8.《ネタバレ》 色彩豊かなスイーツの映像だけでも心なごむ映画と予想するわけだが、実際見ると主人公があまりに破壊的な人物のため事前のイメージが砕かれてしまう。 とにかく感情制御に問題があって、自分の心の安定を保つためには客観性も常識も思いやりもなくなるらしいのが大変なところである。特に怒りの抑制が困難らしく、些細なことでも心に収められずにその場でバランスを取ろうとするので大ごとになってしまう。元彼が本気でものを言っているのに笑い飛ばそうとした態度には、さすがに自分としても(実在の人物を思い出してしまって)腹が立った。これまでずっとこんなのを相手にしていた海くんが哀れでならない。 これでその他の条件(主に見た目)がどうかによっては見るのも考えるのも嫌な奴ということになるだろうが、幸い主演女優のおかげでまだしも愛嬌があるのが救われる。劇中ではこの人と元彼・店のシェフ・嫌味な先輩・伝説の男とのやり取りがそれぞれ見所になっていて、専らこのキャラクターの存在が映画全体の価値を決していたように思われた。初回はともかく2回目に見ると彼女の言動には笑いっぱなしで、次第にこの主演女優も好きになって来た気がする。
一方でストーリーとしては緩い感じになっており、娘にケーキの作り方を教えたいと思ったことが何で復帰の動機になるのかとか、要は復帰すればいいのであって元妻とよりを戻すことまで考える必要がどこにあったのかとか細かいことはいろいろあるが、まあ大体のところでいいお話だったのではないかと思われる。 なお常連さん宅にケーキを届ける場面では、常連役の女優の普段のイメージとの関係もあって“この人がこんなことを言ってくれた”と少し感激する思いだった。ただこのケーキを作ったのは主人公ではなかったはずなので、ここは彼女に奮起を促したエピソードだったということだろう。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-02-03 19:50:39) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 蒼井優は本当に上手い役者さんになったなと感じましたねぇ。おてんばで、純粋で、感情をそのままストレートに出す女の子の役なんですけど、この主役の女の子のキャラがこの作品の見どころの一つで、彼女の破天荒さが、周りの人たちの凝り固まった状況に風穴を空けていくことになります。逆に言えば、そういう彼女のキャラに頼っているだけで、ストーリーそれ自体にはそれほどぐっとくる要素がないなと感じました。伝説のパティシエも、彼女のごり押しのみで心変わりするというのは理由付けとしてちょっと弱いのではないかと思うし。まぁ、なんにせよ、個人的には僕はお菓子作りするのが趣味でして、そういう自分にとってはパティシエが作り上げるスイーツのヨリの映像はどれも美しく、パティシエさんはやっぱり「職人」さんだな~って。そしてお菓子作りはやっぱり奥が深くて難しいんだな~、ということが感じられて、そういう面も見どころだったなと思います。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-02-04 22:18:32) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 お仕事ドラマが好きなので、そういった意味ではまあまあ楽しく見られました。 海君との別れ。シェフのケガ。十村の過去。ちょっといっぱい詰め込みすぎちゃって、1つ1つのエピソードや人物造形は薄味に仕上がってしまった印象。いや、十村の娘のエピソードは辛すぎて逆に印象が強すぎますね。 先輩マリコとの確執や衝突は良いんですが、最後までそれでいってしまうのはいかがなものかと。めっちゃあたりのきつい先輩が、なつめの頑張りや、なつめのケーキを認めるようになるエピソードがあれば、もっと心情的に盛り上がったかもしれない。 諍いからの歩み寄り。和解。承認。現実世界ではなかなかそーゆーことが起きないから、フィクションの世界に夢や理想を見たいと思うんですけどね。なつめはいつまでたっても半人前扱い。マリコは最後まで嫌な先輩のまま。もう少しサクセス要素を入れてくれても良かったんじゃないでしょうか。リアルをリアルに見せられてもなぁ。 十村がいずれ合流するであろうことは想像に難くありません。オーナーシェフとなつめが信頼を築き始めていただけに、終盤オーナーシェフが戦線離脱したまま終劇ってのは、ちょっと寂しいものがあります。 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-10-13 08:37:15) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 蒼井優にはグランジロックっぽい印象を持っていたので、こういう、ちょっと乱暴でやさぐれてる女の子の役がハマるなと感じました。
洋菓子はとても繊細なモノなのでしょうが、この作品は良くも悪くもざっくり作りました、という印象。 (送迎バスは小さい子を一人で帰らせてはあかんでしょとか、そんな短期間で上達する!?とか突っ込みどころアリまくりので)
ちなみに某朝ドラは、はっちゃけた主人公、天才シェフ、職場の女性の先輩などなど、この作品を参考にしたんだろうなと推測。
お菓子好きの家族がいるなら、一緒に一服する時にちょうどいい作品かもしれません。 お菓子を作る時のキリッとした姿は素敵なので、感化されて、ちょっと気合い入れて作ってみたくなりますね。 【nina09】さん [インターネット(字幕)] 5点(2016-05-24 17:54:31) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 スイーツ好きにはたまらない映画。出来上がった完成品はもちろんだが、洋菓子を作成する過程、特に手首より先を意識したショットの数々はよかったと思います。完成品ばかり映すなら、お店の陳列で本物を眺めた方がいいからね。 キャストでは、蒼井優はキャラがわかりやすくてよかったのですが、江口洋介演じる十村の人物描写が浅かったのが残念。現場を捨てた理由は痛いほど伝わりました。しかし、現場復帰の決断に至る心境はよく伝わってこなかった。彼の部屋で、表彰楯などパティシエの賞や、輝かしい過去の写真などがさりげなく飾ってあるショットを入れたらよかったと思います。現場への未練が言葉なくともよく伝わるし、なつめはきっかけを待っていた彼の背中をポンと押しただけ、で違和感なく繋がりそう。それにね、やはり本音として彼の手腕をもっと観たかった。だって、せっかくの「伝説のパティシエ」の技、もっと映さなきゃダメでしょ。 【タケノコ】さん [ブルーレイ(邦画)] 5点(2015-05-02 22:54:00) (良:1票) |
3.蒼井優はいい演技をしていると思うけど、鑑賞後の気分がスッキリしない。主人公の性格に難あり、だからだろう。強い自己主張を容認できるかどうかで評価が分かれそうですが、私は彼女に恋しません。この役を、いわゆる美女が演じていたら、もっと嫌味な奴に見えたと思う。この役を、いわゆるブスが演じていたら、もっともっと嫌味な奴に見えたと思う。殊更に美人でもない蒼井優が演じたことで、まだ救われている気がする。パティシエの先輩も性格悪すぎ。戸田恵子のおばちゃんぶりを除くと、登場人物に魅力を覚えない作品でした。蒼井優は最も注目している女優さんですが、このところ、彼女の芝居がガツンと活きるような作品に出会っていないですね。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-12-03 23:27:27) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 序盤はなつめのキャラに馴染めず戸惑った。 流石にちょっと非常識過ぎると思うんだけど、その非常識さを受け入れるシェフの人の好さが際立って良かったのかも知れない。 終盤シェフの出番は減ってしまうけど、入れ替わるように伝説が台頭してくるシナリオには不覚にも涙してしまった。 どうしても父親目線で感情移入してしまうので、娘にケーキ作りを教えてあげられなかったという後悔が痛いほどよく伝わってきた。 それにしても、この作品に出てくるケーキはどれもとても美味しそうで、完成品だけではなくて、作ってる途中の一つ一つの素材がとても美味しそうに見えました。 あと、あの晩餐会の演出とか実際に目の前でやられたら感動してしまうだろうな。 それから、どうでもいいことだけど、この作品を見て以来、夢の中にマリコさんが出てくるようになった。 なんだかよくわからないけど、好きになってしまったようだ。 加賀まりこじゃなくて、登場人物のマリコさんの方ね。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-08-03 18:58:59) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 理由あって菓子作りを辞めた伝説のパティシエ・・・そのパティシエがあるキッカケで復活しピンチの洋菓子店を救う・・・その天才パティシエ役に江口洋介・・・ ・・・何というベタドラマな設定!(^^; でも個人的にはこういうの大好きです。 こういうストーリーは油断するとTVドラマと同じになってしまい勝ちですが、ケーキのビジュアルや音楽が綺麗で映画的な雰囲気があってよかったと思いました。 内容についてはちょっと詰め込みすぎた感があります。 1クールのドラマを無理やり短縮した感じで、後半になればなるほどバタバタ。 特に最後は、「えっ、これで終わり?」といった呆気なさでした。 正直、伝説のパティシエ十村の見せ場もいま一つ。 十村の復活はこの作品の肝だと思いますが、そのキッカケもイマイチ弱い。 このようなストーリーは個人的に好きなだけに採点は甘くしてますが、もう少し感動や盛り上がりが欲しかった・・・う~ん、残念!。 【午の若丸】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-05-12 23:09:14) (良:1票) |