心痛める話でしたが、将来を失いかけてた兄貴を救おうとする妹が愛しかった。妹の期待に応えた兄貴が頼もしかった。そしてイコール谷村美月が良かった。高良健吾が良かった。宮崎美子の母親役がすごく良かった。 そして、ハナビ、 大袈裟ではなく花火がとても綺麗に見えた。普段、花火に全く感心も感動もなかった自分が初めて花火が綺麗だなって思えた瞬間でした。 おにいちゃんの〝ハナの為の〟ハナビ。 涙しました。 こんな兄妹の関係があること・あったこと もっと多くの方に知ってもらえたっていいのじゃないかなって思います。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2014-01-04 17:40:08) (良:1票) |
《改行表示》 4.ネタバレ 「指定した日にメールを送れるんだよ」って亡くなった人から「成人おめでとう」って いうシチュエーション。涙腺決壊であります。 【かれく】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-05-20 10:41:02) (良:1票) |
《改行表示》 3.ネタバレ 確かに「泣かせ」ではあるんだが、難病モノ以上におにいちゃんの成長にスポットがあてられていたのが良かった。恋愛要素がないのもヨシ。ただ、親父が大杉連でお袋が宮崎美子、熱血先生が佐藤隆太とか脇のキャスティングが鉄板すぎて面白味にかける。 大杉漣 は数多の出演作で土下座しすぎているからか、土下座にすら風格が漂うな。 兄と親父のぎこちない和解シーンが実は一番グッときた。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-04-16 12:22:37) (良:1票) |
2.ネタバレ 難病ものは苦手だ。というか、日本の映画界は「難病」というテーマを軽々しく扱い過ぎる。「とりあえず泣かせりゃいいんだろ?」みたいな浅ましい風潮が非常に気に障る。そんな「難病」嫌いな自分だが、この映画にはまんまと泣かされてしまった。(ネタバレあります)難病による「死」をクライマックスに据えるのではなく、そこから更に一歩先に踏み込んだ脚本の巧さ。もちろん演者たちの熱演も素晴らしい。「難病」嫌いな人にこそ観てほしい映画。…でもやっぱり悲しいのでこの点数! 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-04-05 21:39:33) (良:1票) |
《改行表示》 1.ネタバレ 「難病もの」って実はすごく難しいと思います。なぜなら泣かせの定番になっていて、そこに焦点を当てるとどうしても典型的になって、白けてしまう気がするのです。 その難しさを乗り越えて、この映画は実に感動的に仕上がっています。 ラストの花火、それは亡き妹への贈り物。妹からこの日のために友達に託してあった「オレンジ色の花火の色紙」。いままでの登場人物が花火会場に集まり、妹のために頑張った兄にも地域の方たちが花火をあげる。この上ない最後は涙に涙。 これは花火に思いを託すひとたちに感動する優れた日本映画です。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-11-30 19:20:41) (良:1票) |