《改行表示》 9.昨年「SUPER8」を観た時に、作品としての完成度には不満を持ちつつも、溢れる“映画愛”に対して無下に否定することが出来なかったことが思い出された。 あの映画と今作は、映画としての立ち位置はまったく違うように見えるけれど、本質的な“理念”はむしろ全く同じと言っていい。 即ち、かつて世界中が熱狂し愛したスティーブン・スピルバーグをはじめとする偉大な映画監督たちが生み出した数々のアメリカ娯楽映画に対する「敬愛」。まさにその一言に尽きる。 ただ、今作が「SUPER8」と少し違うところは、そんな理屈抜きにして問答無用に面白い映画であるということだ。 往年の娯楽映画に対するオマージュに溢れてはいるが、そんなものはあくまで“おまけ”であり、きっと誰が観たって「面白い!」そういう映画としてきっちりと成立している。それが、「娯楽映画」として最も素晴らしいことであることは言うまでもない。 英国の“ボンクラオタク男子”の二人組が、憧れのアメリカ旅行中に宇宙人に遭遇する。紆余曲折を経つつ意気投合し、宇宙人の彼を仲間の元へ送り届ける。 実際ただそれだけの話である。ただそれだけの話が極上の「娯楽」になる、だからこそ映画は素晴らしいのだということを、この映画は再確認させてくれる。 何と言っても、宇宙人“ポール”の存在感が凄い。 実写映画の中の一キャラクターをフルCGで描き出すという試み自体はもはや珍しくもない。 しかし、そこに娯楽映画の主人公に相応しい愛着と、周囲のキャラクターと同様に息づく存在感を持ち合わさせることは、並大抵のことではない。 決して仰々しくなく、さりげなく描き出されているように見えるが、このクオリティーの高さは「凄い」としか言いようがなく、それを生み出しているものこそが、製作スタッフの紛れも無い「映画愛」に他ならないと思えた。 最高に楽しくて良い映画だったと思う。ただし、惜しむらくは自分自身が“SF映画オタク”になりきれていないこと。 前述の通り、過去の名作SF映画を観ていなくても存分に楽しめる映画であることは間違いない。 しかし、オタクだったならばもっともっとはしゃげたんだろうと思うことも事実。 「ああ、これは何かの映画のオマージュなんだろうな」と気付きはするが、それが何なのか明確にならない悔しさは随所で感じてしまった。 とりあえず「未知との遭遇」は早急に観よう。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-07-14 22:54:32) (良:3票) |
8.2012年初鑑賞映画。面白かった。幸先のいいスタート。思い返せばありきたりな話運びの映画ですが、なんだろうとても新しいものを観た気分でした。パロディ元の映画を観てなくても楽しめると聞いて観に行きましたが、最低限「未知との遭遇」だけは観ておいたほうがいいでしょう(なんと僕は映画ファンなのに「未知との遭遇」は観ていなかったのだ!)。ところどころ声を出して笑ってしまう場面も多く、とても楽しい映画でした。個人的には、フロントガラスに鳥が衝突して「ワー!!」と驚く宇宙人ポールのリアクションに吹いちゃいました。至って普通のリアクションなんですけど、至って普通のリアクションをする宇宙人なんてあまり観た事がない。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-01-21 13:32:22) (良:1票)(笑:1票) |
7.《ネタバレ》 キャラクターそれぞれ個性が立っていて面白い。主人公のオタク2人や下品でファンキーな宇宙人も良い味を出している。単純な下ネタ以外にもセンスを感じる笑い所があって、ルースの父親が逃げる車にショットガンを撃った後に紙切れを拾い上げるシーンとか、ポールと対面したルースが讃美歌を歌い始めるシーンなどは最高だ。スピルバーグにアイデアを提供していたとか、反エイリアン側のラスボスがシガニー・ウィーバーだとか、映画好きならニヤリとできるユーモアも良い。終わり方もハッピーでグッド。下品なのが許せるのであれば、お勧めしたいコメディだ。 【alian】さん [インターネット(字幕)] 8点(2018-06-11 00:00:55) (良:1票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 僕には散りばめられているネタはごく一部しか理解できていないのだが、それでも面白かった。こういう映画にありがちな汚いネタやエグいシーンは一切なし。警官が爆死するところでドキっとするくらい。これも状況的に爆発に巻き込まれる描写になっている。基本的に観客を追い詰めないで「良いシーン」で映画を作っていく姿勢は好きだ。 悲しいシーンでも役者は涙を出さないし感動シーンも茶々を入れて笑いで終わらせる。ラストは少し長いなと思ったらポールが自分でその点を突っ込む。これはイギリスのエンターテインメントの特徴なのかわからないが、バカにも分かるような作りにしない代わりに分かる人ならちゃんと気付けるように作ってある。観客を騙しに行かない。こういうところが後味の良さを生み出していると思う。 ポールのキャラと造形には感心した。あの目は爬虫類のような「瞬膜」があるんだよね。生物としてのリアリティをマニアックに追求している。スーパーボールみたいにペンポコ跳ね回る最近のCGアクションに辟易しているのでポールのあの自然な動きは新鮮だった。 【tubird】さん [インターネット(字幕)] 8点(2017-12-31 23:40:40) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 私もオタクなのでこんな旅をしてみたい!と思いました。 自分には大事な事でとても楽しいのに、一般人には通じない。 そんな間の悪さもあるあると大いに共感。 そして、ポールったら宇宙人イラストまんまだし。 Tシャツの柄の映画も気になったし、有名監督の声の出演など、見どころ聴きどころ満載でした。 SFには欠かせない大女優の登場もありました。 個人的には、コミコンでサインしていた作家先生の著書がどれもこれも面白かった。 こんなオタクっぽい題名、脚本家は面白がって書いたのだろうなと(笑 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-01-29 16:09:43) (良:1票) |
4.最初はフザケタおばか映画かと思ったが、ヒロイン登場の進化論のあたりから面白くなってきて引き込まれた。一見するとファンタジーパロディーのようではあるが、米英比較や南部の排他的カントリー保守主義を皮肉る点や科学と宗教の対立(と和解?)といった隠れテーマもあり、大人版E.Tというテイストに上手く仕上がっている。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-11-16 15:12:56) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 これは面白いですよ。愉快で笑えるし、登場人物達のキャラが凄く良い。様々な映画へのオマージュに溢れているので、映画通の人にはそれもまた見どころの一つだし、映画通じゃないが観ても純粋に楽しめる。つまり誰にでも楽しめる娯楽作品に仕上がってます。なんといっても、宇宙人ポールが最高なんですよ。こんな宇宙人とだったら、友達になりたい!一緒に旅をしたら、めっちゃ楽しそう!て思わせる、地球人より地球人らしい宇宙人。これまでに数多くのSF映画が宇宙人を扱ってきたけど、こんなキャラのエイリアンって初めてなんじゃないかしら。そしてポールはユーモアだけじゃない。とってもハートフルな奴なんだ。ラストなんて、うるっときちゃうぐらい。個人的には、この作品だけのキャラにしておくのがもったいないって思っちゃう。ていうか、またポールに会いたい!続編を強く希望致します。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-07-10 13:13:42) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 とにかく主演二人が最高。本当に実生活でも仲がいい奴らなので、その雰囲気が画面から感じられ、またそれが微笑ましい。「ショーン・~」「ホット・ファズ」と殆ど同様のキャラなので、またあいつ等が帰って来たって感覚に陥ってしまいましたので、下手をすれば彼らがタッグを組む限り私の中では高評価になってしまいそうです。宇宙人ポールの地球人よりも地球人らしいキャラも楽しかったし、宇宙の仕組みが分かった瞬間に下品なスラングを使いまくるヒロインにも笑わせてもらいました。そしてとどめのシガニー・ウィーバーの体を張ったギャグで爆笑。純粋にこれだけ笑った映画は久々です。楽しかった!ただ、宇宙人ポールを見ると大概の人は勝手に失神してしまうし、ポールも念力(?)など強力な力を持っているので、宇宙人を連れているのが他人にバレたらどうしよう?というE.T的なサスペンスが弱くなっていたのは少し残念でした。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-12-25 19:39:24) (良:1票) |
1.『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』の主演コンビには絶対の信頼を寄せているものの、監督がエドガー・ライトでは無いという1点において、いくばくかの不安を抱いて鑑賞に臨みましたが、杞憂に終わりました。いつもの映画愛溢れるパロディ&オマージュに嬉しいやら胸を熱くするやら、大変楽しいひと時を過ごす事が出来ました。特に素晴らしかったのが脇役たちです。宗教女にお馬鹿エージェント2人組。愛すべきサブキャラクターが活躍するコメディにハズレはありません。『僕らのミライへ逆回転』もそうでしたが、こういうお遊びに付き合ってくれるシガニー・ウィーバーには本当に感謝します。そしてお疲れ様でした。ただ、冒頭に挙げた2作品と比べるとやや物足りないと感じるのも事実。ポールとの友情、グレームと宗教女のロマンス等、ドラマパートの処理が淡白だった気がします。喩えるならそうめんのようなアッサリ感。もちろん悪いワケでは無いのですが、観る者の心に楔を打ち込むような“引っ掛かり”が欲しいと思ってしまいます(当日の夜初めて食した某○古タンメンのような忘れられない何かが欲しい。好みではなかったけれど、あの味は忘れません。)そういう意味では、みんな“物分りが良すぎ”でした。『E・T』未見。『未知との遭遇』はどんな話か忘れた。そんな自分でも楽しめたのですから、意外と間口の広い作品かもしれません。本作がキッカケで『ショーン~』や『ホット・ファズ』を観てくれる人が増えると嬉しいです。(2011年9月18日。したまちコメディ映画祭in台東『映画秘宝まつり』・浅草公会堂にて鑑賞) 【目隠シスト】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-09-19 21:28:38) (良:1票) |