7.《ネタバレ》 とってもいい映画だったわ。 でも…これってほんとに「天使のくれた時間」かしら? アタシには意地悪にしか見えないんだけど。 だって「あの」生活を知らなければジャックはずっと優秀なビジネスマンとして人も羨む生活を送れたのよ。 「自分はすべて持ってる」と言い切ったジャックに、「お前の生活に何が足りないか見せてやるよ」ってことであの黒人(何者なのかしら?悪魔?神様?)がした悪戯?傲慢なジャックに対する懲らしめ?ってとこじゃないかしら。 だってあの生活はほんの束の間のもので、絶対に手には入らないのよ。 それなのにほんの一瞬だけ味わわせるなんて…蛇の生殺しだわ。 ラストだって、ケイトは13年ぶりに会った彼が懐かしくなって、じっくりコーヒーでも飲みながら話をしてみようと思っただけで、今後彼らがうまくいくとは限らないし。 (もちろんパリ行きの飛行機を見送ったくらいだから、彼女も相当気持ちが動いてるんだろうとは思うけど。) もしうまくいって結婚ってことになったとしても、「あの」アニーとジョッシュは生まれてこないだろうし、「あの」生活は絶対に現実にはならないのよ…残酷だわ。 それでもジャックはエリートビジネスマンの生活を捨ててまで、「あの」生活を手に入れようとケイトを呼びとめるのね。 ジャック自身も気づいていなかった彼に足りなかった大事なもの、お金や名声じゃなくて家族との愛に満ちた生活、それが彼にとってどれだけ大切なものだったかって証拠よね。 もちろん幸せなんて人それぞれ、嫁子供なんて煩わしい、自由な独身貴族(もちろん金持ち)が一番さ!って人もいていいと思うけど、アタシは平々凡々が一番幸せだと思うほうなので、ラストのジャックの決断には大賛成! ラストでやっとスタート地点に立つことができた彼に心からエールを送りたいわ。 (…結局最後には自分にとって一番大事なものを見つけることができたジャック…ってことはやっぱりあの黒人は天使なのかしらね?) 【梅桃】さん [地上波(字幕)] 7点(2006-06-16 18:22:01) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 20世紀最後の年に作られたクリスマスムービー。いつもは車で帰る主人公が、たまたま歩いて帰ったために、生死の境をさまようような体験をし、その体験で縁ができた黒人があたかも奇妙な能力を持っているように思わせる語り口が秀逸。本当は一人のビジネスマンがイブの夜に夢を見ていただけなのに、この語り口があることで観客は自分が観ているシーンが、偶然出会ったその黒人が引き起こした不思議な現実のように思って見入ってしまう。おまけに、ビデオで自分の過去を回想するというダメ押しがあるので、すっかり夢であることを忘れさせる作りになっているのがうまい。さらに、慣れ親しんだ生活をいっぺんに変えてしまうような思い切った決断ができるのは実は女で、男は今までの生活を一変させるような決断をなかなかできない動物であるという、男と女の本質的な違いを捉えきった脚本なので、ファンタジーでありながら、圧倒的な現実感、というか、身につまされ感がある(女の主人公は、夢の中で一度、現実のラストでもう一度、思い切った決断をしている、対して、男のほうは、終始慣れ親しんできた生活への未練が決断の基礎となっている)。最後のコーヒーを飲みながらの語り合いのサイレントシーンは、作品中では全く見せなかった現実の二人の13年間の別々の人生に思いを馳せさせ、余韻が深い。(2005/12/18追記)天使が誰かについて一晩考えたが、イブの夜の誘いを実家に帰ると断った女以外にはありえないと私は思う。ほとんどすべての出来事は、彼女がくれた時間に起っている。 【南浦和で笑う三波】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-17 09:10:16) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 この映画を観るたびに、大好きだったのに別れてしまった彼女のことを思い出す。 私はジャック・キャンベルと同じように、自分のしたいことを選んで彼女を省みなかった。 もしも、あのまま彼女と過ごせていたら・・・夢でもいいから知りたい・・・でも叶うわけもなく。 そこでこの映画だ。私にとっては涙が止まらないラストシーン。 ジャックとケイトは13年ぶりの再会であったが、私は彼女と別れてから1年ぶりに電話した ことがある。彼女はすでに男を作っていた。・・・まぁ現実なんてのはそんなもんであるが、 この映画のケイトは仕事に打ち込んで、結婚もせずに13年を過ごしていた。 もうそれだけで私の目からはなにやらドバドバ流れ出すわけですよ。 天使がくれたわずかな時間の中で、ジャックはケイトに2度目の恋をする。 こちらを見つめるティア・レオーニの眼差しは、彼を優しく包み込む。忘れてしまって いたものがそこにある。なぜ忘れてしまうんだろうね・・・人間の機能は時に悲しい。 レオーニの目の演技に私は胸が締め付けられっぱなしだった。 ところで邦題をつけた人はたぶん「素晴らしき哉、人生!」を意識してつけたんでしょうね。 あの謎の黒人が何者だったにせよ、ジャック・キャンベルにとってはあの時間を くれた彼は天使なのです。映画の内容もキャプラみたいに甘いしね。 ほんと、甘い夢をくれてありがとう、と言いたい。 【337】さん 9点(2004-05-31 03:38:42) (良:1票) |
4.端から見れば私は中毒とも言えるほどの仕事人間だろう。平日の時間のすごし方と言えば、朝は9時から夜は2時まで働いて、家にも帰らずホテルで寝るだけ。週末も半分は仕事。もちろんその分稼ぎは悪くない。そしてもちろん独り身である。 決してこの映画にケチをつけるつもりはない。なかなか私の好みの映画だ。 とはいえ「仕事か?家庭か?」なんて、くだらない問いをするのは、現実を見誤る。そのどちらが幸せか?それも至極くだらない。主人公の喉には過去の小骨が引っかかっていた。「もしもあのとき」や「ひょっとしたら」を繰り返し、そして遂に、その答えを確かめてみる。過去に分岐などない。あるのは未来の決断だけ。取り返しがつかないと決め付けている事を、取り返すかどうかが重要だ。そういう意味で、私の喉に小骨はないかと唾を飲んでみた。 【よしの】さん 7点(2004-03-08 15:04:36) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 一通り天使がくれたひと時を味わって、空港で別れた彼女に再会して、彼女が飛行機に乗ろうとするまさにその時、彼はひきとめた。そして彼女と築いた平凡な「中の下」の家庭の話をした、というより叫んだ。人間はこういう切羽詰った時間のないギリギリの最後の最後で、「仕事の成功、安定」よりも「愛する人との生活」をファイナルアンサーするもんなんだ!。ってことを、キレイ事みたいにではなく双方の幸福を共に肯定的に示した上でニコラスケイジの迫真の説得で教えてくれた人間愛に溢れた映画。 |
2.私の好きなbest1作品です。ダビングしたいけど出来ないので何度も借りて観てる。非常に感情移入できます。そして胸が熱くなる。それは多分主人公と私が同じ立場だからだと思います。もっとも天使がくれた時間の中と一緒ということですが。あの時こうしていたら・・・。結婚する時期いろいろあってまさに疑問の中で暮らしています。しかしこの映画を観るたび横にいる妻や子供を大事にしなくてはと思います。正直、自分が可哀想になる、そんな生活を送っている既婚男性は多々いると思います。独身だったらこんな事出来るのになあって思うことあると思います。この映画はそんな悲壮ただよう既婚男性にハリ手を、かつ底知れない癒しを、そして勇気を与えてくれるそんな映画です。たくさん映画を観てきましたが愛情溢れる作品で今のとこ唯一の10点贈呈。 【涙練】さん 10点(2003-11-28 02:46:01) (良:1票) |
1.とても感動した。二コラスはやはりすごい。ラストの空港での演技では、彼はニコラス・ケイジではなく、完全にジャック・キャンベルになりきっていた。あれだけ気持ちのこもった演技は、今まで見たことがない。ティア・レオーニもとてもチャーミングで最高だった。『バッド・ボーイズ』や『ディープ・インパクト』で見たティアとはまた違った魅力を発見できた。そして、ラストがすごくいい。最近は安易にハッピーエンドに持っていく映画が多いが、この映画は違った。そう期待していた観客も多かっただろうに。ケイト(ティア・レオーニ)はただコーヒーを飲むことをOKしただけだ。その後2人がどうなったかは、わからない。あとは、観客の判断にゆだねられる。だが、もし二人が結ばれたとしても、もうひとつの時間にいた子供たちはいない。失われた時間は、もう戻ってこない。そこがとても切なかった。 【T・O】さん 10点(2001-11-22 15:06:54) (良:1票) |