8.《ネタバレ》 オリジナルの「勇気ある追跡」は数年前に一度見たきりなので良く覚えていないのですが、少なくともライフルをクルリと回すジョン・ウェインにジェフ・ブリッジスではお話にならないだろうと思いますし(だがコーエン兄弟にとってはこれはどうでもよい事らしい)、移動であるとか天候であるとか、あるいはマット・デイモンの怪我であるとかが不調に終わっていますが・・・オリジナルに少々手を加えた素晴らしい箇所もあります。例えば、14歳の娘が一人で川を渡り切ったのを見届け、ジェフ・ブリッジスは彼女を認め、それに対して娘の方はジェフ・ブリッジスが瀕死の彼女を抱きかかえ必死に走る姿を目の当たりにし彼が真に尊敬すべき対象へと変わる(ただ後者のシーンの見せ方は好みでない)。ラストは「ノーカントリー」と同じく、言わんとしていることが強過ぎると思いますが(コーエン兄弟にとってはここが重要でリメイクしたと思われる)、事件のことを当事者たちしか知らないという感じも良いです。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-04-19 18:18:19) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 「いちご白書」のキム・ダービーがマティに扮したオリジナルは見ていません。 コーエン兄弟の映画は変わったのばかりではないらしく、オーソドックスで画作りが端正で美しい西部劇、でも彼らの底知れないダークネスみたいなものも潜んでいそうな。 ヘイリー・スタインフェルドは子役あがりではなくポンと出てきた子のようですが、すごくしっかりしていて魅力的な新人。 彼女のマティが中心にいることで、他の西部劇とは一味ちがうものになっているよう。 マティは男まさりというより、見た目は少女でも頭や心は少年のそれで、自分が女であることがもどかしいような風情。 けれど、あの小屋をふりかえる表情はやっぱり少女のものに見えました。 自分が復讐の旅に出なかったら、彼らも命を落とすことはなかったと、そこまで考えたのかどうか。 復讐は因果なもの。 周りを巻き込み、時には本人をも。 ジェフ・ブリッジスは「クレイジー・ハート」もよかったけれど、この隻眼の保安官ルースターもいい。 自分の腕が衰えてないのを見せるべく意地をはるところなんか可愛かったし、いつのまにかできていたマティとの絆に心熱くなる。 ラビーフのマット・デイモンは途中姿を消す脇役なのが意外でしたが、脇役もこなせる人が本物の役者でしょうね。 時を経て忘れられない人を訪ねるラストの寂しさも、一篇の詩のようでした。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-08 06:59:57) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 ●コーエン兄弟の作品なんだけれども、「こういうストレートな作品も撮るんだ」という、これはほんとうに正統な西部劇ではないかという印象と、やっぱりどこか「ファーゴ」みたいな、奇妙にずれてねじれた感覚もあるか、という印象とがわたしのなかでせめぎあう感じ。演出のはじはじにただよう微妙なユーモア感覚はやはりコーエン兄弟の持ち味だろうし、とつぜん、あたまからすっぽりとクマの(おかしら付きの)毛皮をかぶった男が馬に乗って登場するところなんか、びっくりしてしまった。そのクマの歯がなんだか気になって観ていると、この作品、やたらと歯の話が出てくる。悪役のひとりを下からあおって撮影している場面でも、その悪党の歯並びが気になってしかたがないし、観ていても知らずに歯のことばかり考えていたりする。やっぱり、そんな変なことを考えてしまうのも、コーエン兄弟の作品だからこそのことかもしれない。 【keiji】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-11 08:21:49) (良:1票) |
5.「西部劇」というものをこれまで殆ど観てこなかった。「食わず嫌い」に近い苦手意識があったように思う。 あくまでイメージとして、捻りのないストーリーのわりに愚鈍でテンポが悪いという印象が何故かあった。
今作にしても、“西部劇を観る”というというよりは、“コーエン兄弟監督作品を観る”という立ち位置の方が先行していたと思う。 結果的に、予想外に“真っ当な”西部劇を観てしまったなあと思った。コーエン兄弟が、これほどどストレートな映画を撮ったこと自体が驚きだったと言える。
決して面白くなかったということはない。リメイク作品らしく、もちろんジョン・ウェイン主演のオリジナル作品は観たことがないが、映画世界そのものがとても丁寧に描き出されていることは全編通してひしひしと伝わってきて、ストーリー云々以前にその世界観自体を堪能できた。 イメージに反し、テンポも悪くなく、各々がそれぞれの悲哀を抱えながら短い旅をする様には、ドラマの多様性があった。
衝撃的に面白いということはなく、またそういう類いの面白さを求める映画ではないと思う。 登場人物それぞれの描かれていない部分の人間性や人生を想像し、鑑賞者のそれぞれが深めていくことが正しいのだろうと思うし、そういうことが「西部劇」を観る上での醍醐味なのかもしれないなと思った。
今作のオリジナル作品も含めて、優れた西部劇は数多くあるのだろうから、少しずつ観ていきたいなとも思う。 そういう意味で、個人的には映画鑑賞の可能性をちょっぴり広げてくれたとともに、マット・デイモンのスター俳優らしからぬ使い勝手の良さを改めて感じた映画だった。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-12-06 17:18:24) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 原作未読。オリジナル未見。快活で賢く、何者にも屈しない強い心を持ったマティを演じたヘイリー・スタインフェルドは『赤毛のアン』に合いそうだなと思った。相手をやり込め補償と馬を勝ち取るタフなネゴシエーターぶりは見事すぎてニヤニヤしましたよ。 『トゥルー・グリッド(真の勇気)』というタイトルならもっとカタルシスを与えられる様に撮れそうだな、とは思いましたが、控えめな演出が逆にリアルに感じられたかな。先住民であるインディアンの虐げられ具合や男尊女卑で男臭い世界は服装や街並みなど含め、古き良き西部劇らしかった。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-05-11 20:38:53) (良:1票) |
3.主人公の女の子が、蒼井優に見えて仕方なかった。 【しゃっくり】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-04-10 01:11:19) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 かなり正統派なウェスタン映画だった! コーエン兄弟って良くも悪くも「よくわかんね」だったり「変なの!」っていうような捻くれたのばっかり撮ってるから、王道っぷりに少しびっくりした。映像や音楽の使い方もいつものコーエン兄弟的な変な感じではなく、一級映画な感じ。むしろスピルバーグ的では? 主人公の女の子があんまり可愛くないっていうのがコーエンらしさか(失礼)。コーエン兄弟って、美人や美少女に興味がないようなイメージがある(失礼)。いや、でもこの娘変な魅力あります。 僕は好きです(フォロー)。 ジェフとマットの意地の張り合いみたいな掛け合いがとか、西部劇なのに妙にコミカル。そのおかげで最後まで楽しく観られた。 ここ!!っていうところもなく、クセもあんまりないけど、高水準な映画であることは間違いないと思う。個人的には、シリアスマンのが好きだけど。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-03-26 21:44:28) (良:1票) |
1.かなりウェルメイドな西部劇。節々にコーエン兄弟的なシュールさは見られますが、そこまでゴリゴリではないため、比較的見易い映画。『ファーゴ』や『ノーカントリー』路線が好きな人には間違いなくオススメ。ジョシュ・ブローリンやバリー・ペッパーは出番が少ないながらも存在感を魅せてくれますので、彼らのファンならば更に楽しめるかと思います。ジョシュ・ブローリンが荒野に佇む姿を見て、『ノーカントリー』のシガーが突然襲ってくるんじゃないかと思ってドキドキしちゃいました。。。 【カイル・枕クラン】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2011-03-21 15:23:10) (笑:1票) |