11.「知らぬが仏」という言葉がこの映画にピッタリ。知りすぎてしまったばかりに大変な事に...中盤から後半にかけて背筋の凍るようなスリルがたまりません。 そういえばユアン・マクレイガーに役名がない!? 【映画】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-03-13 05:19:10) (良:2票) |
《改行表示》 10.本作の根幹にあるのは大した驚きも面白みもない陳腐な陰謀論なのですが、ポランスキーはこんなにもどうしようもないB級ネタを実に上品に仕上げています。その仕事ぶりは「さすが巨匠!」と言えるものであり、ベルリン映画祭監督賞受賞という高評価にも納得がいきました。しかし、それと同時に本作ではポランスキーの限界もはっきりと露呈しています。この人は70年代の監督さんなので映画全体があまりにチンタラしているし、観客のテンションを維持するためのイベント作りもできていません。クラシックなサスペンス映画の味わいを懐かしむ観客にはこのくらいで丁度良いのかもしれませんが、現代の観客が要求する適度な娯楽性を獲得するには至っていません。。。 さらに残念だったのは、ユアン・マグレガーという華も実力もある俳優を獲得しながら、彼をただの狂言回しに留めてしまったこと。『フィクサー』でトニー・ギルロイがやったように、謎解きとシンクロする形で主人公のドラマを語れば面白くなったものを、そういう工夫を一切していないのです。その結果、主人公をゴーストライターという特殊な立ち位置の人間にした意味がすっかり失われており、仮にその職業を新任の補佐官や家政婦に変更しても映画が成り立ってしまうという残念な状況となっています。。。 肝心のミステリー部分についても、ポランスキーの老練な演出によってうまく誤魔化されているだけで、よくよく考えてみれば相当に杜撰な内容です。【一般人】さんがご指摘の通り、設定のあらゆる点において納得感が薄いのです。前任のゴーストライターを消したにも関わらず、彼の足跡はそのまま放置というCIAのバカさ加減などは目に余るものがありました。主人公による謎解きにしても、本丸となる点についてはラスト5分で「いきなり気付く」というロクでもない処理がなされており、だったらこれまでの2時間でやってきたことは何だったんだと愕然とさせられました。だいたい、あんなにも露骨なダイイングメッセージに今の今まで誰も気付かなかったという設定は、さすがに不自然でしょ。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 5点(2012-11-19 18:26:06) (良:2票) |
《改行表示》 9.《ネタバレ》 先ほど観終わりました。 ウーン。。。私はユアン君と相性が悪いんですかね。。。。。 はっきり言って面白くありませんでした。 そもそも、話の順序、序列が込み入っていて噛み合っていません。 また、ゴーストライターである主人公を何故黒幕のCIAが泳がせて居たのかが はっきり描かれていません。 要するに真の黒幕は元首相の妻(CIA工作員)だった訳ですが スパイの前任者が掴んだと思われる情報の謎解きを 後任でゴーストとなった主人公にさせたかったのでしょうか? それとも、この自叙伝作成自体が 元首相を暗殺する為にあの島でお膳立てされたCIAの作戦だったのか? スパイと繋がる政敵を炙り出す為の謀略だったのか? それは見た人間に考えさせるって映画だとしたら 非常に面白くない。 なんともはや、と、言いたく成ってしまいます。 あと、謎解きのプロットがかなりズサンです。 ●前任者の部屋の棚の裏に無造作に貼り付けられた書類がキーに成ったり。。。 (酒飲ませて溺死に見せ掛けて殺すぐらいであれば、普通、その人間の部屋は徹底的に調べるでしょ。。。) ●主人公がネットでサクッと調べた情報を外務大臣まで上り詰めた政敵が 「うお-----!!」っとばかりに驚愕したり。。。。 (素人がネットに上げてるぐらいだから普通、そんなの分かっなきゃおかしいでしょ。。。) ●冒頭の文章を繋げて本当の黒幕を見つけたのは良いけど 事も有ろうか、それを当の本人に知らせてしまう訳ワカメな展開。。。 (それじゃあ自分を消してくださいって言ってる様なモンでしょ。。。) はっきり言って、推理小説とか読み込んでる人が見れば 「はぁ~。。。。。」 っと、ため息が出てしまう映画です。。。 残念ですが、推理サスペンスとしては3級の出来と言わざろ得ないです。 追記ですが、そうか この作品、何で借りたのか忘れてたんですが あの名作「戦場のピアニスト」のポランスキー監督だったんですね。 だから借りたんでした。。。 いや、こんな評価に成ってしまって残念でなりません。。。。 【一般人】さん [DVD(字幕)] 4点(2012-03-06 00:21:12) (良:2票) |
8.よくもまあ悪天候の日ばかり選んで撮影したものです。梅雨時に見ると、鬱陶しさ倍増です。苔の匂いすら漂ってきます。さすが巨匠の力ですね。サスペンスのわりに空気感は緩いですが、湿気を感じる映画と割り切れば十分。けっこう楽しめます。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 7点(2014-06-22 18:25:30) (笑:1票) |
7.《ネタバレ》 二流の政治サスペンスに成り下がってしまった。ポランスキーは雰囲気を作り出すことにかけては一級品だが、どうもそれが他の要素とあいまって昇華することが少ないように思う。脚本の問題かもしれないが…。ラスト近くのシーンは素晴らしい。ブレッソン「スリ」を思わせる手紙の手渡し、事故が起こった後の紙吹雪(?)は美しい。が、それ以外において雰囲気だけはあるものの、低俗さばかりが目に付くつまらない映画になっている。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-03-23 12:11:20) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 いやー面白いなぁ、、まず、元首相ともなるとこんな生活してるかも…と思わせるモノがありますな。確かに地味ーで暗い映画だけど、まったく退屈せず一気に観ちゃいました。ユアン・マクレガー(役名なし!?)もなかなかよかったけど、元首相役のピアーズ・ブロスナンがドはまり。秘書役・奥さま役の女性陣も素晴らしく、的確なキャスティングが光りますね。そこは大ベテラン監督の成せる技?(笑) まぁイマドキの激しい映画とは違うから物足りない人もいるかもね。でもワタシはこういうの好きですハイ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-07 17:36:19) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 映画の中で陰謀を企む組織(本作ではCIA)ってのは、なぜマヌケばかりなのだろうか? 前任者が引き出しの裏に隠していた書類を見つけられなかったり、潮流も考えずに懐中電灯をつけながら死体を始末する、カーナビの行き先を放置する、監視を頼む電話を当の本人に聞かれたり etc. 少女への淫行容疑でアメリカに入国すれば逮捕されるであろうロマン・ポランスキー監督のアメリカ(もしくは国家権力)に対する歪んだ被害者意識を映像化されても、観ている観客は面白くもなんともない。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 4点(2013-01-04 21:48:34) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 面白い!上質の一級サスペンス。ロマンスキーは人と違う人生を送っているので、この映画のような緊張感の中で、過ごしているからこそ、こんなに分かりやすいサスペンスを創りえるのでは?と思った。最近の映画の面白さのためのサスペンスは、映像がごちゃごちゃして、登場人物も多く、非常にやかましく、落ち着いて作品世界に身を置けない。この作品のように静かな語り口で、実に身近な小道具で、ひきつける作品で、しかも面白い!・・このような作がもっと出てきたらなぁと思います。手ブレのカメラややたら高性能の機器を使う、やかましい作品にはおじさん疲れちゃったよ。だから大歓迎です。こんな大人のサスペンス。夜一人静かに酒でも飲みながら観るには、もってこいの作品です。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-12-23 00:53:09) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 冷静に考えてみると、“秘密を何故自叙伝の中に隠す必要があったのか?”という疑問は残るワケですが、細かい事は考えず、『サスペンスの様式美』を楽しむというスタンスが正しいかと。引き出しの裏に隠されていた資料、カーナビゲーションに入力されていた行き先、顔を曝さぬ敵、島のロケーション、どれも素晴らしきサスペンスの流儀でした。堪能させていただきました。なお一番怖かったのは、元英国ファーストレディと寝なければならなくなった場面。震えました。もう、お断りする選択肢はありませんもの。ある意味、極道の女に手を出すよりもヤバイのに。絶世の美女なら諦めもつきますが、お美しいとはいえオバサン。縮み上がらずに抱けた、主人公の男気を尊敬します。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-09 20:10:35) (笑:1票) |
2.《ネタバレ》 この作品で描かれ、また、批判の対象となるのは国家的な陰謀である。陰謀というと聞こえが悪いが、要するに国家の利益を守るための活動である。成功する必要があり、反対するものにはそれなりの対応が必要になる。そこに、正義とか法令遵守などの甘い感情の入る余地はない。巨匠ポランスキーにとって、自身がこれまで、国家的な迫害や危険にさらされてきているだけに、こういう描写は、真に迫るものがある。夜や雨の場面がほとんどであり、ダークな雰囲気をかもし出している。ストーリーやしかけは単純であるが、見せ方がすばらしい。最初は乗り気でない主人公が、徐々にのめり込み、気がつけば、危険を顧みず深入りしている。最後には、真相を解明したかに思われるが、こうした組織が、簡単に見逃してくれるはずはない。監督自身が、体験上身にしみているという事を暗に示している、衝撃の結末となっている。 【パセリセージ】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-04-21 00:59:35) (良:1票) |
《改行表示》 1.ロマン・ポランスキー監督の“巨匠ぶり”に改めて感じ入ることができる映画であることは間違いない。が、敢えて今回は主演のユアン・マクレガーに言及したい。 意味の捉え方次第で善し悪しは変わってくるが、ユアン・マクレガーはスター俳優としては珍しいくらいに存在感が“軽い”。 あれほど特徴のある顔立ちをしていながら、どんな役柄においても必要以上の存在感を示さない。だから、どれほどの大バジェット映画の人気キャラクターを演じようとも、そのイメージが俳優としての彼自身に固執されず、どんな映画のどんな役柄で登場しても観客は一旦フラットな状態で彼の立ち振る舞いを追うことが出来るのだと思う。 だからこそ、映画の規模と演じるキャラクターの性質に関わらず、とりあえずフィットしてみせることが出来るのだと思う。 そんな特異な性質を持ったスター俳優にとって、今作の役所は特にハマリ役と言っていい。 “ゴーストライター”を生業とする主人公が、英国元首相の自叙伝の執筆に携わることから始まる“巻き込まれ型ミステリー”。 まず印象的なのは、主人公には役名が無いということだ。明確に実在する平凡なキャラクターとして登場するにも関わらず、名前がことごとく紹介されない。ある部分では明確に省かれ、ある部分では主人公自身がはぐらかし、ある部分では名前を覚えてもらっていないという設定で済まされる。 目の前の謎を盲目的に追い求めていく主人公の行動を中心に物語は進んでいくが、しばらくすると、名前が明示されないことも含め、彼のキャラクターがとても軽薄なものとして意識的に描かれていることが分かる。 巨匠が描き出す上質なミステリー調子の中で、徐々にストーリー以上に主人公の男の“存在性”そのものが静かに際立ってくる。 そうして導き出されるあまりに印象的で巧いラスト。 物語自体の衝撃や驚きだけに頼らず、卓越した映画術の巧さと、キャスティングの妙で紡ぎ出した洗練されたサスペンス映画の世界を堪能出来た。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-02-21 16:32:29) (良:1票) |