10.《ネタバレ》 麻薬をめぐる様々な人間たちの熱い群像劇。普通、こういう社会派サスペンスってもっと重たい作品になるものだけど、この監督の〝軽さ〟が良い意味で活かされていて、最後までちゃんとエンタメ映画として楽しんで観れる。それに、ドン・チードルを始め、ベニチオ・デル・トロ、キャサリン・ゼタ・ジョーンズたちの抑えた演技が随所に光っていて終わってしまうのが勿体ないと思えるほど良く出来た作品だった。特に、子供のために麻薬を売り捌くという母親の、善悪を超えて力強く生きていこうとする姿が強い印象を残す。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-04-20 16:33:01) (良:1票) |
9.テレビで久しぶりに再見。超大国アメリカを深く蝕む麻薬問題、その根深さや底知れぬ恐ろしさを3つの話を平行して描きながら鮮やかに描き出す。3箇所の話を混乱することなく描き分け、作品の意図するところをあぶりだすような脚本や監督の手腕は素晴らしい。当時妊娠中のキャサリンが妊婦姿でしたたかな女を熱演している。ベニチオはこってりした存在感があって際立っている。彼が「子供たちが野球ができれば麻薬の売人にはならない」という言葉がラストで生かされ、ナイターをする子供たちのシーンで終わっているのは、この困難な問題に監督が込めたひとつの希望だろう。 【キリコ】さん 8点(2004-02-07 15:58:42) (良:1票) |
8.アメリカという大国における最大の問題のひとつであるのがドラッグであろうが、その問題を非常に効果的に一流の映画として昇華させている作品だと思った。それぞれのキャラクターによるオムニバス的なストーリーを見事にリンクさせ、場面ごとに映像の色彩を変える手法がとても鮮烈で印象深い。今作でアカデミー監督賞を受賞したスティーブン・ソダバーグであるが、彼の映画監督としての力量をまざまざと見せ付けた秀作。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2004-01-13 15:34:03) (良:1票) |
7. 結構前に観たキリだったんだけど、ヒトにも薦めたんでレビューしとかんとマズイかな、と。結論から言うと「率直に面白かった」。イヤ実によく出来てると思う。確かにメキシコ側のシーンでセピア調になる小技はチトうざかったけど。単純に派手なアクション映画を期待した向きには「眠い」「寝た」とエラク不評を買っているが、映画のクオリティは実際のトコロ可成り高い。社会に深く根差した”麻薬”というモノの複雑怪奇で一筋縄では行かない実態を正面から見据えた、しかも解決への糸口を探る本作の姿勢は安直さを感じさせず、個人的には非常に好感が持てる。ソダーバーグのオスカー監督賞には恐らくそういった背景もあったのでは。平和な日本の若者には想像もつかないようなアチラのティーンエイジャーたちのドラッグ・パーティ場面にはゾッとさせられた。しかも良家の子女が!!ソダーバーグ監督も26歳でカンヌのグランプリをゲットしたものの、世の中そうそう甘くはないコトを思い知らされた経験はキッチリ肥やしになったみたい。キャストではオスカー助演男優賞のベニチオ・デル・トロが確かに出色だが、個人的にはすっかり老け込んだエイミー・アーヴィングやジェームズ・ブローリン、アルバート・フィニー、デニス・クエイドにトーマス・ミリアンといったベテラン勢もイイ味出して作品に重厚感を与えるのに貢献していたと思う。あ、マイケル・ダグラスも割と良かった。まぁ、80~90年代にオトコ下げまくったからねぇ。そろそろ取り戻さないと(^^)。場面転換が目まぐるしく観る者を選ぶ本作には8点。万人向けでないのはレビュー状況を見ても明らかだから…ネ。 【へちょちょ】さん 8点(2003-03-13 04:44:58) (良:1票) |
6.忍耐を強いるけど面白い映画だよね。敷居が高い分、ハマると気持ちいい。ていうか、娯楽作品じゃなくてお勉強ムービーとして見たらものすごく高品質かつ面白いんじゃない? 麻薬ってこうやって売られてんだー、ああこんなふうに気持ちよいんだー、普通の人でもこーゆうツテを使えば殺しができるんだー、なんてお勉強。“麻薬は気持ちよい”ということがわかりやすく表現されてるだけですでに新鮮かも(判事の娘の恍惚の表情!)。デル・トロの役回りも良かった。おとり捜査の現場って命かかってんなー、て。こういう「あちらの業界情報」みたいなものって、日本にいると直感的にはわかんないじゃん。それが娯楽作品を見ながら自然に理解できる(と言ったら大袈裟か)だけでもこの映画見た甲斐はあるんじゃなかろうか。などと言ってみるテスト 【仁太夫】さん 8点(2002-12-01 17:47:56) (良:1票) |
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5.アクション映画(ドンパチモノ)だと思って見に行ってさぁ・・・・・・・・・・面白かったんだけど、ある意味で期待ハズレだったし・・・・・・でも面白かった。麻薬をめぐり運ぶ者・取り締まる者・売る者・使う者・利益を独り占めしたい組織とそれに雇われる公僕・撲滅の指揮を取りながら自分の娘が麻薬に犯され苦悩する者・今まで麻薬に養われていた事を知り愕然とするが他に生活の基盤が無く殺人幇助をし、麻薬の密輸に手を染める者・・・麻薬が引き起こす様様な立場の人間模様を同一時間軸上で表現してあり見ごたえ十分でした。 【だだくま】さん 8点(2002-05-06 19:51:50) (良:1票) |
4.ドラッグに関するさまざまな問題点を3つの視点からどどどーんって洗い出し、かつひとつのストーリーにまとめてある。すごくいい映画だと思う。はじめ見始めたすぐは話しややこしすぎて頭混乱。でもだんだんと話は単純に。それがよかったんじゃないかなぁ。ドラッグに関することはとにかく複雑でややこしすぎる。でも、それを解決していく大きな力となるのは、家族の団結とか、固い友情だとか、強い意志とか、そういう単純だけど一番大切なものなんだなぁと素直に思えたね。しかし、何か物足りなさを感じてる中高生、その何かを探しているうちにふとしたことで出会うのがドラッグ。きっつい問題だなぁとおもう。ドラッグから子どもを守る力っていうのをこれから親や教師になる人はもっとかないかんね。 【鉄コン筋クリ】さん 8点(2001-12-17 02:29:19) (良:1票) |
3.インディーズ嫌いの私は、黄色く褪せた手持ちカメラの映像で「やっぱり…」と一旦がっかりしたんですが、その後どんどんと物語に引き込まれていく。激しい場面転換の続く複雑な物語を、シーン毎の色分けで表現するなんてすごい(そうなるとコマ落ちのような編集の味も解ってくる)。アメリカでは麻薬取締の最高責任者が敗北を認めたみたいな展開で話題になったそうですが、それぞれのエピソードに希望の持てるラストが用意されており、決して誰も敗北していない。無罪になった麻薬密輸人の捜査は執拗に行われ、いずれ有罪が立証されるでしょう。ダグラス演じる判事も家庭での戦いに勝利し、いずれより大きな戦いへと戻っていく。メキシコでは子供達が健全に遊び、麻薬に手を着ける割合も確実に減っていく。…そう信じたい。とにかくちっとも嘘臭くない希有なアメリカ映画です。で、思わず8点献上。 【sayzin】さん 8点(2001-12-06 22:47:43) (良:1票) |
2.交通事故の映画とおもってたら、、、、ソダーバーグさいこう 【かに】さん 8点(2001-08-30 14:05:34) (笑:1票) |
1.不自然にぶつぶつ映像を切る手法は、ドキュメンタリーでもない限りただムカツクだけだが、あまりに自然に感じる。上手い。ソダーバーグは、堅くなりそうなネタをサラっとクールにまとめるあたりの上手さを感じる。ハリウッドが麻薬を扱う時、お説教パターンか、かっこよく、しかも正当化するかのパターンが多い。その点、この作品はどちらにもぞくさない。ある意味、めずらしく、だからこそ余計に感じるものがある。一個所からの視点だけでなく、麻薬に絡む全ての視点からそれぞれに描いていたところが良かった。特に、エリカ・クリステンセンの演技は良かった。ベニチオ・デル・トロより良かったんでないだろうか?麻薬問題は、需要がある限り、それが高値で売れつづける限り、半永久的になくならないだろう。だかと言って手をこまねいているわけにはいかない。もっと深い部分で見るなら、麻薬が怖いものだと分かっていながら手をつける理由だろう。分かっていないとなると、それもそれでおそろしいが・・。ある意味極端な展開がないのと、半端なラストが麻薬問題になかなか解決策を見出せない世の中を意味していると感じる。 【mmm】さん 8点(2001-06-12 16:44:59) (良:1票) |