4.多勢に無勢、2万人対5百人の戦い。ってのが何だか、この作品における「豪快過ぎるスペクタクルシーン」対「野村萬斎のひとり踊り芸」と重なるような気がして。実際、この作品では(とくに前半)、主人公であるはずの野村萬斎の扱いがあまりよろしく無くって、あまり光も当たらない。むしろ彼を取り巻く人々の表情の方が、描かれてます。それに、この主人公、奇行が目立つとは言え、「天才」ならではの裏のある奇行なんぞではなく、むしろ裏が無く計算もあまり無く、場の空気や常識にそぐわぬ闇雲な率直さが結果的に奇行奇策に繋がっていく、という具合。映像は派手な合戦シーン、派手な水責めシーンと、どんどん視野を広げスケールを大きくしていき、主人公の魅力と野村萬斎の芸が、それに対抗する。ってのが、何だか愉快ではありませんか。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 7点(2014-03-16 20:44:14) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 “野村萬斎なくしてこの映画は成立しなかったであろおおおおお!”(よく通る大きな声で)と断言できるほどの“のぼう様”と萬斎とのシンクロ率。水上での田楽踊りはまさに狂言サイボーグ、オンステージ!『陰陽師2』でクライマックスのアレがアレだったのとは大違いです!(注:個人の感想です) 意外にハズレもなくハマっていた役者陣は…佐藤浩市シブ過ぎ(笑)成宮チャラ過ぎ(笑)榮倉棒過ぎ←いい意味で(笑)そして、ぐっさん目玉剥きすぎ(笑)…一応全部ホメてます(笑) そして…この映画からは『アッパレ!戦国大合戦』の匂いを強く感じました(群衆シーンからはジブリの匂いも)。おっとっと、コレは非難じゃありませんよ~。見ていて感じた“心地よさ”から連想された部分も大きいと思うので。でも最近は映画を見て、この“心地よさ”を感じるコト自体が少なくなってしまったワケで、そういう意味で「面白い映画だったなぁ~」と素直に思えたので点数はこんな感じで。 【幻覚@蛇プニョ】さん [地上波(邦画)] 7点(2014-01-19 10:48:46) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ちょっと評価しにくい映画 野村萬斎をいいとおもえるかどうかだな とにかく野村萬斎の独壇場 踊りはさすがに素晴らしい キャラは序盤慣れないせいか盛りすぎな感じに見えたが見ているうちに気にならなくなった たぶん段々とさらに野村萬斎が盛っていったせいだろう きりがない感じ 突き抜けているところは悪く無いと思うが人に依っては受け入れられないレベルだと思う 馬上の佐藤浩市は抜群 カットが変わる部分とか編集が微妙に変な感じ ちょうどいい所のちょっと前でカットが切り替わる 初期の北野風かなぁ 監督を二人に別けたのは正解だったと思う 樋口真嗣のうまいVFX無しにはこの映画いまいちだったが樋口監督だとコミカルな軽い演出は出来なかっただろう 野村萬斎演じる成田長親も上地雄輔演じる石田三成も微妙なフリークス感がある 変な総大将同士ががへんてこな戦闘をやってお互いがその変てこさゆえに満足して収束した ちょっと常人には理解し難い展開 その常人代表が佐藤浩市であり山田孝之だ 作り手は分っていてこの二人をキャスティングした その辺がオーディエンスに伝わったかどうかがこの映画がおもしろかったかつまんなかったかの瀬戸際じゃなかろうか 私は微妙だった 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-12-24 12:44:38) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 楽しかったです。石田三成が率いる2万の関白軍を500の軍勢で迎え撃った地方のお城の奮闘記。その総大将が領民から「のぼう様」と呼ばれる城代で、「でくのぼう」の略らしいです。そう呼ばれるくらいに武張ったところが無く、軍略や折衝に長けているようにも見えない。でも、なぜか領民からは人気がある。彼が取る戦略がメインの見どころでした。 と言っても、戦略と意識してやっていることは少なくて、彼の態度や言動が他者の共感を得て、それが士気を高揚させる。それも、武士だけではなく、領民たちを戦う気にさせる。これは人柄です。 あの時代、「人柄」で人心を掌握した例は他にもあると思いますが、戦国時代劇で武士と農民が一緒に戦う物語を初めて見た気がします。そして、上意下達の命令系統に対して、「人柄」と「共感」が発する力が勝る。それは痛快でした。 「のぼう様」を演じる野村萬斎は、まさに狂言師的なひょうきんさで観客も共感させてくれます。そこに佐藤浩市と山口智充が戦国武将らしくバランスを取る。榮倉奈々はラブコメ要員かな。成宮クンだけがどうしても戦国の武士に見えず、浮いていて可哀想でした。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-11-05 23:16:07) (良:1票) |