6.《ネタバレ》 金持ち、貧乏、障害者、健常者。世間ではそういった要素ごとにバリア(障壁)があることが普通で、「人類みな平等」と世間では謳われているものの現実はそう言葉通りにいくわけではない。が、この二人の関係は見ていて心地良い。介護者と被介護者という関係でありながらお互いに気を使ってるようなところがなく、良くも悪くも明け透けに振る舞う。周りが聞いていてヒヤヒヤするような発言も二人の間ではストレートに届き、それを見ていた周囲も段々二人の相互理解を理解していく。そんな感じでした。
なぜこの二人はここまで「つながった」のでしょうか。それだけが最後までわからなかった。ドリスがフィリップのプライベートを垣間見たり、一緒に夜の散歩に出たり、段々と関係を積み重ねていって親密になっていったのはわかるんですが、「これ!」っていう出来事はなかったように思う。実話に基づいているということで、本当に映画で見たエピソードしかなかったのかもしれないし、実はもっと何かあったのかもしれない。車ぶっ飛ばして捕まったら「病院に急いでるんだよ!」はなんだか笑ってしまいましたが。でもあれ実際あったらたまったもんじゃないですね笑
結局フィリップが求めていたものはただ自分の世話をしていうことを聞いてくれる介護者ではなく、嫌がってるのに無理矢理文通相手と電話させたり、オーケストラを呼ぶような誕生日会でアースウィンドファイアーで踊り出すような「友人」だったんですね。ドリスの後に入った介護者の人が気の毒なくらい塩対応されてましたが、結局そういうことなんですよね。
世の中には肉体的・経済的・人間的な差が必ずあり、人と人は決して「平等」たりえないなと改めて思いましたが、人と人が「対等」になることは充分できるんじゃないか、そう思わせてくれた作品でした。 【TANTO】さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-06-14 22:17:04) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 ドリスが素敵だ。天性の爛漫さ、心根の良さ。試用期間をクリアできた訳、それはフィリップの機嫌がしごく良好に保たれたから。フィリップがドリスを気に入った訳、それはドリスが彼を憐れまないから。そして介護疲れを知らない強靭な若い肉体だったからでもありましょう。ホントに頼りがいのある見事な筋肉だ。ユーモアのセンスも合う二人、障害者ネタのジョークは観ていて冷や冷やするものもあるんだけど、二人して大きな口を開けて笑ってくれるのでほっとする。そうだ、そもそもフィリップはこういう“遠慮”を嫌っていたんだった。 教養が無くとも、ドリスの率直な感性は結構ツボを突いていて、オペラの席ではフィリップまでつられ笑いする。幸せな笑いの共有。互いの欲するものを持ち合わせて、与え合うことのできる二人はまさに最強な組み合わせ。 卵や、文通相手や家族の問題などたくさん散りばめたエピソードを綺麗に回収して、鳥目線の空撮とともになだれ込むラストシーンは美しく、胸がぎゅっとなります。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-12-18 00:06:29) (良:3票) |
4.意味不明な邦題に騙されて、危うく名作を1本見逃すところでした。 障害者と健常者の友情とか、貧富の格差を超越した信頼関係とか、胡散臭いキーワードに偏見を持ってしまって、どうせお涙頂戴の感動物語なんでしょ?なんて思ってたけど、この作品にそんな偽善的な涙はありませんでした。 ユーモアと不謹慎の境界線みたいなものがあるとしたら、もう完全に超えてしまってると思えるくらい不謹慎だけど、何故か許せてしまう。 すべてはドリスの魅力の成せる業といったところでしょうか。 正直、冒頭のシーンではこのキャラにどう感情移入すればいいのかわからなかった。 街中を暴走して、警察には嘘を吐くし、ほぼ犯罪者ですからね。 でも、実はいい人なんて展開なのかと思ったら、話を遡ってみてもやっぱり犯罪者。 卵は盗むし、マリファナは吸うし、前科もある。 ここまで酷い設定だと、黒人に対して差別的過ぎると怒られそうではあるけど、それがどうした?って気にもしないような性格のドリスが魅力的過ぎてどんどん嵌っていく。 フィリップがドリスを雇った理由とか、ふたりの関係性に心から納得できました。 オペラのシーンくらいになってくると僕の常識も少し麻痺してきて、他のお客さんに迷惑掛けてマナー違反じゃないかと思いつつ、ドリスの言動に共感させられてしまうんです。 誕生日会でドリスが踊り出したときには思わず僕も踊り出しそうになりましたよ。 あと、絵を売り付けるシーンとかも最高ですね。 世の中のありとあらゆる偏見や価値観に対して、最高の皮肉で笑い飛ばしてしまう爽快さがありますね。 【もとや】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-05-16 17:12:48) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 もう~こんな邦題つけるもんだから有料チェンネルで放送もスルーしちゃってたじゃないですかぁ、「アンタッチャブル」→「最強のふたり」・・・なんかほかになかったんですかね
とにかくフィリップという人の人柄ですね、ステキな人だと思いました、そして育ちの違いすぎるドリスとの共通点は笑いのツボでしょうか。そのドリスは建前のない人でいつも本音を語る、見せる人。なのでハラハラすることもあるけど見ていて気持ちいいんです。 オペラと真っ白な中に真っ赤がバシっと入った絵画のどこが何がそんなに価値あるのかさっぱりわからんというとこ、共感しすぎて笑ってしまいましたーで、ドリスは「こんな絵なら自分にも」てことで密かにモダンアートな?絵を描き始める、最高に楽しいです。 あらゆる面でお互いに持っていないものを補えあえるふたり。。。だから「最強のふたり」なのかな? 実話だそうですね、フィリップが著書を出版したことで映画にもなったわけで、富豪になるに相応しい才能と人格の持ち主なんですね。富豪になるより富豪を維持することは自分に厳しくないとできないと思います。 過剰な演出はなくフランスのエスプリを感じる身障者とその介護人との関係、繋がりを描いた作品でした。 この作品がきっかけなのかどうかわかりませんが、なんか最近のフランス映画の傾向が変わった気がします。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-06-23 11:22:49) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 素晴らしかった。前知識ほぼ無しで観ました。障害者の方が題材の映画とかテレビ番組は得意じゃないんです。お涙頂戴みたくなるし、本人が望んでも望まなくても。この作品は、某テレビ局の募金を募る様な物ではなくて、たまたま年齢を重ねてから出来た友人達の話。泣ける映画を期待して観ると、その期待は外れるかも知れません。ミッドナイト・ランに近い感じを得ました。現実の介護はこんな物では無いかも知れませんが、それはそれ。ある程度のリアリティを残しつつ、現実では起こり得ない(もしくは起こり難い)状況を観せてくれる。映画って、そう言う物だから面白いんだな、って改めて思いました。 【キノコ頭】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-03-16 03:23:20) (良:1票) |
1.いや~ 面白かったです、ど真ん中でした~ イイ話です~ 脚本も、演出も、一級品! すばらし~い! 予告編を観て、絶対観ようと決めてました..まさに期待通り!ブラボー! 実話が基になっているんですね~(知らなかった) 社会の底辺で暮らす、素性の悪い、黒人青年 ドリス..大富豪、でも全身麻痺で障害のある フィリップ.. この映画は、「彼は私に同情していない、そこがいい..」 この台詞が、すべてです!! フィリップを特別扱いしないドリス..このことが、どんなにフィリップの心を癒し、穏やかにしてくれるか..ドリス自信にも、ちゃんと資質が備わっていて..陽気で、ユーモアがあり..外見とは違って、根は優しく、善人..だからこそ、フィリップと信頼関係を築くにも、大して時間はかからない..いつの間にか周りの人達も、ドリスに心を開きファンになってしまう..一つ一つの出来事、色んな小ネタ、そして伏線..台詞もよく効いています..すべてが秀逸..とてもレベルの高い作品! う~ん 9.99..限りなく10点に近い、9点! ドラマ好きの方、オススメです!! 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-04-20 14:15:08) (良:1票) |