《改行表示》 9.《ネタバレ》 もともとアメリカ映画というのはこういうものです。例によってボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーを骨格に、今回はベースボール(野球に非ず)と父娘関係、「老い」をスパイスとして作り上げられてます。ジジイの戯言、毒づきがまんべんなく振りかけられてて至るところで笑わせてもらいました。たぶん「マネーボール」へ痛烈な皮肉を浴びせたいという思いが、製作の原動力だろうね。冒頭の「馬の夢」がガスのトラウマとして見事語られるし、ミッキーが弁護士になり寸暇を惜しんで経営陣入りを狙ってる理由もちゃんと腑に落ちるし、色んな伏線が細かく回収されてるし、ウェルメイドな作品だと思います。このウェルメイドってのが最近はありそうでなかったのよね~。「がんばれベアーズ」とかさ。原題の“Trouble with the Curve” が色々な箇所(たとえば事故)、そしてオチを言い表してるんだけど、そのまま「トラブル・ウィズ・カーブ」じゃ意味わかんないだろうし、そこから邦題つけてもねってことで、台詞の中にある「人生の特等席」というタイトルになったんだろうけど惜しいっ!!! “You're My Sunshine”がうまく使われてて好感を持ちました。墓の前でガスが歌い、ミッキーがジョニーに歌って聴かせ、BGMとしてカーリー・サイモン、エンドロールでレイ・チャールズと4回も登場。ただ、テストシーンでストレートの1球目は空振りでいいけれど、2, 3球目もってのはやり過ぎ。ストレートには強いってことになってるんだから、木製バットになったということでシングルヒット程度の当たりにすべきでしたね。それと残念なのは字幕。ストライクゾーンの端っこを表す「コーナー」が「角」って表記されたのにはガックリ。野球に馴染みない人がやったのかね? 【shintax】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-11-24 19:05:28) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 親戚に預けられたり、寄宿学校に入れられ父親から連絡を一方的に絶たれる事で、自分の家族においての存在意義を失っていた娘。そして、不器用でありながらも娘を思うあまり自分から遠ざけてしまった頑固親父。この二人がすれ違いながらも、野球を通して絆を取戻してく様は見ていて心地よかったです。少なくとも野球は物語に対してのスパイスにしか過ぎないと感じました。それでも上手に絡めていたと思います笑 決して押し付けがましくない親子の絆を描いた作品としては、大変わかりやすく良作ではないでしょうか。そして、爽やかな感動を与えてくれるラストは素敵だなと、私は純粋にそう感じました。 【honeydew】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-11-23 22:50:50) (良:2票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 老いたイーストウッドの雰囲気は代えが効かない。それだけで点数を増やしてしまいそうになるが…。 オーソドックスだが分かりやすい展開は別にかまわない。だが終盤の解決はいろいろ急ぎ足過ぎないか。ピーナッツ売りが袋を指名候補に放り投げた時から「何かあるな」と感じたが終盤都合よくダイヤモンドの原石として現れるのは上手いとは言い難い。怒って去っていったジョニーがラストなんとなく戻ってくるのも腑に落ちない。わだかまりが解消する場面でも父親は過去の出来事を娘は心情をすべて台詞で説明するのもセンスを感じない。「父に捨てられたと思って心を閉ざした人間になった」なんて自分で説明するのはやめてほしい。だいたいわだかまりはあれで解消したのか?何かもやもやする。 娘がダイヤモンドを周る姿を見て思わず微笑んでしまう父親。野球を通していると距離が縮まっていくような感じは良かった。 【⑨】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-01-13 21:50:15) (良:1票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 名優イコール名監督とはなかなか、ならないもんです。しかし、クリントイーストウッドと言う人はその、なかなかならざる者の一人です。 そんな名監督が今回は後輩のメガホンで主演男優で参加したのがこの映画です。「人生の特等席」この邦題ですが、原題が「Trouble with the Curve」「カーブが起こすもめごと」(英語力が無いから、違ったら訂正を.....)という感じなので映画と同じに安直になってしまったかなと言う感じですね。物語は年老いたメジャーの名スカウトが寄る年波、わだかまりがある愛娘との関係、と問題を抱えそれを乗り越える過程で愛する娘と解りあえていくというストーリーです。つまり、アメリカ映画の王道のような作品でした。また、少し前に公開されたブラピの「マネーボール」と言う映画がありました。この映画には弱小球団をデーター、つまりコンピューティングで変革するストーリーでした。が「まだまだ、コンピューターだけじゃなく、人の五感を大切にしなくちゃ」と痛烈な批判を示しているようでした。 予告編の冒頭で奥さんの墓参りのシーンがありますが、本編でガスは妻の墓に向かって「お前は俺の太陽だ!私だけの太陽だ!」と、語りかけます。最初はまじめに「しんみりしていいな」と思ったんですが、なんのこたーないユーアーマイサンシャインの歌詞を言っているだけだったんです。でも、あとでかかるカーリーサイモンの歌と共にこの作品の中で一番好きなシーンでした。 ストーリーは単純。伏線はバレバレ!解決は安直まっとう。でも、人の心を動かせる力は名優のなせる技でしょうか? あなたも、いかがですか?「メイド・イン・アメリカ」は.......... 【としべい】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-02-18 10:14:17) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 「グラン・トリノ」での俳優引退宣言から一転、クリント・イーストウッドが主演するのは頑固で娘と疎遠になったメジャーリーガー老練目利き。そのドラマに見入ったけど娘と若手スカウトマンの恋愛要素が強く、終盤で一気に全てが好転する唐突な展開に拍子抜けしました。娘役のエイミー・アダムスはホームラン打って大車輪、マスクかぶって豪速球をキャッチング、マウンドに詰め寄りテスト投手を励ますなどちょっとやりすぎですね。素材がいいだけにもったいない作品になってしまっています。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-12-05 00:33:12) (笑:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 本当は上手くやっていきたい。しかし我が子との向き合い方に悩み続けてきた少々偏屈な頑固オヤジ。イーストウッドが俳優として一旦区切りを付けた傑作「グラン・トリノ」を思い出した。 俳優としての復帰作は、長年自身の元で働いてきてくれた愛弟子の監督デビュー作。ロバート・ロレンツにとっても師匠イーストウッドはやっぱり頑固オヤジだったのでしょうか。 ブレーブスの老スカウト、イーストウッド。一方敏腕弁護士の娘、エイミー・アダムス。共にそれぞれの職場で微妙なチームの一員に自身の居場所を脅かされている。父と娘のドラマと、それぞれの仕事が同時進行で進んでいき、最後はそれぞれの微妙なチームの一員がミスを犯し、父と娘の関係も修復への道を歩み出す。個人的には安心して見ていられる、こういうドラマは好きです。 最終盤で、序盤に登場したピーナッツ売りの若者や、スランプに陥った自身がスカウトした若手選手のその後を出すあたりは、忘れかけていた序盤のちょっとした登場人物を上手く活かしていたと思います。 引退を考え始めるイーストウッド演じる老スカウト。しかしラストでチームは契約延長を申し出る。これは「クリント、引退なんてまだまだ先だよ。」そんなロバート・ロレンツからのイーストウッドへのメッセージであるようにも思えました。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-11-30 23:12:29) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 私は監督クリント・イーストウッドより俳優としてのクリント・イーストウッドが好きだ。そんな俳優としてのクリント・イーストウッドの頑固親父ぶりが良い。例え視力が低下しようが球の音だけで全てを察知し、速球には強いけど変化球カーブをまるで打てないという男がドラフト会議で1位指名されるのを反対する姿にはどんなに老いても選手の力を見抜く事に関しては誰にも負けない自信、その姿がこの映画を面白くしているし、そんな父親の姿を見てきたからこそ自分も父親と同じく自信を持って仕事をする娘、この親子にとっての人生はそれこそ二人だけの特等席であるのではないだろうか。映画全体に漂う良きハリウッド映画ぽさ、アメリカ人が野球を本当に愛してるんだなと解る野球シーン、応援する人達の姿には好きなことを好きなだけ楽しもうではないか!と我々日本人もこの映画に出てくる人達の姿を見て何かを感じるべきではないかと教えられてる気がした。野球、親子のドラマとアメリカが最も得意とするジャンルの映画です。 【青観】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-11-26 22:06:44) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 俳優としては壮絶な幕引きをした『グラントリノ(2008年)』以来ですが、弟子の門出を飾るには良かったのかな。現在進行形のイーストウッドの姿に感慨に浸る方も多いでしょうね。 さすが長年接してきた弟子だけあって、監督兼主演で多くの傑作を生み出してきたイーストウッドの匂いと70~80年代のアメリカ作のような良い雰囲気を感じさせ安心して観られる内容。でも脚本が弱く地味でベタすぎて退屈でもあるな。その疎遠になった発端というのもわざわざソレにするか?という事件でゲンナリだし、いいメンツなのにもどかしさを受ける。 スゴイ球を投げるこれは目っけモンな投手も、あんな小さな子を相手に投げ込みじゃミットの中にクッション材を詰め込んでたとしても説得力に欠けるし滑稽に見えるけどね。アレは年季の入った元球児のオッちゃん辺りが良かった。 自分流のやり方を貫く体中ガタがきている人情型の頑固おやじと、有能な弁護士ながら仕事と結婚のどちらを優先するかの決断を迫られる娘。それぞれが抱える問題、両者間の問題も解決まで歯切れが悪い上にすべてが急激に丸く収まる終盤はヤリすぎ感があったかな。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 5点(2012-11-26 22:05:03) (良:1票) |
1.クリント・イーストウッド主演ということで「おっ!!」とみんななるところだけど、実際観てみると意外とあっけらかんとしている。なんというか、浅い。(さらに邦題も原題も共にパッとしない。)別にそれが悪いなんてことはないけど復帰作だと期待していた分、肩すかしを食らわされた気分になる。監督さんと長年の仲だから今回初監督である本作品に出たんだろうなーと予測もできる。でも似た話のものなら『マネーボール』の方が面白いし、クリントイーストウッドの出演映画であれば『グラン・トリノ』の方が意義があるように思える。それでも楽しい映画ではあるから、復帰作だとか世に宣伝されていることに期待しないで見に行った方が楽しめたかもしれない。 【たいがー】さん [映画館(字幕)] 4点(2012-11-05 02:56:05) (良:1票) |