4.俳優陣の演技に関しては文句のつけどころがありません。多分、映画自体はイマイチだった、という人も俳優の演技にケチつける人はいないでしょう。それぐらい良かったです。モモのキャスティングも含め、これ以外の配役が思い浮かばないぐらい。 社会的背景は「古い」と思う部分がありますが、そこは無視するとして、映画としては「よく撮ってくれた」という感じです。無敵のヒーローヒロインが、バッタバッタと敵をなぎ倒し、怪我しても死んでもすぐ復活する映画だらけの中で。 画面の中の彼らは本当に生々しい。痛みも汗も苦しみも肌に伝わってくるようです。 これは完璧に「人間ドラマ」の映画なのです。間違っても「黄金強奪の爽快感」を求めて観てはいけません。 小説の時からですが、かなり「聖書的」な意味が含まれています。その部分からこの映画を解釈すると、またおもしろいです。 ふと、思ったのですが「深作映画」に近いかもしれません。 好き嫌いが分かれると思いますが「観て損はしない」と思います(だって、こんな贅沢なキャスティングでこんなアンチヒーローの邦画なんて、今時やってくれないよ;) 【果月】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-11-07 23:26:32) (良:3票) |
3.《ネタバレ》 これはただの犯罪映画ではない。 チームメンバーのほとんどが陰気。どう見ても、作戦が成功する気がしない。 特筆すべきは、妻夫木くんの眼の死にっぷり。孤独で、人生に価値を見いだせてはいないが、自殺することに肯定的ではない。登場人物の多くは、死に場所を探している。全てが希薄である。 「仲間」という言葉すら虚しく響く。似たもの同士なんとなくつるんで、人生をどこかに捨ててしまいたいだけなのではないか。 それに相反する浅野さんの変な明るさ、饒舌さ。嫁も子もいるのに、なぜ危険を犯すのか。ロマンを追い求めたがるただのバカにも見える。桐谷演ずる野田も奥行きがないキャラクターではある。この二人こそがラストああなるのは、必然だったのか。 あっさりと命を落としていく彼らに、何を思えばいいのだろう。 彼らの死を誰が本当に悲しむのだろうか。本作を見た帰路で、何だかとても悲しくなって、ちょっぴり死にたい気持ちになってしまった。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-12-08 17:13:30) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 至極真っ当なクライムムービーでした。しかしこの真っ当な映画を作るのが如何に難しいか。こういう映画はサスペンス、スリルのテンポが命。ダラダラ登場人物の紹介をしたり、計画実行までの準備が長すぎたりすると、観ていて飽きが来てしまうものですが、この映画はそこのテンポが抜群に良かったと思います。主要登場人物を多すぎない6人に絞り込み、それぞれの金塊強奪計画の役割、それに付随する職業・性格・出自を的確に描写しています。その様にセットアップが見事だからその後のキャラクターの掘り下げも観ていてとても納得というか話の展開に整合性があります。こういう背景をしっかり描写できない映画が現在如何に多いか良く分かりますね。その後の展開も、主人公たちの邪魔をする奴らは、街のゴロツキ(ヤクザ?)、左翼運動家、北朝鮮のダブルスパイとバラエティに富んでいるのですが、その複雑さを実に綺麗に回収していきます(実は繋がっていてまとめてやっつけたりしますが)。しかし個々の要素が適当に片付けられているかと言うとそうではなく、奴らの襲撃によって確実に主人公たちは消耗し計画に綻びが生じてくる。このあたりの展開の仕方も実に見事だったかと。近年の日本映画の本格的なクライムムービーとしては非常に水準の高い作品だったと思いますし、文句なくオススメ作品ですね。 それから役者がとにかく輝いていて、個人的に最高だったのは桐谷健太さん演じるサラリーマンの野田でした。他のメンツが全員プロなのに対し、いたる所でビビリまくる演技が最高に面白かったです。普段ヤンキーの役が多いこともあってか本作の役柄とのギャップがツボでした。やや残念だったのは真っ当に作りすぎた故なのか、ぶっちゃけ展開が容易に想像できる場面が多々あったことです。産婦人科から出てきて「2人目できたのよ」なんて言っている時点で死亡フラグがビンビンなのに、その上無防備に交差点渡るシーンを撮ったりしたらいかんですよ。あのシーンで母子が無事に横断歩道を渡れると想像した人がいるんでしょうか? 【民朗】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-11-08 19:52:05) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 俳優さんたちが役に入り込んで丹念に演技していました。 渋い。 男達の生き様に目が離せませんでした。
まず浅野忠信さんのトラック運転手が凄い。 ズボンのはき方や猫背でがに股で歩くとことか、しゃべると大声でうるさいなど。 あ~こんな運転手さんいるいる!と私にはツボでした。 妻夫木聡さんもさすがの演技。 静かだけど実行力はピカいちの役どころにぴったりでした。 桐谷健太さんのビビる演技には大笑い。 あのシーンもこの場面も面白かったなぁ。 西田敏行さんのお陰で、作品がびしっと締まりました。 そして東方神起のチャンミンさんの可愛いこと。 オバサンの私はすっかりとりこに(笑)
北朝鮮の事とか敵のヤクザの事とか、実は良く分からなかったことも多いのですが。 それでも充分楽しめました。 秀作。 【たんぽぽ】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-11-06 21:42:23) (良:1票) |