5.キャスト、スタッフが、世間の片隅で、お互いに優しく肩を寄せあいながら作ったような、いとおしい映画。どこまでも地味で、山場らしい山場もないのに、なんというシミジミ感。昔の山田洋次監督の作品、例えば「下町の太陽」にも似た初々しさ、生真面目さ、それに何ともいえない慎ましさと・・・・・とにかく大事にしたい映画。本当に素敵な映画です。ハッピーーエンドではなく、ハッピーエンドを予感させるラストも余韻を残します。 【ひろみつ】さん 10点(2003-10-25 00:27:53) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 古い映画ですが、「青春映画」って感じで良かったです。展開が結構速い感じで、あっという間に観終わったという印象でしたが、それだけ集中して観ていたということだと思います。それだけ観入ってしまいます。主人公と自分がかぶるところも多く、共感する部分も多かったです。ただ会ったその夜にキスをせまるのは急ぎすぎだろ、と突っ込みを入れたくなりましたが、主人公の人柄の良さからまあいいかという感じになってしまいました。登場人物のそれぞれの立場が変わっていくごとに考え方・態度が急変するところがリアルで、人事ではないなあと自分と照らし合わせている自分がいました。最後が電話を掛けるシーンでエンドというのも良かったと思います。また、2人のデートのシーンが特に良かったです。まるで自分がその場にいるくらい雰囲気がひしひしと伝わってきました。この映画おすすめです。携帯電話の電源を切って、たまには昔の雰囲気を味わいましょう的な感じです。 【金田一耕助】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-12-09 14:32:41) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 何といっても主演のアーネスト・ボーグナインの演技が素晴らしい。 冒頭の結婚できない自分を批判する声を複雑な思いでじっと聞く姿や、意を決して女性に電話するも途中から脈が無いと判り目をじっと閉じながら電話を切る姿等々、永らく女性に縁の無かった私にはとても他人事とは思えず、ここだけで目頭が熱くなってしまった。脇を固める俳優陣の演技も、派手さは無いものの実直な素晴らしいものだった。もっと早くこの映画に出会えていれば良かったと心の底からそう思える良作。只一つ、他レビュアー氏も書いておられるが、物語終幕で電話のベルを聞いてパッと華やぐクレアさんの顔が是非見たかった。 物静かな何とも言えない良い雰囲気を持つ女優さんなので余計にそう思う。このシーンがあれば文句無く10点です。 以下、蛇足:マーティに取ってのクレアの様な存在に、私も含め世の中の多くの方はめぐり合っている訳です。自然体で居られる伴侶が隣に居る事の幸せをしみじみと感じる事が出来ますね。この映画は。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-06-16 20:25:16) (良:1票) |
2.独身には身につまされるお話でした。こういった作品がその年の頂点に立ったということは、当時の世相を反映していたのでしょうか。会話中心のストーリーで、その内容にはすごく惹かれるものがありました。地味な映画でしたが、90分間釘付けです。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-11-04 18:30:21) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 ほんわり、ほかほかの愛すべき小品です。美男美女が出てきてそれだけで絵になってハッピーエンドが当たり前の銀幕の映画!が主流な中で、容姿や働く場所にコンプレックス抱いて、いつも同じ部類の友達と女の愚痴を垂れてるような男が、いつしか同じようにパーティーであぶれていた、これまた世間では結婚に行き遅れとレッテルを貼られたような女性と出会い、少しずつお互いか惹かれあう様がなんとも、シンミリさせてしまう。「俺は君といると楽だ」なんてセリフ、ああ、こういうのって誰しもが思い当たる節あるぞと!お互い、背伸びする相手と付き合っても結局は寂しくなるだけ。本当に自分が自分らしくいる相手を見つけた主人公が、ラストで素直な心を開き、彼女に電話するシーンはこっちまで嬉しくなってしまう。アーネスト・ボーグナインは純朴で飾り毛のないキャラを、そのまま演じて好感。彼と恋仲になる地味な女性を演じたべッツィ・ブレアはあのジーン・ケリーの奥さんだった方でありますが、品のある知性的な演技は、この映画のやはり「花」ですね。何10年と世の中が進んでも、世の中の人の気持ちはそんなに変わらないという事を教えてくれる良品です。 【popo】さん 9点(2004-02-28 21:25:40) (良:1票) |