《改行表示》 7.《ネタバレ》 原作未読。全体的なテーマ・ストーリーは悪くない。 2組の夫婦の時間・生と死のクロスオーバーを手紙・メモ書きや写真といった道具を巧みに使い、夫婦(の時間)とは何か?を問うている。 が、脚本に無駄多くバランスがよくない。 まず、ビートたけしや草なぎは必要なのか?岡村・浅野も同様。大人の事情での出演なのだろうが、作品のテンポ・リズムを崩しており、登場人物として余計だ。道中での有名人の起用によるネタ仕込みより、前作のような素人の町人相手かマイナー俳優でよかったのではないか?また、ヘタなロードムービーにしたため、ワザワザ観光地を挿入しているが、高倉健主演でそんな観光地の風景に頼るような演出が必要なのか?これも余計だ。海や湖をバックとした高倉健の後姿のシーンが3~4回あるが、定番でカッコイイんだけれども、カッコ良すぎてちょっと浮いているし、果たしてこの作品に必要なシーンなのか?そして最後の冗長な説明臭いオチ解説の長台詞が最悪だ。このオチになることは観客の誰もがわかっていること。お互い黙って見つめあい、写真だけ渡して立ち去ればいいんじゃないのか?大俳優2人の折角の演技の見せ所なのに、ハトがどうだのクドイ説明させるなよ。これじゃラストが大無し。 逆に、夫婦2人の物語があまりにも淡白で時間軸も滅茶苦茶で説明不足であり、どのような夫婦関係であったのかがよくわからない。よって「大切な思い」というのが、非常にわかりにくくなっている。田中裕子はいいのだが、年齢的に釣り合わないのは気になる。 一方、平戸のシーンは風景・俳優4人の演技も素晴らしく、大変よいものに仕上がっている。特に写真館のシーンは説明できない感動がある。 高倉健は高倉健なので、まあいいんだけれども、この役が高倉健に相応しいか否かは疑問だ。もう80歳を超えており、真っ直ぐ普通に歩けない姿を見るのは少々辛かった。もう20年以上前に山田洋次が「高倉健には笠智衆のような俳優になって欲しい」と言っていたのを記憶している。2人とも演技力は低いが存在感や味があるという点では共通しているが、ある種の老いぼれ爺さん役を高倉健が演じる事への不安や悲しみがないわけじゃない。映画人は高倉健をどうしたいのか?映画界の至宝・高倉健で何を撮りたいのか?もう残された時間もない。真剣に考えて欲しい。 【東京50km圏道路地図】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-09-02 06:51:35) (良:5票) |
6.《ネタバレ》 最愛の妻からのラストメッセージ。それは絵手紙にしたためられた僅か5文字の言葉。「さようなら」たった一言を伝えるために、妻は夫に旅をさせました。環境を変えること、体を動かすことで見えてくるものがあるということ。「あなたは、あなたの時間を生きて」過去の思い出に囚われることなく、新しい人生を歩んで欲しいという妻の願いは夫に届いた様子。篭の中の鳥、いや刑務所に餌づけされた雀は、大空に飛び立つ決意をしたようです。ただ薬が効きすぎたのか、刑務官の職まで手放してしまいました。退職後も請われて仕事が出来るなど誇らしいこと。ニセ教師や南原の例を見ても分かるように、居場所があるのは幸せな事です。新しい生き方を模索する気持ちは尊重したいですが、今まで積み重ねてきたものも大切にして欲しいと感じました。根なし草の放浪とならぬ事を祈るばかりです……。齢八十の大スター・高倉健を主演に迎え、豪華キャストでお送りする和製ロードムービー。健さんは流石に若々しいものの、それでも80歳のおじいちゃんには変わりありません。本作のテーマを扱う上で主人公の年齢は重要なファクターとなりますので、明らかにミスキャストでしょう。吉永小百合もそうですが、主役しか許されぬ役者人生というのも虚しい気がします。年齢相応の適役でこそ、役者は一番輝けるのでは。イベントは発生してもアクシデントは皆無であること、移動距離と期間及び移動手段のバランス上、ロードムービーとしては極めてコンパクトで平凡な印象です。大仰なBGMに頼るのも限度があります。ロマンには欠けては、ロードムービーの醍醐味半減と言わざるをえません。 【目隠シスト】さん [地上波(邦画)] 5点(2013-08-22 18:49:46) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 高倉健を見ているだけで楽しい たけし始め豪華キャストを見ているだけで楽しい 稀少動物園のようなそんな映画。 奥さんが死んで散骨をするために富山から長崎まで車で旅をするロードムービー タイムリミットは10日間、車はキャンピングカー お金も暇も充分ある、この設定では話は厚くなりようがない しかしさすが高倉健、それでもごく普通の人達と出会い真摯に向き合うだけで見惚れてしまう力が有る 流れて行く風景は驚くほどに綺麗 特に富山での神輿を担ぐ祭りのシーンはよかったな あの場所で奥さんの写真を撮りまくる健さんを見るのはのは楽しかったし、楽しさの裏返しに結局遺影になってしまってそれがやたら哀しかった しかし何故かカメラワークが重みにかけるんだよな カメラが木村大作じゃないのが惜しまれる 照明がとくに悪い ヒドいのじゃ無くて悪い 大作にありがちなベタな光 のっぺりとしたライティングでドラマチックな感じを損なっている 大物キャストがシャドウになって顔が見えないなどを防ぐためだろうが、逆光の風景と人物両方をライティングするのでまるで美しい画面に合成された人物のようだ むしろ風景として人物をシルエットにする思い切りがドラマチックさを演出するのに残念だ 後、演出がいくらなんでも地味すぎる もう少し盛り上げてもらいたかった わざわざ長崎の局留めの手紙がさようならの一言だけなんて健さんじゃなくても途方に暮れる しかし上品で静かな大人の映画である 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-12-16 16:39:42) (良:2票) |
《改行表示》 4.ヤクザをはじめ、犯罪者、逃亡者、厳格すぎる軍人や公務員など、これまで超人な高倉健をいろいろ見てきました。「さすがスターだ」と思う反面、「こんなヤツいねーよ」と冷めてしまうこともしばしば。 しかし本作に登場するのは、珍しく凡人な高倉健でした。とりわけグッと来たのは、前半の風鈴をめぐる田中裕子との会話。ありふれた夫婦のやりとりですが、とても〝素〟な感じがして、「健さんもやっと人間界に帰ってきたんだなぁ」と感慨深いものがありました。おそらくは図らずも遺作となったわけですが、その意味ではいい締めくくりだったと思います。 作品の質としては微妙。特に草彅が登場すると、とたんに画面が嘘っぽく、安っぽく見えてしまうのは何故でしょうか。別に色メガネで見ているつもりはないのですが。今日のスターも、往年のスターへの道のりはまだまだ遠いようです。というか一生かかっても追いつけないでしょう。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-02-27 14:05:45) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 ◆悪人も濡れ場も出てこないので、年齢を問わずおすすめできる無印良品的映画。いや、こんだけの豪華キャストなのでコテコテのブランド映画とも言えるか。高倉健氏はもともとあまり滑舌のよくない方ですが、今回はそれがよい味付けになっていたと思います。◆ビートたけし氏(この人も滑舌がよくありませんね)が出演していますが、今回は暴力は振るいませんので、そういったシーンが苦手な人も安心して観ることができます。◆竹田城はこの映画でメジャー昇格でしたっけ。◆田中裕子さん演じる妻は、完全に男性目線の理想的女性像で、まるで妖精のような存在。世の女性たちにはどう映るのでしょうか。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-09-08 20:27:35) (良:1票) |
2.高倉健のための高倉健の映画。それ以上でも以下でもない。個人的にはたけしの役を武田鉄矢にやってほしかった。時をこえて再会する黄色いハンカチ、みたいな感じがね。 |
1.《ネタバレ》 久しぶりに元気な秀治ば観た。(漁村の厳しさが心に突き刺さる語り方で) 【アキラ】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-04-24 03:43:08) (良:1票) |