《改行表示》 5.相米監督の遺作!ということで身構えてしまうが、遺作なんてものはこの世に置いていかれた側にとって遺作なのであって、本人はあの世でもせっせと作品を仕上げているんだろう。 だから、遺作が作家の個性の集大成になるわけではない。遺作という先入観があったせいか本作は相米色(思うに長回しのシーンや可愛げのあるチープさ)が控えめな気がした。映画評論家は例外的作品も、うまく作家史の文脈に位置づけるだろうが、いち映画ファンとしては相米監督の寛容なサービス精神にただただ感謝するのみです。 酔っ払う浅野は非常に自然な演技だった。ベスト酔っ払いアクターです。 【ことり式】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-09-11 07:16:55) (良:1票) |
4.相米監督の遺作、という先入観があるからかもしれませんが、この作品からは「死と無常観」の匂いを強く感じました。というか、特に90年代に入ってからの相米作品では、「死」の匂いが際立っているように思うのです(「お引越し」では誰も死なないけど、主人公の少女がさまようシーンは「少女時代の死」と「再生としての成長」が描かれているような気がします。こじ付けかもしんないけど)。ただ「死」と言ってもネガティブな捉え方ではなく、生きる上で不可避な、厳粛な存在としての「死」、それを確かめることで、より「生」を実感できる存在としての「死」という気がしました。だからこそラストのエンドロールはああいう人を食ったような感じになった気がします。ところで僕は小泉今日子のファンではないのですが、この作品の彼女はとってもいとおしい感じでした。特に温泉宿で「プロ」として抱かれるシーン(鈴のように鳴る腕飾りで表現されている)ところは胸が「きゅっ」となりました。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-01-12 16:32:20) (良:1票) |
3.いまひとつ起伏のないストーリー展開に一見退屈さを感じるが、人間の心の傷の回復を描くという点で今作は非常に秀でていることに気付く。人間の心なんてものは憎憎しいほどに、愛しいほどに複雑で、一度ついた傷は簡単に修復されるものではない。この映画の主人公の男女が辿ったように、ゆっくりと、大きく回り道しながら回復するかどうかという微妙なところをさまよい続けるものだと思った。その人間の心らしい、まどろっこしさがこの映画の最大の要点だ。 【鉄腕麗人】さん 7点(2003-12-16 01:04:17) (良:1票) |
2.見たときもよく分からなかったけど今はさらに記憶が風化。 【キリコ】さん 4点(2003-10-18 14:34:39) (笑:1票) |
1.少し平均点を上げましょう。この映画は一つ一つのシーンを大切にしていて、なかなか好感が持てます。今の日本映画界には無いと言ってもいいくらい、「正に映画」というくらい1シーンごとの演出がもの凄く丁寧です。確かにストーリー自体は、さほど面白いものではなく全体的に間延びはしているけど、今の映画界の中ではこんなシンプルな映画は貴重だと思う。それだけに監督の急死が惜しまれる。 【チャーリー】さん 8点(2002-02-11 14:08:47) (良:1票) |