《改行表示》 4.《ネタバレ》 ラリー・デイビッドはドラマ「Curve your enthusiasm」で見ていましたが、考えてみたらウッディ・アレンの分身としてぴったりな人でした。 本業はTVプロデューサーなのではなかったでしょうか。 分身も分身、身長と頭部が余計に淋しいこと以外は、まさに同じ。 頭が緩くてガタイがよくて金髪の女にこだわるところも、いつもと同じアレン。 なんというか、新しい発見のようなものは特にないのですが、行きなれた名店のコーヒーを飲むような、そんな感じです。 男どうしの会話の絶妙さなんかは、ウッディ・アレンならではだなあ、と思います。男どうしの会話はロブ・ライナーもいいですが、ウッディ・アレンのほうが上だと思います。 やはりこの作品にしても「アニー・ホール」を超えるものではなく、彼は一生あれを超えるものを作れないということで、なんとなく損な感じもしますね。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-06 23:29:42) (良:1票) |
3.すげえなあ!よくしゃべるし、そのしゃべりにしても半端なく、相手に対しても容赦なしの常にマイペースな年寄りが娘というよりも孫でも良いぐらいの若い女の子を自分のペースへと持っていくその持っていき方がとにかく凄い。ここまで口うるさい爺さんなのに嫌な気持ちにならずに普通に楽しめてしまったのはやはりあの爺さんがウディ・アレンじゃなかったからである。ウディ・アレンはとにかくもう監督と脚本に専念してください。この映画が楽しめたのはとにかくウディ・アレン自身が出てなかったからである。大笑いするほどではなかったけど所々で笑える場面もあったりして、ウディ・アレン作品らしい映画だなあ!と思いました。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-11-19 20:31:04) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 毎度、神経質なニューヨーカーである自分を自嘲的に(でもその自嘲すらも気取って)披露してみせるアレン節にはウンザリ、なのですが、今回は本人が演じてない分だけ楽しめました。これ、アレンがやってたらウザくてウザくて仕方なかったでしょうねぇ。彼は偏屈と言うよりは卑屈に見えるだけだもの。バカみたいに生きていても、その輪の外からシニカルに俯瞰してるよりは楽しいよね、っていうワリとシンプルな話というところが良かったです。主人公は達観しているように思えながら、そして、周囲に影響を与えていったように見えながら、実のところ、主人公の方が影響を受け、生き方に変化をもたらした、男と女の常識に囚われていたのは主人公だった、っていう。南部の保守的な一家を襲う激しい変化、その跳躍っぷりこそが主人公が老いてもなお獲得できていなかったものなのかもしれません。だからオチは喪失から跳躍する事で得られたモノを描いてたりするワケですが、そして、それはインチキくさい話ではあるのですが、まあ、そういう運もまた人生、という。タイトにまとめた軽妙なコメディゆえ、いつものクサ味に辟易する事なくスッキリと見られた一編でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-07-18 15:45:24) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 ウディ・アレン、久しぶりのアメリカ舞台の作品。アメリカを出て撮った数作のちょっとしたシリアス路線など無かったかのようないつものアレン映画。皮肉とジョークと良き音楽で魅せるアレンらしい映画だ。主演をラリー・デヴィッドに任せるも、あれはアレンの化身の他の何者でもない。 今回も「それでも恋するバルセロナ」の時に書いた様に、ある一点のみについて書いておこうと思う。それは尺取虫の母親が初めて写真を見せるシーンで写真のインサートを一切入れないのがアレンであるということだ。どんな写真なのかは必要な情報ではなく、その写真から始まる物語が重要であり、それはふたりと、ふたりがいる風景があればそれでいいのだということ。もし写真のインサートが入ると、その内容、尺取虫の娘のミスコンの情報が現れ、その物語が立ち上がってしまう。そうなると、あのふたりのこれからの物語に移行するのに遠回りになる。だから入れない。それで絶対的に正しいと思うのだ。 本作で監督作品40本目、そういった巧さを心得ているアレン、まだまだ枯れるはずなどない。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-01-14 18:59:21) (良:1票) |