《改行表示》 5.状況設定は20年前のつかこうへい原作・原田芳雄主演の「寝取られ宗介」とよく似ています。「パクリ」とまでは言いませんが、「影響を受けた」ことは間違いないでしょう。 それを差し引いても、なかなかの出来。善良な老人たちが〝騒動〟を起こす静かな農村は、まるで理想郷のよう。あくまでも理想だから現実にはあり得ないけど。 それにしても、ムダに豪華キャストですね。そのブレが、せっかくの原田芳雄の輝きを毀損しているようにも思います。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-12-24 19:44:57) |
《改行表示》 4.普通のおっちゃん達が一生懸命、歌舞伎の練習してる。これが高校生とかのオハナシだったら来る日も来る日も練習一色、そこに恋愛なんかも絡んだりして、ってなところかも知れませんが、なにせおっちゃん達は日々の仕事を抱えており、あくまで「片手間に」一生懸命。人間模様の中には、何やら三角関係のようなものもあるけれど、ま、もはや過去の遺物みたいなトホホな三角関係だったりする。 とにかく、この映画の中では、まるで別の時間が流れているような感じ。そうそう、50歳ちょっとの佐藤浩市なんて、ここでは完全に若者扱いです。 この時間の中で、ラストにこれまたたっぷり時間をとって、大鹿歌舞伎が演じられる。いつまでも見ていたくなっちゃう。素人が演じる歌舞伎、ということなんだけど、映画に出演しているプロの俳優さんたちだって、本職の歌舞伎役者ではないんだから、やっぱり実際に、映画の登場人物たちがやってたように、地味で華の無い練習を繰り返してきてのこの舞台、なのでしょう。ユーモラスでもあり緊張感もあり、しかしそれ以上にほのぼのしているのは、やっぱり観客であるエキストラの皆さんの存在によるものが大きいですね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-23 03:43:57) |
3.歌舞伎なんて私にはまったく縁遠いものに思っていたのが、妙に愛着を感じる。実在する村と美しい風景、伝統の芸能、そして原田芳雄の遺作にして一世一代の名演技、そうした諸々の要素がストーリー以上に映画の魅力。暖かさとおもしろさがほどよくミックスされた秀作だと思う。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-08-22 21:28:11) |
2.原田芳雄があたためていた企画を阪本順治監督に持ち込み、映画化を実現した作品。友人の妻と駆け落ちした男が記憶障害になった妻を友人のもとに返しにくるという話はよく考えたらドロドロしているが、そういうふうには描いておらず、登場人物もすべて善人なので物足りない人には物足りないかもしれないが、ほのぼのとした人情劇で、傑作とまではいかないものの面白く見れたし、舞台となる信州の風景が美しく、この大自然いっぱいの中で繰り広げられる物語にいつの間にか惹きこまれている自分がいた。これが遺作となった原田芳雄はこの数年前から闘病生活を続けていたみたいだが、劇中ではそんなことをまったく感じさせずに演技をしていて、この映画の試写会の舞台挨拶でのやせ細った姿がウソのようで、本作だけを見ていると公開直後に亡くなってしまったことが信じられない。いや、ひょっとしたらこの時既に自分の死期を悟っていて、この映画だけはなんとしても自分で実現させたかったのかもしれないと思うとこの「大鹿村騒動記」という映画にかける原田芳雄の思いというものがひしひしと伝わってくるのだ。もうこれだけでこの映画は原田芳雄という俳優の代表作の1本になっていると思うし、先週見たデビュー作である「復讐の歌が聞える」から既にハードボイルドなイメージが強かった原田芳雄の遺作がこのような優しい映画であることは少し意外かもしれないが、自分の思いを最後の最後に実現させて安心して旅立って行ったのだろう。映画はそんな原田芳雄扮する善、大楠道代扮する貴子、岸部一徳扮する収の三人を中心に展開していくが、ほかの出演者で印象に残るのはやっぱり三國連太郎。出番は多くないのだが、悪役や癖の強い役柄が多かった若い頃とは違い、仏様のような穏やかで優しい顔立ちになっているのが印象的で、それでいて登場すると画面がビシッと引き締まる。彼が戦時中のシベリア抑留の話をするシーンは戦争経験者だからこその説得力と重みがあるシーンだと思う。そんな三國連太郎もこの四月に亡くなってしまい本当に惜しい。あらためてこの映画に出演している二人の名優、原田芳雄と三國連太郎のご冥福を心よりお祈りするとともに素晴らしい出演作の数々を残してくれたことに感謝を申し上げたい気持ちでいっぱい。本当にお疲れ様でした。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-07-31 00:56:17) (良:3票) |
1.豪華俳優の目白押しでアッという間の93分。原田芳雄の遺作ということで、決して大爆笑コメディではないが美しい信州の映像にマッチしたハートフルな展開に大満足。景清と道柴に扮した二人の絡みも歌舞伎「六千両後日文章 重忠館の段」の内容を知っていればもっと楽しめるのだろう。それにしてもアルバイトの雷音君は最後まで男か女かわからなかったです。 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-09-21 11:50:10) |