4.《ネタバレ》 146分とやや長め、重くなりがちな題材なので疲れるかなと思ったのですが、考えさせるような所と笑わせるような所のバランスがよく、だれることありませんでした。茸は風通りの悪いところに生えるといいますが、村社会の中で、女は働かないのが普通で、どこか居場所が無く、自分の存在確認のように、黒人に冷たくあたるヒリーという女性(他の婦人会の面々も)は、弱く悲しくも見えます。コミュニティからは外れたシーリアとは対照的です。弱いものがさらに弱いものを叩く、みんながそうするので私もする、差別の構造ってこういうものなのでしょう。その中で勇気を持って行動できる人を尊敬します。え?これ実話じゃないんですか? |
3.非常によく出来た映画。黒人差別を題材にする映画は数あれど、黒人メイドに着目したのが素晴らしい。スパイク・リーに代表される、スラムや貧しい黒人に注目するよりは、黒人メイドが白人上流階級の家で働いている点、すなわち完全に分離されてはいない(業務的な会話はするし、白人の子守もする)が、そこには確実に壁があるというところに注目したのが白眉。人間を決してステレオタイプに描かず、人間をよく描いている。この映画で象徴的なのが「トイレ」である。勿論これは見ればわかるが、今までにない視点であり、それがこの原作が売れた理由でもあるだろう。ユーモアに溢れていて、感動的でもある。 【Balrog】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-04-04 00:12:14) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 時は1960年代。アメリカは経済的に成功していました。しかしそれも一部の白人富裕層のものでした。根の深い黒人、有色人種との人種問題。それは、アメリカのかかえる大問題でした。そのテーマにミシシッピー州ジャクソン出身の原作者と監督が内なる目でこの作品に取り組んだと思います。主人公スキーターが、家政婦の問題を書こうとしたけれど誰一人協力を申し出るものはいませんでした。その中でも息子を職場で虫けらのように殺されたアビリーンは密かに協力を申し出てくれました。その後彼女の友達ミニーも加わり、本は彼女たちの友情と共に出版へとむかいました。全体に解かりやすく60年代南部アメリカを描き人種差別の根の深かったことを確かな演技力の女優陣の演技で見事表現しています。悪役ともいえるヒリー役のブライス・ダラス・ハワードは名監督ロン・ハワードの娘ですよ。益々うまくなりましたね。 黒人のアカデミー賞があればヴィオラ・デイビスも主演女優賞をとっていたでしょうね。ちょっと、批判めいた事書いちゃいました。とにかく映画が真に好きな人には是非観てもらいたいですね。 【としべい】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-03-31 20:16:34) (良:1票) |
1.映画評のひとつに,女性が輝いている,というのがありました。主演や助演の女優達はもちろん,敵役の女性達もピカピカに輝き美しかった。子守される小さな女の子までもよかった。原作も良いのでしょうね。お薦めします。 |