1.《ネタバレ》 絶望感しか覚えなかった「3」、そしてやはり失笑することしか出来なかった先だって放送された「THE LAST TV」を観て、決して“希望”なんて持たずに“事故り”に行ったのだから、怒りなんかしない。ただただ、面白くなかった。それだけのこと。と、このシリーズのファンでなければ端的に割り切れられるのだけれど、やっぱりそうもいかない……。冷静に振り返ろうとすればするほど、あまりのお粗末さに怒りと呆れを禁じ得ない。シリーズを通じて15年の長きに渡り、同じ俳優が同じキャラクターを演じ続けているのに、「3」も含め、揃いも揃ったキャラクター達に、かつてあった「魅力」を微塵も感じることが出来なかった。シリーズが長い年月に渡った故の、俳優達の必然的な老いや喪失が、影響していることは仕方が無い。ただ問題はそういうレベルのことではない。キャラクターに魅力が無いのは、俳優達のせいではない。間違いなく、監督と脚本家とプロデューサー、この3人のせいだと断じてしまって構わないと思う。「3」の時にも大いに感じたことだが、このシリーズを生み出したのはこの3人であり、このシリーズを味がなくなるまで噛んで吐き捨てたのもこの3人である。残ったのは、悲劇的に無惨な食べカスだった。少し踏み込んで言及するならば、“犯人”となる3人のキャラクターが可哀想なくらいに祖末過ぎる。犯人役を演じたこの3人に限ったことではないが、演じた俳優が可哀想に思える程に見せ場が無く、薄っぺらなキャラクター描写が、この映画における最大の「敗因」であり、それを通したシリーズの“創造者”たちが諸悪の根源であることは間違いない。ああ、ほんとうにきりがない。ラストの阿呆みたいな仰天シーンや、室井にギャグ的台詞を連発させる愚かさ等、他にも言いたいことは尽きないけれど、そろそろ終えて、この最後の2作品の存在を忘れて、15年前のテレビシリーズから今一度見直したい。今作における唯一のハイライトは、過去作のシーンを羅列したオープニングタイトルの高揚感のみだ。 「踊る大捜査線」の大ファンだからこそ敢えてはっきり言う。きっぱり「駄作」、「希望」はない。