5.マーベルコミックのヒーロー大集合のお祭り大型企画「アベンジャーズ」は、大いなる疑心も付きまとうが、それを遥かに凌駕する期待感が先行している。イロイロ特色を持ったキャラクターが大集合!って設定は手放しでテンションが上がってしまう性質なので。
それはそれとして、神話世界のヒーローを描いた今作「マイティ・ソー」までが、そのプロジェクト・アベンジャーズの一端に食い込んでいるとは知らなかった。 まさに“神”レベルのキャラクターである“ソー”と、基本的には普通の人間である“アイアンマン”こと“トニー・スターク”らが同列に並んで成立するものなのだろうかと思う。 まあ、その懸念は実際に「アベンジャーズ」が公開されてから見極めることとしよう。
単体でみた今作を一言で言うと、「あらゆるイマジネーションが氾濫した映画」というところだろうか。 映し出される映画世界は、まさに“洪水”のような勢いで押し寄せ、入り交じり、混濁している。 実際に描かれているストーリー自体は、お伽噺的なものでシンプルなのだろうけれど、その氾濫具合によって訳が分からなくなってくる印象を受けた。
序盤は“神々の世界”の途方も無さに少々置いてけぼりになり、更に地球へ追放された主人公の立ち振る舞いや、唐突な溶け込み方に呆れた。 そのまま「駄作」と断じてしまってもよかったけれど、何となく拒否しきれない不確かな魅力が、結局のところそれを回避した。
色々な点で突っ込みどころは満載だ。描かれる物語は詰まる所、親子の確執や兄弟の確執の範疇を出ておらず、その当人たちがたまたま「神」だったから全宇宙を揺るがすほどの仰々しい騒動になってしまったという風に見える。 ただそれがこのコミックの世界観だと言われれば、正直批判する余地は無いようにも思えてくる。
鉄の巨人が突如地球上に現れて、それを目の当たりにした政府の人間たちが何を言うかと思えば、 「スタークのものか?」「いや聞いてない」というやりとり。 それを聞くなり、自分の中の“ワクワク感”がひょいっと頭を出してしまった時点で、この映画自体が面白かろうが面白くなかろうが、“マーベルのお祭り”にまんまとノせられている者としては受け入れるしかないのだろう。
(2018.5.7再鑑賞) 初鑑賞時は“ソー”というマーベル・コミックのキャラクター自体に対してビギナーだっため、どういうスタンスでこの「雷様」を捉えるべきか分からず、この映画世界を味わうに相応しいテンションを見出だせていなかったのだと思う。 結果的に、繰り広げられるイマジネーションが混濁しているように見え、「駄作」という印象さえ禁じ得なかった。
しかし、「アベンジャーズ」を含めて、その後のシリーズ作をすべて経てきた今となっては、再鑑賞した今作の印象が一転したことは言うまでもない。 改めて観返してみると、神話にまで通ずる超宇宙を股にかけた崇高なスペースオペラであり、生きる世界の垣根を超えた壮大かつ愛らしいラブ・ストーリーとして、見事に仕上がっている。 「宇宙戦争」「地球の静止する日」等の古典を彷彿とさせるクラシックSFとしての側面も味わい深い。
そして、屈強な雷神に愛されるヒロインとして、ナタリー・ポートマンの魅力的な存在感はあまりにも相応しい。
マーベル・シネマティック・ユニバースの作品群の中では、世評的にも興収的にもそれ程褒められた結果を得られた作品では無かったけれど、“ソー”という明らかに異質なスーパーヒーローの立ち位置を確立させ、紛れもなく愛すべきキャラクターとして成立させてみせたことは、この直後に公開された「アベンジャーズ」成功の最たる要因と言えよう。
贅沢かつ的確なキャスティングを成功させ、この難しい企画をまかり通してみせたケネス・ブラナー監督の手腕と、功績は大きかったと思う。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2012-01-15 01:32:11) (良:2票) |
4.どこぞのムキムキ王子が地球にやってきて一騒動。要するにこれは、キン肉マンみたいなシステムなんでしょうか。 前半の神話的世界と、後半のカルチャーギャップネタ(と言ってよいのかどうか)との二段構成から、それを一つにまとめていくクライマックス、オモシロいっちゃあ、オモシロい。んですけどね。でも。 ケネス・ブラナーが監督しようが誰が監督しようが、結局、こうなっちゃうのか、という、CGによる均質化。物語はと言うと、王、ソー、ロキの関係はこれ、もしかして「リア王」のグロスター伯、エドガー、エドマンドの関係なのか?と思うけれど、踏み込み不足で、「リア王」ほどの峻烈な印象には程遠い、いかにも中途半端な描かれ方。 ナタリー・ポートマンとの関係に至っては、もはや軽薄としか言いようがありませぬ。 でもあのロボットみたいなヤツは、ちょっとカッコいいぞ。どうしてよりにもよってこんな場所で、という、ド田舎での死闘。何となくスーパーマンII冒険篇あたりを思い出したり。 【鱗歌】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2018-01-31 23:24:23) (良:1票) |
3.こーゆう、大味なヒーローものに僕が求めるものは、CGバリバリの派手な映像と派手なアクションだけ、後はおまけみたいなもんです。だから、もちろん楽しめました。前半から、ウルトラマンの光の国みたいなアスガルド世界の風景がテンションをあげてくれます。後はもうお約束、誰がラスボスになるかも、マルわかりなんですけどね。やっぱここにも出てきたシールドの組織。そして名前だけだけど、スタークの存在も確認されます。単品でも楽しめそうだけど、正直、単品だけならきっと観なかった映画です。アベンジャーズ企画の一品として、楽しむ、僕にとってはそんな感じでした。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-01-04 22:57:21) (良:1票) |
2.壮大な親子喧嘩に兄弟喧嘩。雷神トールと無敵のハンマー。地球にとっては、神々の世界「アスガルド」。新たな王として戴冠式を迎えたオーディンの息子ソー。王たる印であるハンマー「ムジョルニア」を従えて。そのとき、予てより敵対していた氷の巨人により宝物庫が襲撃される。立腹したソーが仲間とともに氷の巨人の国ヨーツンヘイムを襲撃したことで、再び巨人との間に戦端が開かれてしまう。息子の傲慢で軽率な行為に激怒したオーディンは、ソーから力を奪い地球へ追放する。放逐された地球で知り合った科学者ジェーンやセルヴィグ教授たちに助けられ、地球のことを知るソー。彼は、後を追うように地球に落下したムジョルニア、そして自分の力を取り戻すため行動を始める。だが、そこにはソーの弟ロキの陰謀があった...。北欧神話がモチーフの本作は、『アベンジャーズ』の他の物語と異なり、バリバリのファンタジーテイスト。はるか昔、「女神転生」というゲームで「雷神トール」「魔人ロキ」に出会って以来、何となく馴染みのあるキャラクターが登場する。FFシリーズの「召喚獣オーディン」は言わずもがな...必殺の斬鉄剣。ソーの武器はムジョルニア(ミョルニル・ハンマー)という鉄槌。凄まじい硬度・強度・重量を持ち、投げても手元に戻り、振り回せば空も飛べる便利な武器だが、所有するに相応しいと認められた高潔な人物にしか持ち上げられない。地球に追放されたソーも、これを取り戻せば力も取り戻せる思ったが、今までの傲慢なままでは叶わなかった。そうして、地球に落ちたソーは謙虚さや慈愛の念を学んでいく。加えて「女性(ひと)愛する」ということも。本作は単体としても十分観れる作品になっており、重たい社会的テーマを背負っていない分、終始非常に明るい印象のドラマだった。特に、現代の地球(欧米)文化とペットショップで馬を買おうとしたりするソーの持つ文化のズレが面白かった。近年の悩めるヒーローとは異なり新鮮で魅力的に感じるものだ。ソーと行動を共にするアスガルドの親友たち、シフ、ファンドラル、ヴォルスタッグ、ホーガンもいい調味料。ラスト間際、デストロイヤーとの戦いは非常に熱い。以降、『アベンジャーズ』で大きな位置を占める『マイティーソー』シリーズ開幕の一本として過不足ない内容となっている。ハナマル! 【しぇんみん】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-02-08 22:24:30) (良:1票) |
1.アメコミヒーローは結構好きなんですが…結局、人類のために戦ってないじゃん。弟、かわいそうじゃん。結局アベンジャーズへの伏線ですか?アイアンマンはおもしろかったけどこっちはだめだわ。 【木村一号】さん [映画館(字幕)] 4点(2011-07-20 21:57:11) (良:1票) |