9.ようやく観られた吉田大八監督の話題作。この映画に関してはすでに色んな人が色んな所で熱く語りまくってるので私ごときが今更言える事は少ないが、とにかくラスト間際に思い浮かんだのは“かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう”((C)早川義夫)って言葉だった。やっぱり世間様からどれだけズレていようが純粋に好きなもん追いかけてる奴等が一番かっこいいんだよなあ。 【オルタナ野郎】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-03-24 00:10:19) |
8.以前テレビでは「中学の時イケてないグループに属していた芸人」みたいなのが斬新で面白いと話題になりましたが、ある種それよりも強烈に学生時代の序列?が描かれています。それぞれの視点からのストーリーはテンポがよく、リアリティも感じられとても楽しめました。 こういう学生時代の話って、大人になってからも割とアンタッチャブルな話題な気がしますが、下の方ににいた人も上の方に属していた人にも、多少の気恥ずかしさを覚えつつ、リアリティを持ちながらこの学園ドラマ??を楽しめるんじゃないかなーと思いました。 【なこちん】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-02-12 00:57:45) |
7.クラスのイケている連中とイケてない連中が平行して対称的に描かれる。そのメリハリの効いたキャスティングと芝居の付け方が素晴らしく、演技を観ているだけでも面白い。加えて不在の桐島についてどのような落とし前をつけるのか気になって最後まで興味が持続する。音楽はあまり使用されておらずほぼ現実音のみなのに、クライマックスではそれが劇的な効果を上げるように設計されている。不意打ち的に涙腺を緩ませるその使い方はちょっとあざとさを感じるものの許容範囲内だ。「エレファント」の先鋭的な手法を下敷きにしながら分かり易いテーマとドラマチックな展開を持つ本作は、娯楽性と文学性を高次元で合体した良作だ。 【皮マン】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-01-04 16:12:29) |
6.自分はもうイイトシだから、現代の青春映画を見た場合、微笑ましく見るのが普通。 「若いっていいな~、がんばれ~」みたいな。 しかし、この映画は、あっという間に自分を30年以上前の高校生に戻してしまう。 そしてセリフ一つ一つが、いちいち痛々しく感じられる。 自分が一番感情移入して見てしまったのは、バレー部補欠君と、その彼に恋心を寄せるバド部さんだったけど、それはこの映画の主題から少し外れてしまったようだ。 どうも、この映画の描くいわゆる「スクールカースト」には納得いかなかった。 だって、帰宅部と部活命は、特に男子の場合、自分から見たら、明らかに後者が上だから。 卒業後の成功率だって全然違う。 彼女がいるいないは、全くと言っていいほど関係ない。 自分はイイトシだから、経験の蓄積からこう断言するわけだけど、今の高校生だって、「部活動がこれだけ推奨されるってのは、何か意味あるな」って感じてるだろうに。 まあもっとも、自分が彼女なし運動部だったのはやっぱり関係あるかなw 高校当時は、確かに文化部を下に見ていたしね。 ただ、この映画の登場人物の個性の書き分けと物語への引きずり込み方は、もう圧倒的と言っていいほどうまい。 でも、ラストはちょっと物足りず、「あれ?なんだ、これで終わり?」って思った。 ただ、その後すぐ「まあいいか。もう一回見ればいいし。」と思った。 それって、もう充分に秀作ってこと。 【まかだ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-07-03 17:48:48) |
5.まああれですね。ぼくは完全に桐島ではありませんでした。桐島のまわりの人でもありませんでした。前田、というか前田未満ぐらいでしたね。そういう人にはグサグサグサーっと刺さりますよね、はい。もう血だらけです。桐島や桐島のまわりの人たちには「???」なのかなあ。どうなんだろう。聞いてみたい。あ、でも友達にそういうタイプいないからなぁ…… 【とと】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-03-21 01:15:05) |
4.around50のオバサンがひとりで観に行くには切なすぎたかしら? 自主映画サークルで8ミリ撮っていた人間には、けっこう苦笑いの連続。でも、あの頃抱えていたコンプレックスとプライドの両方の気持ちが、懐かしく思い出されました。そして「戦おう。僕たちは此処で生きていかなくてはならないのだから」の台詞には胸が思わずキュンキュン。そう。あの時期があるから今があるのです。生きていかなくてはならないと思い込んでいた「此処」という場所も、自意識ひとつでどうとでも変わっていくものだったりするのです。進め!若者。ところで、神木君の内股走りかなりカワイイ! 【showrio】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-09-09 12:02:48) |
3.気になる相手、想いを寄せる相手、その周囲の人間に気づかれまいと気遣いながらも、 つい瞬間的に目を注いでしまう窃視の視線。 目を背けつつも、全神経を相手に集中させ、意識し続ける身体。
そうした、乱れる内心を見せまいとするナイーヴな表情や振る舞いや言い回しが キャラクターに初々しくリアルな感覚を与えている。
見る者と見られる者・話す者と聴く者の姿が視点の変化の中で 反復によって映し込まれていくことで、 その登場人物の視線やファインダー越しの映像に倣って 彼らの想いが強く鮮明に伝わる。その仕掛けが卓越だ。
またBGMをほぼ皆無とし、環境音を効果的にドラマに活かすことで さらにこの映画なりのリアリズムが追求されている。
校舎裏のシーン、大後寿々花の背後でざわめく木々の音や、 彼女の独奏する管楽器の音色や息吹が彼女の心情を浮かび上がらせて秀逸だ。 バスケットボールの弾むリズミカルな音と、バレーボール特訓のハードな音響の対比。 クライマックスを盛り上げる、現実音としての吹奏楽の演奏。 そしてラストに遠く響いてくる野球部員の掛け声と、音が良く活きている。
群像劇としては、焦点が浅くピント送りが多々あるのがやや安易か。 そこはパンフォーカスだろうと思うショットがいくつかあった。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-08-26 08:41:41) |
2.映画を観てから数日経った。思い出したりネットで予告編を観直す度に、この映画って相当面白いと感じる。 予告編にある日本映画史に残る圧巻のグランドフィナーレではなかったが、とてもよく出来ている。 大人の社会より厳しいとも思える彼らの世界は、狭い蜘蛛の巣のようなロープの上でバランスを常にとっている、通常はやや弛みがありショックを吸収できるが、些細な、桐島が部活をやめた如きの事で、一部のロープがピンと張られ、振動が全体に伝わってしまう、緊張を緩めるものはおらず、皆が張り詰めた上に立つことになるが・・・ 神木君の演技は安定したものだが、野球部の先輩などこっちがピリッとする演出、一人自分を見つめ直す帰宅部の彼をラストに見せたのもうまい。 大作ではないが記憶に残る映画っぽい良い作品。 【カーヴ】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-08-20 10:36:32) |
1.よかった。リアルだけどリアル過ぎない、ドラマ性はあるんだけどあざとくなりすぎない、その絶妙な位置で高校生活を俯瞰したかのような描き方が素晴らしい。俳優陣も概ねよかったが、神木隆之介、前野朋哉、清水くるみ、松岡茉優あたりは“等身大の高校生”以外の何者でもなく、鳥肌物です(特にもう日本を代表する俳優になりつつある神木、まだこんな演技ができるとは...)。小説でしつこく綴られていた体育部、文化部、帰宅部の微妙なヒエラルキー、力関係。自然発生的に生まれ出るドラマの数々。それを的確に、自然に表現できていたのは俳優の演技なしにありえない。クライマックスのカタルシスも相当なものがあったのだが、これは私自身が学生時代、自主映画に悪戦苦闘した経験があるためか。神木隆之介の「食い殺せ!」には泣けた。とにかく、一見大きな筋が無いようにみせかけて“桐島”“将来”というキーワードがしっかりとクライマックスにつながってくる構成は圧巻。傑作だと思います。 【j-hitch】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-08-12 18:37:32) (良:1票) |