5.《ネタバレ》 ストーリ展開がスムーズで非常に見心地がよく、満足度が高い作品。主役の弁護士が魅力的に描けていて、物語前半で丁寧に拝金主義で下世話な姿を描きながら、中盤で悪役である依頼人が実は過去の依頼人を陥れ、自分もまんまと騙されて司法取引で無実だったその男に無理やり罪状を認めさせ服役させてしまったことに気づく。そして、そのことを悔いて、全力で悪役である依頼人を逆にお縄にしようと司法のテクニックを駆使して奮闘する。実は職業倫理に篤く正義感の強い熱い男だったことを描いていく。そのシフトチェンジも自然で演出も実に手堅い。見終わった後の感興も決して安っぽいウェルメイド・ハッピーエンド的なB級作品に堕さない品格があり、非常に質の高い娯楽作品だと思う。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-10 18:27:14) (良:2票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 最初はいけ好かない感全開の悪徳弁護士ミック。こいつとは仲良くなれないぜーっと思っていたら、実は正義感が強くて家族思い。このギャップは魅力的。いやー、かっこいいですわー。 さあ、今回の依頼人はマジでとんでもないサイコパス。しかも金持ちの息子。狂気と財力を兼ね備えた最悪の依頼人。そうとは知らず金づると思い込み弁護を引き受けてしまうミック。 で、この映画が面白いのは、だいぶ早い段階でこのサイコパスが自ら犯人だとばらしてしまうこと。 ミックはルイスが犯人だとわかったうえで、彼を無実にするよう弁護しなければならない。そこでミックは暴行で起訴されたルイスを無罪にしつつ、別件の殺人でルイスを逮捕させるという離れ技をやってのける。更にはルイスがいったん釈放されることまでわかったうえで、追撃の手を緩めない。奥の手というか禁じ手というか、マル秘お助けキャラバイクマン召喚。サイコパスを袋叩き。こんなにスカッとすることあるでしょうか。 まさに蛇の道は蛇。悪を以って悪を制す。防戦一方からの逆襲劇。手に汗握るスリリングな展開。いろんな伏線が次々と張られては次々とつながっていくのが快感。いや、これはもう脚本が面白いのでしょう。脇に配置した人物たちもみな一様に活躍していい仕事しています。 相棒の犠牲、自分のせいで服役させてしまった無実の人への謝罪、この辺だけがちょっとしこりとして残りましたが、痛快娯楽ダークヒーローものとして大変完成度の高い名作かと思われます。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-04-03 23:30:52) (良:1票) |
3.マシュー・マコノヒーが演じるミック・ハラーというキャラクターが実に魅力的です。手練手管で金をせしめる悪党の一面と、弁護士として真摯に職責を全うしようとする正義の顔を併せ持つ男。どちらが表とか裏ではなく、どちらもミックという人間の正面と考えます。非の打ちどころのない極悪人も、聖人君子もそうそう居ません。ミックは実に人間らしく、そして弁護士らしく、損得勘定を忘れず良心と相談しながら、難局に立ち向かっていきます。感情移入するに足る器量を持った人物でした。イメージ的には少しハリー・キャラハン刑事と重なるかもしれません(細身でヤサ男なルックスも含めて)。展開はスリリングですし、カタルシスも十分。脚本は非常に良質でした。ちなみにミックに対抗できる日本人弁護士だと古美門研介(『リーガル・ハイ』)になるのかな。うーん、タイプは違うけどどちらも素敵。それにしても動く車内で仕事をして酔わない体質は羨ましいです。 【目隠シスト】さん [インターネット(吹替)] 8点(2021-01-01 00:00:01) (良:1票) |
《改行表示》 2.面白い! 法廷物は潜水艦映画と並んでハズレが少ないジャンルだと思いますが、この映画もその期待を裏切りません。 というかこれ、法廷物というよりヒーロー物に近いです。 金になる事件を探してリンカーンで裁判所を回る怪しい弁護士。汚い事もやるし金にもうるさい。 刑事にも嫌われてる。 乗ってるリンカーンのナンバーはNTGUILTY。 しかしほんとの悪は絶対許さない。 ってな感じで、この映画の構図は法廷を舞台にしたダークヒーロー物のそれです。 マシュマコノヒーは非常にハマってます。 シナリオの細かい伏線と回収は精緻だし、いやな奴はちゃんと負ける。 だから観た後に爽快感がある。 これぞ正しくヒーロー物です。 そしてこういう映画にかかせない小粋なパートナー。この映画では運転手ですな、彼がいい味だしてます。 変な前知識をもたずに観ていただけると吉です。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-05-17 14:19:24) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 マイクル・コナリーという作家は知らなかったけれども、この映画を観て原作を買いました。リンカーン弁護士、シリーズでやってほしい。登場人物みんなキャラがたっていて、エンターテイメントだけれど後味がいいというか、まだまだ観たいと思う映画でした。運転手のアールも助手のフランクも元妻のマギーも、検事、刑事、女性の助手、情報屋DJにいたるまでものすごく存在感がある。容疑者のライアン・フィリップも不穏な感じがよかった。後の出演作に影響しないかしらと心配してしまった。続けて2回観てしまいました。個人的にはマリサ・トメイがかっこかわいくてすき。こういう映画、ありそうでなかなかお目にかかれないのでわたしには貴重な映画です。 【はちかつぎひめ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-24 19:18:15) (良:1票) |