6.《ネタバレ》 アトム・エゴヤンは「愛する者の死」と向き合う人々を描き続けてきた作家である。この作品はそのテーマからやや遠のくものの感動的なラストカットはやはりそこに行き着いているようにも思えます。また、日本未公開作品については未見のため断言できませんが、アメリカ資本が入った『秘密のかけら』以降は「虚実」もまた重要なテーマとしているのかもしれません。相変わらずこの監督の物語構成に必要不可欠な回想シーンと必要以上に鏡を使った演出が物語をミステリアスにしてゆきます。女二人が密会するカフェやバーのシーンは本当に美しく、窓外の光、室内の照明、さらに画面手前の二人がいるところの照明とそれぞれ異なる光を一度に見せてしまう奥行きのある画づらにはやられました。窓の外に見える雪がその後の運命のずっこけを起こさせるという構成にも唸らされます。物語がどっちに転ぶの?そっちかよ!という展開にどうでもしてみたい監督の毎度のこだわり(?)が若干曲者ですが、今作は大筋が至ってシンプルなこともあってその展開自体も大いに楽しめました。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-09-28 14:57:36) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 いつでも、いつまでも美しくありたいと思い、願うのは女性の夢であり、本能だと思う。その「美しさ」を備え、必要とするエスコートガールとして「女」を仕事にしているクロエの官能的な美がスクリーンを隅々まで満たすOP。そんな若く、魅惑的なクロエを職場の窓から見つめていたキャサリン。面識のない彼女をどうして、思いつめた様に見つめていたのだろう?実年齢が2回り違う女優のキャスティングが絶妙で、物語っている。日々感じる老いと、美しさを保とうとする焦りと不安。私にもかつてあんな女盛りの時があったのに・・・、という羨望の眼差し。主婦として、婦人科医として成功し、リッチな家に住み、何不自由ない暮らし振りに見える女の悩みと孤独。キャサリンに扮するジュリアン・ムーアの、繊細で説得力ある視線と仕草、一つをとっても性と、若く美しい女性に対する男(夫)の態度に苛立ちを露にする様がひしひしと伝わってくる。対象的に、文字通りの小悪魔的でその特徴のある大きな瞳とその容姿。キャサリンに無い肉体的な若さと、表面的な美しさを強調しているクロエに扮するアマンダ・セイフライドの魅力。そんな2人を的確に象徴するかの様に、2人の手が触れ合い、同時に映し出されるカットが何度も出てくるが、どれもとても印象的で、2人の「差」を明確にしている。「自分」に自信を持てなくなったキャサリンが、エスカレートするクロエの「偽り」の告白と、思いがけないキスにより、ついに自らクロエの元に行ってしまったキャサリンは、クロエを通して夫・デビッドを感じたかったのか?それとも性の衝動を、今はクロエにしか求める事が出来なかったから?常に求められる側にいたクロエが求め、応じてもらえなかった。小さくても愛すべき「何か」を探し、応じてきたクロエ。彼女もかつて人を愛し、キャサリンの気持ちが理解出来たからこそ、その現実はあまりに辛く、苦しかったに違いない。穏やかで安らぎに満ちたクロエの最期の表情は、キャサリンの「夢」になれたから。2人だけの秘密は、秘密でなくなってしまったけれど、クロエはキャサリンの心の中で生き続けるんだという、ラストのかんざしのカットが、何とも言えない、喜びと悲しみの余韻を深く、深く残していく。兎に角、撮影、照明、アングルによる映像美が一級。主演女優2人が会うバーやカフェでのシーンが特に艶っぽく、何度でも見たくなる「逸品」だと思います。 【miki】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2012-07-17 10:04:30) (良:3票) |
4.《ネタバレ》 2004年のフランス映画『恍惚』のリメイクですが、オリジナルは未見。本数は多いものの傑作の少ないエロサスペンスというジャンルなので大した期待もなく鑑賞しはじめたのですが、そこはアトム・エゴヤン。繊細な描写や美しい撮影によって、類似作とは違った深みや高級感を出すことに成功しています。主演を務めるジュリアン・ムーアの演技も上々であり、些細な出来事に一喜一憂する彼女の姿には思わず見入ってしまう説得力がありました。さらには、50歳を過ぎても脱ぎ惜しみなし。24歳のアマンダ・セイフライド以上に濡れ場を頑張っている女優魂にも感服しました。出番は少ないながら(私生活での奥様の死と本作の撮影が重なったため、脚本を変更して出演場面を大幅に減らしたのだとか)、リーアム・ニーソンも相変わらずの存在感を示しており、監督・俳優によるレベルの高いパフォーマンスを楽しむことができました。。。 ただし、楽しめたのも前半まで。後半に入り物語が核心部分に到達すると、映画は一気に陳腐になってしまいます。勢いで関係を結んだ相手がキ○ガイだったという、エロサスペンスとしてはありがちな話に落ち着いてしまうのです。特殊な設定を設けた割に落とし所はここなのかと、少々拍子抜けしてしまいました。さらには、クロエがキャサリンに執着した背景の描写も甘いためにドラマも燃え上がらず、非常に中途半端な終わり方をしてしまいます。もう少しで良作になりえた作品だっただけに、詰めの甘さが悔やまれます。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 5点(2013-04-24 00:45:25) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 普通に旦那と寝たという証拠を求めていれば、そもそも起こらなかった話。主人公が頭悪すぎて、どうにもつまらない。そんな女に惹かれてしまうクロエの存在もあまりに説得力がない。最後も取ってつけたようなオチで興醒め。どうでもいいけど、今さらおばさん(ジュリアン・ムーア)のおっぱいは見たくない。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 3点(2012-07-14 21:31:03) (良:1票) |
2.夫に不倫の疑惑を持った妻が・・・という流れは興味をそそられたのに、 あれよあれよという間に妙な展開に。妻の心情を中心にしたドラマを描きたかったのか、 サスペンスを描きたかったのか、とにかく中途半端。後者のサスペンスとして観た場合は、 オチもヒネリもなく、ありきたりなラストを迎えます。キャスティングと映像演出はいいので、 4点としたけど、これは・・・う~ん、ちょっと厳しいかも。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 4点(2011-12-11 16:30:14) (良:1票) |
1.主演二人の絡みは良かったです。けど、ストーリーは読めちゃうし、安っぽい。 【kaneko】さん [映画館(字幕)] 4点(2011-11-15 17:46:15) (良:1票) |