5.《ネタバレ》 この監督はいろいろと狙っていると思いますが、この作品関してはその企みはすべて成功していると思います。お話自体は古いフォーマットで他のレビュアーさんがシェーンのまんまと言っていましたが、本当にそうです。この映画の魅力は色彩感覚とオフビート感だと思います。大体オフビートの映画ってあまり面白くなく、自己満足なのが多いのですが、表現方法と内容が一致しているブレッソンがまぁ、稀有な例ですが、その後の監督たちってただイキっている感しかなくて、イヤですね。それらとは違いこの作品は全体の流れの中で特に主人公とアイリーンのシーンにオフビート感を前面に出していて、後半にテンポが加速していきますが、全体的なバランスを考えれば破綻しているとも言えなくもないですが、あえて私はこれは統一感を無くして良かったと思います。かえって二人の心の交流が独特の色彩とマッチして、よりこの映画の魅力を浮き上がらせていて、非常にオリジナルなものにしています。何より監督がイキったアート系の作品に堕さずに娯楽映画として撮り切ったところが世界的にも評価された点だと思います。アイリーンの可愛さもちょうどよいという意見にも激しく同意です。キャスティングの勝利と言えるでしょう。2010年代の映画史のなかの一つの恒星にはなったのでは。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-21 18:17:05) (良:1票) |
4.表情ひとつ変えず夜の街にクルマのハンドルをきるクールな主人公。その冒頭は ウォルター・ヒル&ライアン・オニールの「ザ・ドライバー」を思わせる。 原作もそうなのか、恐らくは「ザ・ドライバー」に着想を得た冒頭なのかと思いますが、 まだ幼い1人息子と暮らす隣人の女が現れて以降は予想のつかない展開が待っていました。 人妻だと分かると決して一線は越えない奥ゆかしさ。幼い1人息子からも懐かれる。 裏稼業の時に見せるクールな表情の時とは全く異なり、この母子と過ごす時の人の好さを感じさせるゴズリングの表情も印象的。 よって中盤以降のバイオレンス描写とのバランスはあまり良くなかったとは思うのですが、 それにしても本作のゴズリング、かなりのカッコよさ。そしてキャリー・マリガンが好きになった。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-10-29 20:17:27) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 一言で言うと任侠ですなあ。惚れた女のために一度は抜けた裏社会に、今回だけと舞い戻る。銃撃戦の血生臭さや陽の光の当て方等はけれんみ溢れてて、洋画お得意のハードボイルドというよりは往年の東映ヤクザ映画のテイストに近い。人妻のキャリー・マリガンが幼顔のせいで浮いてるけど。 冒頭の逃がし屋ドライバーの力量発揮の場面は印象的だったし、なんせタイトルがドライヴなので、クライマックスは当然運転技術の卓抜さで敵を出し抜くのだろうと思ってしまった。素手で殴ったり刺したりとは意外すぎた。うそぉ、と落胆したのは私だけかい? 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-10 00:06:57) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 とても独創性のあるアクション映画でしたね。緩急のつけ方が上手いというか。派手さは無いけど、凄みのあるアクション&バイオレンスでしたね~。一目で恋に落ち、そして二人初々しい会話を楽しむシーンなんかは、とても甘くて緩やかな時間が流れてるんだけど、カーアクションやバイオレンスは、とってもピリピリしてて凄みのある映像。双方が喧嘩しているというわけでなく、それぞれが、それぞれの魅力を増幅させ合っていると思う。甘いキスシーンの後に、おぞましい殺しをするところなんて、笑っちゃうぐらいのメリハリでしたね。そしてまたファンタジック系なロックが作品全体をよりアート化させている。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-11-17 01:36:01) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 勢い任せに逃げる鬼ごっこタイプではなく、追手の死角を突きながら徐々に距離を離していくかくれんぼタイプのユニークなカーチェイスには引き込まれました。音響への異様なこだわりも映画のテンションに大きく貢献しており(本作は音響の整った環境で観るべき映画)、絶好調のスタートを見せる本作。ライアン・ゴズリング演じるドライバーのキャラ設定も良く、質素な一人暮らしならば修理屋の給料のみで食べていけるにも関わらず、逃がし屋やスタントマンといった危険な仕事を定期的に引き受けることで己の破壊衝動を充たしているアブナイ男という、バイオレンス一直線な設定には燃えましたとも。究極の危険愛好家にして、度を越した暴力性を胸に秘めたドライバーは、ポジティブに描かれたアントン・シガー。ライアン・ゴズリングの幽霊のような存在感も主人公のキャラ描写に大きく貢献しており、この主人公を見ているだけで2時間は余裕で楽しめます。忍従を重ねた末に、いよいよドライバーがブチ切れる瞬間には飛び上がるくらいに興奮しましたとも。。。 問題に感じたのは、ドライバーのキャラがあまりに完璧すぎて、その敵となる犯罪組織が完璧に見劣りしていること。アルバート・ブルックス演じる古株のヤクザなどはかなりいい味出しているのですが、人間凶器とも言えるドライバーと戦って勝てるタマではありません。そのため、冒頭のカーチェイスに匹敵するような緊張感ある見せ場を後半に準備できておらず、映画全体としては尻すぼみな印象を受けました。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-09-25 00:53:48) (良:1票) |