9.相変わらず今でもドラえもんの声は大山のぶ代しか認めない。という現在のドラえもんに対する批判を聞いたり、そういう書き込みを見たりする。でもね。今のドラえもん=水田わさびであるということを受け入れて観てこそ本物のドラえもんファンではないかと私は思う。だってさ、今の子供達にとっては水田わさびがドラえもんなのである。ドラえもんって何?て聞かれたら子供の為の漫画、アニメ、映画であって、大人達にとっては今の子供達がドラえもん映画を観て笑ってる。ワクワクしている。楽しんでいるのを観て、自分もそういう今の子供達と同じように小さかった頃に観て楽しんだ思いを大人になっても忘れないでいたい。そう願って観に行く。私はそうである。同じ思いの大人が他にもいるはずである。今回のこの作品、子供にとっても大人にとっても楽しめる要素が沢山、詰まってます。ドラえもん映画史上、一、ニを争う傑作の「鉄人兵団」のリメイクである今作、前作を何度も観てはその度に感動した思い出が甦ってきて素直に泣けたし、文句なしに楽しめた。前作にいなかった新たに加わったピッポというユニークなキャラクターの登場で前作を知らない子供達の笑い声が劇場内で聞えてくるほどの面白さ、そんなピッポがのび太との友情で得た真の心、優しさ、これこそがドラえもんの素晴らしさである。勿論、いつもの仲間達の友情、絶対に仲間を裏切らないという本物の友達、ドラえもん映画においてのジャイアンのかっこ良さ健在、しずかちゃんとリルルの女の子同士の友情、人間もロボットも同じ心を持つという事を描く素晴らしき国民的アニメ、それがこのドラえもんである。今の子供達がドラえもんを観ながらいずれ大人になり、そして、生きることの素晴らしさ、友達の有り難さを知る。この世にドラえもんある限り、日本の未来は明るいと信じて生きていきたい。そう思わせてくれているそんなドラえもん映画が私は好きでたまらない。だから来年以降もずっと劇場に足を運ぶだろう!昨年のが正直、全然楽しめなかったのと個人的ドラえもん映画ナンバワン「鉄人兵団」のリメイクという不安を全て打ち破ってくれたこの映画製作に関わった人達、全員に「ありがとう」と言いたい。文句なしの満点です。 【青観】さん [映画館(邦画)] 10点(2011-03-05 21:50:57) (良:5票) |
8.《ネタバレ》 リルルの急激な心境の変化はしずかちゃんとの絡みを増やし人の『優しさ』に気付き、ほぼ戦闘要員だった男子陣はピッポと最初険悪な関係から徐々に『友情』を結ぶ事で、旧で気になっていた演出を見直しつつオリキャラ2人を差別化させていて素晴らしい。また、二人が親友と言う設定も、敵である自分達に優しくする理由に対するのび太達の台詞を、昔壊れたピッポを治したリルルとの会話と同じにすることで人とロボットは同じである事に気付く。本当にここの演出が丁寧で、二人の行動(人間を守る)に説得力を持たせ感情移入ができる。 作画演出も日常、ギャグ、戦闘どれも及第点以上。世論的にカットされそうだったリルルの『治療、尋問』も描かれていた。 特に『尋問』はより過激になり、頑なに逆らうリルルのけなげさと敵の残虐性が強く印象付けられる結果になっている。世論的には問題になりそうだが、暗にふせいない方が物語のシリアス性が増すと感じる。 『戦闘の尺減』『ミクロス早々退場』『リルルが最初から良い人のため救出後の葛藤する印象が弱かった』等あるが、代わりに加えられた要素が十二分にそれらを補填している。 ただリルル達の優しさに関しては、ロボットが温かい心を『持たない』旧作から『忘れた』事に変更してあるので説得力はあり、人間とロボットをより紙一重の存在にすることで理由付けしつつメッセージ性も強める事に成功している。 他にも『決戦時泣くスネ夫を慰めるジャイアン達の遠くから姿を現す鉄人兵団が旧作以上に絶望を感じさせる』『ラストのリルルに影を落とすことで神秘的な魅力を引き出している』等々見所満載。 残念なのが、のび太がリルルを撃てるのに撃てなかったことを証明する『手錠』部分がカットされていた。救出演出は良いので、加えて敵のミサイルを全機撃墜するみたいなシーンが欲しかった。 アニヲタ的にも雰囲気を壊さずニヤリとできるネタがあったのも良かった。 ラスト、自身の運命を知りながらアムとイムをプログラミングするリルルと、祖国を裏切り絶望的な状況の中『ありがとう』と微笑み鉄人兵団に戦いを挑み、ボロボロになり、それでものび太達を守ろうとするピッポ、そして全てが終わり消えていく二人に嗚咽漏らして大号泣。 旧作で感じた欠点を見事に補完し、さらに『ロボットと人の絆と心』と言うドラマ性を強めたこれぞ文句無しのリメイク。もう劇場版スタッフはこれで固定してくれ。 【ムラン】さん [映画館(邦画)] 10点(2011-03-05 11:45:07) (良:4票) |
7.《ネタバレ》 リメイク版シリーズの中では一番良い出来だと思います。もともとの作品が良作ということもあり、とても楽しく観ることができました。 しかし、私には毎回リメイク版に共通した不満があり、今回もやはり・・という感じで同じ不満を抱くことになりました。それはリメイク版では全体を通して表現が優しくなっているところです。私は旧ドラえもんの映画において重要な要素の一つは恐怖だと思います。それが今のドラえもんにはありません。 リルルがのび太の家に来て、のび太の発言に対して反応したときのリルルの表情や、しずかちゃんの家に突然現れた敵ロボット、敵のボスが鏡の世界だと気づいたときのシーンが子供のころの私にはとても怖かった。だからこそハラハラしたし、ドキドキしたし、地球が救われたときはとても嬉しかった。この感情の高低差が大人になっても忘れられないほどの感動を与えてくれたのだと思います。 リメイク版では敵のロボットはデザインからすでにギャグっぽいし(あのカマキリみたいなやつ何?)演出の仕方も恐怖を感じません。終始おだやかに、楽しく進行しているだけです。 賛否両論あるのはわかっていますが、何でもかんでも子供に優しく刺激の少ない表現にすればいいのか!と今のアニメ全体の方向性に疑問を感じました。特にドラえもんには思い入れがあるだけに残念に感じました。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-10 06:55:35) (良:3票) |
6.《ネタバレ》 旧作への思いが強い中、今回のリメイクのあまりの完成度の高さ、こうも見事にリメイクしてくれたことに対して涙が止まらなくなった。本当に素晴らしかった。事前情報で「ザンダクロスの頭脳」は新キャラの「ピッポ」になり、良い味出してるミクロスは今回は喋らないって聞いてたし、とにかくこのピッポに不安いっぱいでした・・。ところが逆にこのピッポの存在で、オリジナルの時には気付いていなかった違和感を、製作側はちゃんとすっきりさせてくれた。まず大きいのが、オリジナルでリルルが命をかけてまで人間の見方になってくれた理由。今思うとオリジナルではいきなりすんなり。ここがリメイクではピッポの存在でそういう気持ちに流れていく様が上手く表現されてた。(あと冒頭ののび太の「ロボットが欲しい!!」へのドラえもんの返答「もう持ってるじゃん・・」は、26年間気がづかなかった・・。)今回は、加藤さん以外に芸能人を声優に採用してないこと、リメイクするにあたって思い切って追加・削除した脚本と演出の上手さ、絵と曲の美しさ。その辺りでオリジナルをも超える更に良い作品になってた涙。なんと言っても、ピッポが良い!!旧ドラちゃんが好きだ。だけど、新ドラをまだ受け入れられない人もこれがきっかけで受け入れられると思う。少なくとも私は今日から新ドラも大好きになったよ。「ありがとう!!」って今回のスタッフ全員に言いたい。間違いなくドラえもんを愛してて、何度も何度も映画を見て考察して議論して内容を練りに練ってくれた人達だ!湖のほとりでピッポが泣き始める時に、涙止まらなくなった・・。だって、オリジナルの結末を知っているから。この愛くるしいヒヨコちゃんの最後に気付いてしまった瞬間、本当に辛かった。そして鉄人兵団と戦った後のあのボロボロの姿。オリジナルでは、リルルの最後はしずかちゃんしか知らないところを、リメイクではリルルとピッポをシンクロさせることで、みんなが2人の最後を看取った。この表現は最高に良かった。最後の天使の表現も、上手かった・・。文句無しです。 【ネフェルタリ】さん [映画館(邦画)] 10点(2011-03-21 00:52:17) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 オリジナル版を観ていた大人にも、はじめて観るお子様も満足できる作品に仕上がっています。 オリジナル版から大きく変わっているのは、「青い球体」が可愛いサブキャラクターになっていること。 予告編では不安で仕方がなかったけど、これが映画を観てみるとなんとも愛おしい。 見た目は可愛いけど毒舌というキャラで、いまどきありえないくらいのベタベタのツンデレ具合です。 その新キャラクターの「ピッポ」がどういった役目を果たしているのか。 単純親しみやすく、可愛く、ギャグの要因としても機能しています。しかし、それだけではありません。 オリジナル版では孤独だったリルルが、心を許しあえていた友達がいたこと、しずかちゃんに会う前から「身を犠牲にしてでも好きな人を守る」性格であることがわかるのです。 さらにオリジナルでは、鉄人兵団とともに消えてしまうリリルの気持ちは、しずかちゃんのみに言われたものでした。 このリメイク作品では、ピッポという存在がいるおかげで、その気持ちが、のび太にも伝わるのです。 彼の存在は映画の主題を脱線させることなく、心理描写において役目を果たしていました。それだけでも賞賛すべきことです。 決して不満が無いわけではありません。しかし追加のエピソードのほとんどを、サブキャラクターの描写のみにおさめて、堅実にオリジナルの物語を再現してくれたことに、自分は感動しました。 ラストも、ピッポがいたことで、ほんのちょっぴりだけ違います。これももものすごくいい! 本作は「鉄人兵団」を好きなスタッフが作った、この先も末長く評価されるべき素晴らしい作品です。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-03-05 22:38:07) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 ドラえもん自体は子供のときから漫画やテレビでいくらでも見てきたけど、新ドラはまるで見る機会がなかった。子供が見るので自分も一緒に見るようになったのは昨年ぐらいからか。最初は違和感があったけど、慣れたらむしろ昔の声優陣より今の方がしっくりくるようになった(しずちゃんだけは、昔の声の方がかわいいです……)。
当然旧作・新作含めてドラ映画は全く見たことがなかったので、これが自分の人生初めてのドラ映画となった。もちろんリメイクだなんてことも知らず、20年ぐらい前の旧作オリジナルも知らず、原作も知らず、子供と一緒に何の気なしに見ただけなんだけど……
面白いじゃんこれ。ぐいぐい引き込まれる。オチがちょっと無理矢理というか「この手を使えばどんなピンチもほぼ切り抜けられる」的な、考え方によっては極悪非道(笑)なオチなのでアレだったけど、別れの場面はとっても感動的だったし、かなり見直しました。でも評価みたら「ドラ映画最高傑作」とあるので、ああそうかなるほどねぇいつもこんなに質が高いわけではないのかななどと思ったり。
来年は、子供と一緒に映画館に行こっと!
追記:オリジナルが存在することを知ったので気になって見てみましたが、映像や音声に格段の違いがあって、リメイクを先に見ちゃうとオリジナルは……なんというかその……気の抜けたビールみたいな……。戦闘場面の迫力など余りにも違いすぎる。20年も前なんだから仕方ないけど、映像以上に音楽がオリジナルは明るすぎ軽すぎ。キャラクター追加も大成功しているし、そのためにリルルの変心が自然に描かれているところもうまいし、リメイクの方に軍配を上げます。ただ最後は旧作も十分感動的だった。 【空耳】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-12-04 02:01:11) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 さて、鳴り物入りで公開された本作だが、前評判が完璧に近いほど高評価だったので、旧作が大好きな自分もリメイクを楽しめるかもと思って楽しみで鑑賞した。結果としては5点(評価基準にあるように、『損も得もしない』)としか言いようがない。リメイクである以上、旧作と比べられるのを承知のはずだが(リメイクは単体で楽しむべきという意見はおかしいと常々思う)もし単体として見たとしてもこの評価は変わらないだろう。どう考えても無理やりひねり出したとしか思えない「ピッポ」の存在。劇中では始終浮いてしまっており、リルルとしずかがメインのはずの交流がのび太+ピッポの構図にも振り分けられており、中だるみの原因である。リルルとの交流にどうしてものび太を介入させたかったのだろうか?「優しいのび太が『撃つ』という選択をする」「笑顔で『撃って!』と振り返る」これだけの表現でも強烈なインパクトだ。それなのにわざわざピッポを介して「言葉」で説明しようとする。観た後に思ったのは、今回のピッポの登場は観客にロボットと人間の違いを「言葉で説明させる」役だったということだ。 湖での防衛線も前哨戦はなく、盛り上がりが薄く改変されている。それはもちろんピッポとのび太の交流に時間を割いた為と、それによって生まれた間を消化することができなかったからだ。原作を読むと、作者がいかに物語を上手く見せるかがよくわかる。旧作で最終決戦が描かれなかったのも映画化に際してのテンポを重視したからだ。 映画の中でテーマが二転三転し、新キャラの登場・設定追加による説明・表現が増えたためにいたずらに時間が長くなっており、一貫性が薄い。 「新しいドラえもん」を作りたいのだろうが、古いものをぶっ壊せば新しいものがついてくるといった考えは浅はかだと思える。良いところだけ「昔」に頼り、「今」の弱さを「新しい」として逃げるのはずるい。 【次元転移装置】さん [映画館(邦画)] 5点(2011-03-27 01:42:42) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 新・ドラえもん映画の中では突出した出来だったと思います。名作と誉れ高い鉄人兵団のリメイクということで公開までは不安しか感じていませんでしたが、実際に観てみるとリメイク元の省略できるところはバッサリ削って、本作はリルルとピッポ(ジュド)と人間たちの交流に力を入れているという良改変。今回は監督と脚本を一新したらしいですが、英断だったと思います。ギャグとシリアスな場面をごっちゃにしないドラえもん映画が帰ってきた気がしました(ギャグも中々面白いんです)。ただ今回の大きな変更点であるピッポの登場はハッキリと失敗だったと言いたいと思います。リメイク元の最も素晴らしい点は血も涙もないロボットのリルルがしずかちゃんを通して人間の素晴らしさを知り、かつその後にアムとイムに"他者を思いやる気持ち"をプログラミングすることで人間以上の存在(天使)に生まれ変わるところだと思うのです。リメイク元ではのび太が最後にこう呟きます、「メカトピアはどんな風になったかな……、きっと天国みたいな世界になってるな!」。私たちの世界は戦争、差別、憎しみで溢れています。でもロボット(リルル)は他者を思いやる気持ちを持ったことで、人間が未だに到達できない世界を作り出せた。私たち人間も"他者を思いやる気持ち"をもう少し多めに持ってみようよ、ということがリメイク元の鉄人兵団の最も観客に伝えたかったことだと思うのです。 で、今回のリメイクはどうかというと、ピッポを登場させたことでメカトピアの世界でも、リルルが壊れかけのピッポを修理してあげる様な思いやる気持ちが既にあることになってしまっているので、他者を思いやる気持ちでは人間以下だったロボットが最後に天国の様な世界をつくったという、衝撃的かつ感動的なラストの効果が弱まってしまっています。この映画がやりたかったことはハッキリしていると思います。それは"他の種族への理解と和解"でしょう。ピッポとのび太はどんどん仲が良くなり、最終的に互いを友達と認め合い、闘えなくなってしまう。ちゃんと話せはお互いに理解しあえる存在であるということをこの映画は伝えたかったのだと思います。それはそれで素晴らしいテーマだと思いますが、鉄人兵団をリメイクするのなら「今の人間に足りないものは何なのか?」「どうしたら戦争や差別は無くなるのか?」まで突っ込んでほしかったと思います。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-03-25 09:46:51) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 おっさん声のドラえもんから見てる世代ではあるものの(歌詞書くとアレなんで略すとオツムがツンツルテンだのアンヨが偏平足だのってヤツ)、特に『ドラえもん』に思い入れはなくて、でも、昔レンタルで見た『鉄人兵団』は記憶に残る名作だったのでリメイクとなる今回、初の『ドラえもん』映画館鑑賞。見ていてとても感心しました。高水準の作画、ちょっとした仕草の細やかさや印象的なシルエットなど、繊細な表現がいっぱいあって、一方でメリハリを効かせたSFアクションとしての華も盛り込まれて。鏡の世界の設定に疑問が湧きまくりではありますが(どの時点を「映し」ているのか、それは他者の所有システムと共有された空間なのか、空間内で時間が経過するならば現実との差異が生じるのではないか、その差異はどう補間されるのか、生体は映さないならば食肉は何故反映されるのか、ならば死体は反映されるのか、病院の安置所に死体だけポツンとあったりするのか・・・)、リルルと共に今回新たに生命を与えられたピッポがキャラとしての個性を存分に放っているために、元作品よりも、もっと人と機械生命体との繋がりと、その悲劇とが強調され、より深い感動を得られる映画になりました。しかし。その機械生命体側なリルルとピッポの存在に、更なる魅力を感じれば感じる程、元作品に存在した大いなる欠点が更に大きくリアルな欠点として引っかかってしまうという難点が浮き彫りになりまして。しずかちゃんのひらめきは結果的に侵略者とは言え、宇宙の中で長い歴史を刻んだ文明をまるごとひとつ破滅させてしまう訳で。人と機械の差異など存在しない事を語りながら、このリセット劇は相手が機械であるがゆえに許されるように見えてしまいます。ラストの救済も安直な蛇足に思えますし。ここはリルルとピッポに責を負わせつつ、人間側にその重さを認識させて頂きたかったかな。とは言え、その完成度、面白さや感動は個人的にオリジナルを超えるものだと思いました。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-03-08 22:17:20) (良:1票) |