6.《ネタバレ》 原作を読んでから鑑賞。色々端折ってたのが気になったが、あれだけのボリュームの原作を2時間にまとめるのだから何処か削らなければならないのは致し方ない。だが敢えて不満を言うなら原作読んでない人にはわけわからんであろうアメリカパートを入れるより、もうちょいハスミンと女生徒との恋愛シーンをじっくり描いて欲しかったなぁと。屋上でハスミンが遂に女生徒を殺さなければならないというこの映画屈指の名場面となるはずの所があまりにあっさりしていて、全然感情移入する暇もなく終わってしまうので物足りないのである。原作ではあのハスミンが殺すのを躊躇うほどの葛藤があったというのに映画では全く感じられず、むしろ体育教師ともやっちゃってるというアバズレ設定まで付いている始末。そしてこの映画最大の謎は、何故ハスミンが生徒全員を殺さなければならなくなったかという動機が微妙になっている点だろう。1番原作で変えてはならない所を変えてしまったと思う。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-11-12 22:52:59) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 小説も、マンガも、何度も既読です。原作の貴志祐介さんは好きな作家であるし、そしてこの『悪の教典』も何度読んでも面白いストーリーです。今となっては有名なストーリーなのでサプライズも何もありませんが、これが世に出た当初のセンセーショナルさと言ったらすごかった。人当たりも何もかも完璧な英語教師の裏の顔。。。生徒を把握するための手段や優しさ、器を持っていて、それでいて欲望に対しては突き抜けていて欲しいものは必ず手にしようとする貪欲さ・狡猾さ。どの方面にも突出しているが故に通常の枠には収まらない、そんなクレイジー教師をまざまざと見せつけられました。クレイジーですが魅力的。蓮見聖司というキャラクターが刻まれて瞬間です。
と原作を激賞したくなるのですが、映画のほうは、やはり映画あるあると言うか、その枠で収めようとして色々カットしてしまっていたり、奇抜な演出になってしまっていたりと言うところが原作からの目線だとどうしても気になります。なぜか柴原が山田孝之さんでなんだか格好良くなっていたり、修学旅行のくだりがまるっとなくなっていたりしたところも残念でしたね。クラス40人の生徒のそれぞれの特徴やキャラクターも際立つようにしてほしかった。結局最後、誰が誰だかわからんような殺し方で終わったのはやはり『悪の教典』としては致命傷かな。生徒一人ひとりに個性など顔が見えるつくりだったから面白かったのに、あんなふうに「その他大勢」感で大量殺戮してしまったらこの作品の良いところをスポイルしてしまっている、と感じました。残念。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 6点(2022-12-17 00:41:45) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 「あかん。証拠隠滅できん。よし皆殺しにしよう」というやべぇ発想をする奴の話ですが
各生徒の掘り下げが完全に完了した 金八先生の卒業でこれやったら どえらい事になるなぁってなんか妄想しながら見てました。
後半は緊迫感やら痛快さは前半とは だいぶ違う雰囲気になるのですが
映画というよりFPS的なゲームを見ているような感覚になりました。
良かったのは、 今や色んなドラマでメインクラスの俳優陣が出ているので 生徒の印象がすぐ頭に入る事でした。
微妙なのは 先生のアメリカの話は削ったほうがテンポ的に良かった気がしますね。
ってことで6点で
そういえばバイオハザードではちょっと離れると全然効き目がないショットガンも 実際ではかなり離れても結構な殺傷能力らしいです。 【シネマレビュー管理人】さん [インターネット(邦画)] 6点(2019-03-12 14:10:25) (笑:1票) |
3.《ネタバレ》 学校での殺戮は「バトルロワイヤル」を彷彿させるが、こちらはサイコパスによる犯行。こういうのはそのサイコパスっぷりで作品のインパクトが決まる。 生徒に人気の高校英語教師は、子供の頃から共感する能力に欠け犯罪を重ねていた――このサイコパス像は、予想から外れることはなかった。 それに、犯行も大胆といえば聞こえはいいがずさんな面もあるので、これでずっと捕まらなかったというのは説得力がない。電車の中での殺害が誰にも見つからず、ホームの監視カメラにも映っていない。その上、殴った跡が残ってるはずなのに自殺と処理されるとか、リアリティもクソもない。 最後は犯行を隠すための破れかぶれのような大量殺人。男子生徒との同性愛教師の無理心中偽装工作は「あまりにも乱暴なストーリーかな?」と犯人のセリフ通りの無茶苦茶ぶり。最後はお決まりの精神病による責任能力回避を臭わせて終わり。サスペンス性はあるので最後まで引っ張られるが、最後の殺戮シーンがやたら長い。 原作を読んでいないので幻想的なシーンでの外国人とのくだりがよくわからなかった。どうやらアメリカ時代の回想だったようで、詳細は伝わらなかったが殺人を重ねていたことだけはわかった。 明るい音楽で残虐なストーリー展開は、園子温作品に通じるところもある。 穴だらけのストーリーなので矛盾点を気に掛けるよりも、三池監督流のバイオレンスを楽しめばいい映画か。確かに、たまにこうしたバイオレンスやサイコホラーものが観たくなる。 役者は先生も生徒もそれぞれハマってた。生徒では二階堂ふみより水野絵梨奈が印象に残ったが、E-girlsにいたとは。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-06-05 01:43:52) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 これの文庫本のあとがきを三池監督が書いてるんだけど、そこでハスミンのさらなる活躍を見たいと続編を要望している。で、この映画の最後に「to be continued」って。これも貴志祐介へのメッセージなんだろうな。おもろいなあ。さて、映画。最初、ハスミンを伊藤英明ってどうよ、と思ってたんだけど納得。傍目には良い先生であることのエピソードをいちいち描かなくてもこれまで善良な役しか演ってないというこちらの固定概念も含めて「顔」ひとつで表現しちゃってる。エクセレント!原作から何人かの登場人物、いくつかのエピソードをバッサリ切り捨てているのも潔い。要は生徒を殺しまくるクライマックスさえ見せればよい、そこにいくまでの最低限の辻褄さえ合えばよい、そんな感じ。ニューヨーク時代を夢で回想するシーンが全く要らないのだけど、ここは既に売られている「悪の教典 序章」DVDへと誘うために必要なシーンなのでしょう。ある程度商売に徹した作品なのは三池のわりにはえぐくない殺しのシーンを見ても解かる。それでも残酷なシーンになればなるほど活き活きとしているのは三池ならでは。もう端折って端折って実に小気味良い。何故皆殺しなのか。原作では心の声が説明するのだが映画では生徒が尋ねても何も語らずただ淡々と殺しまくる。そしてそのときのハスミンはどこかセクシー。三池のハスミンへの偏愛を感じた。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-11-12 14:28:14) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 前半は、三池監督独特のホラー演出が冴えわたり、緊張感が持続する好編。主人公の周りで次々人が消えてゆく恐怖が堪能できる。改めて伝説の「オーディション」の監督だったということが思い起こされた。しかし後半、殺戮展開になってからは、ただでさえシンプルな原作をさらに簡略化したことで、完全に13日の金曜日と同等のホラーになってしまった。誰一人として殺人鬼に歯が立たないのでは、さすがに盛り上がらない。全く目に光を宿していない伊藤英明の怪演は語り継がれるだろうが、傑作になる可能性を自ら放棄してしまった感が残る。 【j-hitch】さん [試写会(邦画)] 6点(2012-11-02 11:46:36) (良:1票) |