9.《ネタバレ》 クリスチャン・ベールが大好きで心待ちにしていた映画です。期待をうらぎらず、面白かった!!! ペインが迫力に欠けるみたいな感想もありますが、私にとっては登場からとっても怖く、(あのマスク、迷いのない非道さなど)、最後の方で、彼女が関係を語りだすと、マスクした強面なのに、目が恋する男子の目に変わった(ように感じた)ところで、すご~い!と思いました。「インセプション」も大変面白かったんですが、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットはよく覚えていたけど、トム・ハーディ君はうろ覚え・・この映画では目とマッスルボディーだけだけど、とてもよかったです。 ジョゼフのゴッサム警察の制服姿は、良すぎ~むしゃぶりつきたい!女だけでなく、きっと男からももてるでしょう!あんな後輩に、「いくぞ、ルーキー!」なんて声をかけてみたい!とか。監督もきっとジョゼフかわいくて仕方ないに違いない。 キャットウーマンも完璧~ちゃんと内臓入ってる?てくらい超細。でも曲線。バッドマンのたくましい体との対比が、コミックを忠実に映像化してるところなのかな?最初のメイド服(メイドメイドしたやつじゃないよ、メイド長、みたいな服)もばりばり決まってました。黒レザーオールで黒バイクは鉄板! クリスチャンも相変わらずいい!今回は腰をやられて、そのあまりに痛そうな様子に腰がむずむずしましたわ。女がわかってない、融通がきかないブルースっぷりも相変わらずで。 マイケル・ケイン=最高峰の執事 その他マリオンもキリアンも爆発も!!絶対映画館で鑑賞すべき作品です。 好きなものは仕方ないのでもう9点献上です。 今年もっとすごい映画があったら、1年に9点二つつけることになっちゃいますが。 【rainbow】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-08-07 15:51:24) (良:3票) |
8.《ネタバレ》 前作の「ダークナイト」は暗闇の中で生きる正義を描いた傑作だった。ゴッサムの人々は暗黒の中にデントという一筋の希望を見出し、その代わりにバットマンは悪の象徴として生きることとなった。全ての悪を背負ったバットマンの姿は尊いものだろう。しかしちょっと考えてみる、それってゴッサムの人々に真実を語らず欺いていることになるのではないか?真実を知っているのはバットマン本人と警察のゴードン本部長とその息子だけ、つまり権力者側だ。「それっておかしいんじゃないの?市民には全てを知る権利があるんじゃないの?」という権力への怒りを描いたのが本作「ダークナイト ライジング」だったと感じた。本作は明らかに昨年から世界各地で起こった「Occupy Wall Street運動」を下敷きにしていると思われる。何故かと言うと前作は監督も言っている通りシカゴがゴッサムのモデルだったらしいが、本作はブルックリンの様な下町が出てくるし、沿岸部にある街という設定になっているし、証券取引所を襲撃するシーンまである。これらの描写は嫌でも(ウォール街のある)ニューヨークを彷彿とさせる。そしてヴィランのべインはゴッサムを取り戻せと人々に呼びかけるし、べインの手下は普段肉体労働を強いられているブルーカラーの人達だ。富裕層による富の独占、国家の政治への不信は世界中で起こっている現象だ。それでも真実を隠し街を守るバットマンが正義と言えるのかと観客に訴える。そんな問いに対してラストは実に上手く話しを纏めていたと思う。最早バットマンが正義の象徴として永遠の存在になるしかその解決法は無かっただろうから。他に特に素晴らしかったのはべインを演じたトム・ハーディー、圧倒的質量でバットマンでも歯が立たない相手であることを実感させる好演だったと思う。それだけに退場にはもう少し見せ場があっても良かったと思うが。脇のマリオン・コティヤールもいい味を出しているが最近彼女がスクリーンに映ると悪女にしか見えないのがやや難点。アン・ハサウェイのキャットウーマンも妖艶で美しいがリアル路線の本シリーズにおいて女怪盗という存在にやや違和感を感じてしまった。ラストのロビンのくだりはファンサービスとしては面白かったが出来ればロビンを主役としたスピンオフは作らないでほしいと思う。近年のアメコミ映画としては珍しく実に綺麗に終わったシリーズであると思うから。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-08-04 10:42:16) (良:3票) |
7.《ネタバレ》 前作「THE DARK KNIGHT」ではジョーカーの狂気とゴッサムシティの住民を巻き込んで、壮絶な「善と悪」を描いた。今回の「RISES」でもベインがゴッサムシティを大混乱に巻き込むが、そこにゴッサム市民の「状況を解決する意志」は感じられない。状況を解決するのはBAT MANと警察である。ぼくが思うに、今回のテーマは「善と悪」ではなく、「ブルース・ウェイン個人の物語の完結」ではないだろうか。 BAT MANという存在はブルース・ウェインの悪を根絶するという気持ちから始まり(「BEGINS」)、それが「DARK KNIGHT」で善と悪という壮大なテーマに拡大され、そして「RISES」でブルース・ウェインの物語が終息する。それはBAT MANの終わりでもあるが、始まりでもある。意志を引き継ぐものがいることが描かれる。ぼくはクリストファー・ノーランのそのやさしさに感動した。テーマは異なれど、全作で人へのやさしさと善を信じる気持ちを感じられる。 ヒーローモノではあるが、ただの勧善懲悪ではなく、あくまでも人を描くノーランBAT MAN三部作。そこにきちんとヒーローモノのカタルシスを加え、豪華キャスト陣の素晴らしい演技が相まって、個人的には永遠に忘れられない傑作シリーズになった。こんな素晴らしい作品を作ってくれたノーランとスタッフ、そしてすべての作品で熱演を見せてくれた俳優の方々に感謝です。 【月ひつじ】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-07-29 14:22:33) (良:3票) |
6.《ネタバレ》 アルフレッドに救いがある。それだけでもブルース・ウェインにとっても、シリーズを通して観てきた観客にとってもすばらしいことではないだろうか。「ブルース・ウェインを守ること」に固執した人間を描いたノーラン監督らしい作品。 【馬】さん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2013-02-16 22:23:58) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 密度が濃すぎて説明不足の点がいくつか有ったり、黒幕の正体があまりにも唐突であったり難点はいくつか有るが、大きな期待を裏切ることのないあまりにも壮大な映画。平穏・昂揚・悲愴・壮絶・虚脱、そして・・・。バットマンという世界観の中、全てのキャラクターが見事に息づいている。ビギンズとのつながりを強くすることで、3部作としても壮大なドラマを創り上げている。3部作を通じ、最高の時間を堪能させていただいた。なお牢獄でのリーアム・ニーソンはジェダイマスター クワイ・ガンにしか見えなかった。。。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-08-04 21:52:43) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 “The Dark Knight Rises”『暗黒の騎士 立ち上がる』…のような意味だと思いますが、この映画のタイトルは最後に出てきます。バットマンの最後の言葉「ヒーローはどこにでもいる」がタイトル回収だとしたら。ゴードンに限らず、ブレイク、セリーナ、名も無き警官たち。“Rises”には『増加する』という意味もあるので、もしかすると『暗闇から騎士(たち)が立ち上がる』って意味かもしれません。“Knights”って複数形じゃないので、単に思い付きですが。
前作でジョーカーを怪演したヒース・レジャーの急逝から、きっと3作目の構想は大幅に変わったと思われますが、あの続きからスムーズに繋がるのか不安もありました。いきなりヒーローものらしくない、結構リアルな、それでいてどこか007チックなハイジャック(?)から始まります。早速掴みはOKでした。前作の銀行強盗といい、現実からファンタジー世界に引き込むのが巧いですよね。 そして前作から8年も経過したことが解り、すっかり隠居したしおしおのブルースと、女の魅力たっぷりなセリーナの登場。本っ当コレ007か?ってくらい、ヒーロー物っぽくない、けど面白い導入部分でした。ベインはジョーカーに比べると魅力は落ちますが、本作のキャットウーマンはかなり魅力的です。お人形のようなアン・ハサウェイに、ゴーグル跳ね上げて猫耳にするなんて、ノーランは日本のヲタクの血でも輸血したんでしょうか?素晴らしい。
3作続けて登場の小悪党スケアクロウも可愛いですが、エンディングに繋がるブレイクの使い方は「そう来たか!」って感心してました。バットマンって孤高のヒーローってイメージがあるので、相棒とか何とかガールとかが一緒に戦うと、バットマンの魅力が薄まるんですよね。でも本作では最後までブレイクとして活躍するので、それぞれの魅力が薄まることなく共闘出来てました。 アルフレッドとブルースの再会。シリーズ物のエンディングとして、最高の部類じゃないでしょうか?アルフレッドとは面識のあるセリーナがまるで気付いてないのも、何か親友同士の秘密っぽくて良いと思います。 【K&K】さん [地上波(吹替)] 9点(2025-01-06 22:36:41) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 全世界待望の一作だが、その重圧もなんのその、衝撃的にして壮絶、伝説の終焉を飾るに相応しい堂々たる出来栄えだ。 「ビギンズ」から本作まで、リアルタイムに映画館で観てきたが、やはり三部作すべてを観てこそ真に楽しめる造りになっている。本シリーズは、絶えず変容を続ける社会に合わせて、そのメッセージ性を変化させているように思うからだ。本作では、「絶望的に打ちのめされた後、人は立ち上がれるのか」という点と、「本当の英雄とは?」という点が深く心に残った。本作で、ゴッサムの人々(主に警察組織)はデントの真実を知らされ、深く動揺させられるが、立ち上がり蜂起する。一市民としてのブルースも例外ではない。最愛のレイチェルがデントを選んでいたことを知り、強敵に叩きのめされても、再び立ち上がりゴッサムに帰還した。「2」でデントは、犯罪あふれる世の中を「夜明け前」に例え、古代ローマの政治を持ち出して、混迷の時代における強力なリーダーシップの必要性を説いていた。しかし本作では、「自分の大切な人を守るため、マスクを着ける(闘う)。」、「ゴッサムの運命を市民に託す。」など、一市民の力を強調している。打ちひしがれた少年にコートをかけ、励ましてあげた真の英雄とは、まさに名も無き警察官、ゴードンだったのである。今、人々は真実を知り、屈することなく立ち上がらなければならない時代、一人一人が主役になる時代が来たということだろうか。「1」で影の同盟は、時代に沿った手段で世直しを行ってきたと言っていたが、平和を守る手段もまた、時代と共に変わっていくのだろう。 また本作は「バットマン」でも「ダークナイト」でもなく、「ブルース・ウェイン」の物語になっている。奈落の底での命綱無しのジャンプは、まさにブルース自身のライジング。マスクという命綱を放り、常人を超えたシンボルとしてではなく、恐れを抱いた一人の男としてブルースは立ち上がったのだ。闘いの後、バットマンは遂に本物のシンボルとなり、その志は引き継がれていく。そして彼は、ブルース・ウェインという一人の人間としての人生を歩み始めた。彼の過酷な闘いと葛藤の人生を観てきた僕らならば、守るべき人と共にいる彼の姿を、アルフレッドと同じ面持ちで祝福できるのではないだろうか。 【サムサッカー・サム】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-07-31 23:29:34) (良:1票) |
2.IMAXシアターにて鑑賞。 関係者の想定以上によく出来てしまった『ダークナイト』の続編。傑作になることを義務付けられた完結編という相当な重荷の中、上がりまくったハードルをきっちり超える映画に仕上がっています。アクションはより派手に、ストーリーはより重厚に、世界が見たがっているバットマンを正確に理解した映画となっているのです。『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』『マトリックス・レボリューションズ』等、要らないものを足しすぎて失敗する完結編が多い中で、ここまで過不足なく綺麗にまとめられた完結編は珍しいと思います。とにかくクリストファー・ノーランの仕事が圧倒的。日本のオタク以上に厄介なアメリカのオタクを納得させてきたストーリーテリングの手腕はさすがのものだし、アクション演出は前作以上に的確です。『ビギンズ』の時には演出に固さがあったものの、娯楽部分の演出はどんどん巧くなってきています。007を思わせるスカイアクションにはじまり、ウォール街襲撃に、バットマン再登場に、ゴッサム陥落にと圧倒的な見せ場が連続するのですが、CG全開のマーブルヒーローとは一味も二味も違うリアリティある見せ場には大変恐れ入りました。。。 物語については賛否が割れているようですが、私は良い内容だったと思います。最大の武器であった財力とテクノロジーを奪われた時、ブルース・ウェインはどう戦うのか?というのが本作のテーマ。なかなか面白い点に目を付けたなぁと感心しました。第2のロシア革命を目論むベインという敵にも、完結編に相応しい重厚さがありました。無目的な狂人であったジョーカーでは完結編の主役は務まらなかったはずであり、バットマンとは相要れぬ信念のために突き進む怪人こそが、サーガの幕引きには適任だったと思います。。。 そして最期に一言。どんなに扱いが悪くてもシリーズに出演し続けたキリアン・マーフィの度量は素晴らしすぎる! 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-07-29 01:08:11) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 その日、目を疑うような事件がテレビの中で起こっていた。冗談であるに決まっている、あるいはある意味でショウなんだろうと、心をだました。とぐろを巻く恐怖感が与える生々しさはしかし、現実にしか見えなかった。 あの人達は次々と、死んでいる。間違いない、死んでいる。画面に映る慈悲を乞うあの人も、絶望に包まれながら落下していくあの人も。確かな死をブラウン管が伝えている。 「この国には起きないだろうけど可能性はあるよね」なんて、時間がたつと有識者みたいなことを誰もが口走る。 十年前、誰の想像も及ばないこの事件が地球の裏側で起こって、僕も全ての人と同じように為す術が無いその瞬間をテレビで見つめ、眺めてため息をついた。
21世紀になった瞬間、負のパラダイムシフトを経験した世の中はずいぶん変わってしまった。暗くなった世の中で、事件や災害は絶えなかった。 その内に僕の側から離れて行ってしまったあの人も、猫も、風景も、何の手も打たないまま、記憶になっていく。 「将来に向けて頑張って行かなきゃね」なんていう冗談めかしたやりとりも、現実だったその時と一緒に作り物のような塊になって、心のどこかに転がっている。 もし、時間も、手放した何かも帰って来てもきっと今のこの世界にはなじまないのだろう。違和感を拭わないで放っておいてしまう僕はきっともう一度それを失ってしまうのだと思う。
ダークナイトで英雄という像のパラダイムを変えられてしまった僕たち受け手は、変わってしまった新しいパラダイムの中で新しい評価基準を植え付けられ、そして自分の中でも作り出してしまった。 少し複雑な主人公の事情と難しい危機が振りかけられたキラキラしたストーリーが、今では決して主流でも定理でもなくなってしまった。 この世界で、そんな以前の様な様式の新しいダークナイトを見たとき、僕は引っかかりを感じた。この10年間の間に僕から離れていった様々な物と同じ悲しさが、同じ違和感を作り出している。少し切なくなった。 膝の上で喉を鳴らす猫も、後ろ姿しか記憶にない彼女ももう居ない。少々のつじつまなど気にせずに目まぐるしく場面が飛んでしまう、出来の良いこのアクション映画を素直に楽しめる僕ももう居ないんだ。と思う。
で、昼間に何分か追いかけている内に真っ暗になる、中東から裸足で歩って帰れるゴッサムシティ。うん、まあいいか。 【黒猫クック】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-07-28 16:51:47) (笑:1票) |