《改行表示》 4.私の個人的な感覚でいえばロバート・ダウニー・Jrといえば性格俳優の趣きが強く、そういった意味でもチャップリン役は彼に最も適した役だったのではないかと思います。実際彼の役へのなり切り具合はとても素晴らしいものでしたがストーリーがそれに見合っておらず、どうにも軽い作品に成り下がっています。喜劇俳優を描いているにもかかわらず大して面白くもなく、また心に響くような深い映画にもなっていません。そもそも論ですが世界で最も有名な喜劇俳優かつ監督、いわゆる偉大な芸術家であったチャップリンの一生をたった2時間半で描こうとしたのがそもそもの間違いで、ガンジーのようにせめて3時間、いや3時間半でも良かったかもしれません。 幼少期も青春期も青年期も全てが早歩き過ぎて、見ている私たち観客の心には何も響きません。ロリコン気味の彼の女性遍歴も何となく早歩きで軽く紹介しただけで終わっています。更に成功期から晩秋期においてはアンソニー・ホプキンス(ジョージ・ヘイドン記者)が妙に幅を利かせてきて要らぬ存在感を放ちます。意味深なセリフも目立っていて妙に映画が散漫になっているのです。何か哲学めいた雰囲気からのあのイメージビデオのようなラスト。他の方もおっしゃっている通り、キャップリンの人となりを知りたかったら「街の灯」を一本見るだけで十分に彼のことが理解できるでしょう。 2時間半の伝記映画にするにはあまりにも偉大すぎたチャップリンの紹介映画は、それを作ってしまった時点で蛇足以外の何物でもなかったという感想です。ただし、早歩きでざっと彼の人生を見渡すにはよく出来た作品ではありました。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 5点(2022-09-13 11:28:04) (良:1票) |
3.チャップリンならずとも、著名人の一生をざっと描けばこれと似たようなストーリーになる気がします。貧しい少年(少女)時代に始まり、ちょっとしたチャンスをモノにして頭角を表し、世間的な成功のウラで恋愛やら別れやら訴訟やら毀誉褒貶やらが絡んで苦悩する…。チャップリンの生涯がこれだけだったとは思いませんが、映画としてはよくあるパターンの連続でした。ただし、ラストでチャップリン映画の断片が流れたシーン、それと登場人物たちの生涯をコンパクトに紹介するシーンはちょっとグッときました。人それぞれ、重い運命を背負っているんだなぁ、だからこそ「笑い」が大事なんだなぁと。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-12 02:28:15) (良:1票) |
《改行表示》 2.”チャーリー・チャップリン”、この固有名詞はもはや全世界の映画史に残る一つのアイコンであろう。 「波瀾万丈」という言葉がふさわしい彼の喜劇人、そして映画人としての長い人生を、ひとつの「映画」として表現する試みは、「必然」であったと同時に、物凄く高いハードルだったと思う。 145分間のこの映画で、チャップリンという男の人生の本質をくまなく描き切れているとは思わないし、それは到底無理な話だ。 ただ、想像以上に「面白い」映画だった。深夜0時過ぎに鑑賞を始めたが、まったく眠気を覚えなかったほどに。 その“面白味”の大部分は、ロバート・ダウニー・Jr.のパフォーマンスに尽きる。 チャップリンの人生を映画化するハードルの高さは、即ちチャップリンを演じる俳優に与えられる試練の大きさだろう。まともな俳優であれば、その仕事の困難さに尻込みしてしまうはずだと思う。 が、ロバート・ダウニー・Jr.という俳優は、イロイロな意味で、まともではない。 舞台コメディアンとして仕事を始めた10代から、スイスで晩年を迎えた80代まで、チャーリー・チャップリンという男の人生の様を見事に“体現”していた。 冒頭、白塗りのメイクを落としていくチャップリン、その瞳には吸い込まれるような闇が垣間見える。 そこには、世界一有名な喜劇王が抱え続けた“孤独”と“虚無”が描きつけられている。 伝記映画としてその展開にはやや野暮ったい部分もある。アンソニー・ホプキンスが、珍しくあまり個性の無い編集者役で登場するチャップリンの晩年シーンなどは、何度も挟み込む必要は無かったように思う。 それでも、ダン・エイクロイド、ケヴィン・クライン、ダイアン・レインら実力俳優に加え、若く瑞々しいミラ・ジョヴォヴィッチも脇に配し、キャスティング的にも映画ファンとして非常に楽しめる。 チャーリー・チャップリンの人生を描くということは、即ち往年のハリウッドの舞台裏と、当時のアメリカ社会の“闇”描くということでもあった。そういう意味で、この映画はとても多面的な面白さを備えている。 そして何よりも、この映画を観ると、本物の“チャップリン”が観たくなる。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-11-07 11:26:05) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 偉人を題材にした映画は観る側がその本人の風貌や顔と俳優を見比べてしまうのは仕方がないし、それがチャップリンのように世界中の誰でも顔を知っている人物なら尚更の事。これ程波瀾万丈の生涯を送った人物の話を2時間程度の映画という枠の中で描き切るのは大変な事だと思うし、彼の生涯の全てをしっかり描き切るのは不可能だとも思える。あまりにも駆け足でその生涯を振り返り、その中で次々登場する豪華キャストがあまり印象に残らないのが残念ですが仕方ないのでしょう。それでも本作のロバート・ダウニーJrは見事だった。称賛されるべき素晴らしい仕事をしたと思います。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-27 19:44:34) (良:1票) |