7.《ネタバレ》 心地良い余韻の残る作品。長編にも関わらずもう少し観ていたいと思った。主人公はもちろん他のキャラクターも魅力的で、特にタクシーの中の祥子の表情は印象的だった。もう連絡先も分からないような友人を思い出させてくれるような作品だ。 【ラグ】さん [DVD(邦画)] 10点(2013-12-19 21:42:31) (良:1票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 公開から3ヶ月を経て地元での上映が始まり観る機会を得ました。不思議な映画でした。際立った事件が起こらないのに2時間40分を退屈しない。これは凄いことだなと思いました。青春映画としてのディティール描写に共感する部分が多いからだと思います。私は劇中と年代が近いこともあって、懐かしさも加味してもらいました。 世之助は目立つことをやる訳じゃないからフツーの人に見えます。彼が実在したら、自分が映画になるなんて夢にも思わないでしょう。でも、実はやっぱり相当に変わっています。ゲイが集まる夜の公園で友人から性癖をカミングアウトされても全く動じない。この一件が最も象徴的でした。「空気が読めない」と云うよりは、許容範囲が広いのだと思います。別に悪事や犯罪を赦す訳ではなく、他者の個性を受け入れる度量の話です。だから周囲は接しやすい。ハードルなんてありません。でも、恋愛対象としては物足りない奴です。危険な匂いが無さ過ぎる。やはりちょっと変人の祥子ちゃんが、その個性に魅かれていたと思えることが分かり易く微笑ましかったです。ちなみに、この組み合わせって「蛇にピアス」と同じなんだよね。 「知り合いだったことが得した気分になる奴」。彼を回想する友人の台詞ですが、この映画が観られたこともかなり得した気分です。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-05-31 02:30:51) (良:1票) |
《改行表示》 5.ふわふわしてて掴み所がないけど、どこか居心地が良い。そんな映画。 高良君の無邪気なキャラクターや、現実感のない吉高ちゃんのお嬢様キャラが作り出す優しい雰囲気を堪能すべし。ストーリーは、あってないようなものだけど、こんなに長くても不思議と退屈はしない。沖田監督共通のところなのだが、会話の間が、なんとも言えないおかしみを生んでいる。 人にどう伝えればいいかわからない映画だが、興味があれば、是非体験してほしい。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-04-29 12:53:15) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 昨日観てまだ余韻を引き摺っております。大げさなようですが、世之介と祥子は僕の記憶の中で実在してしまったようです。彼らと知り合えて本当に良かった・・・・、 という様な気分になってしまう映画です。 【leo】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-04-08 18:56:17) (良:1票) |
3.「レ・ミゼラブル」「ゼロ・ダーク・サーティ」「ジャンゴ」と長尺映画が多数公開されている昨今だが、この作品が圧倒的に面白かった。“なんかいいヤツ”という、大変表現に苦労するであろう主人公の人物像を見事に描き切ったのは、監督の力をおいて他にない。これだけの長時間の物語でありながら、まだ見ていたいと思わせる凄さ。吉高も現時点で最高のはまり役だったのでは? ヨノスケサーン 【j-hitch】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-21 18:49:28) (良:1票) |
《改行表示》 2.こんな伊藤歩さんはイヤだ。 化粧塗りたくって唇まで真っ赤な伊藤歩さん。 (真っ赤な口紅はダメだって。あの素敵でキュートなかわいらしいアヒル口が台無しだ。) こんな黒川芽以はイヤだ。 痩せ細ってすっかり地味な大人の身体になってしまった黒川芽以。 いつ出て来てたのやら最初気付かなかった。あのぽっちゃり感ってどこ行った?痩せちゃダメだよ君の場合は。なんだか悲しくなってしまったんですってば。 こんな横道世之介さんはイヤだ。 ・・・・・・ って無い。イヤなところが一個もなかった 素敵な青年。横道さん家の世の之介さん。 そんな世之介さんったら世之介さんっ。 飢えてない 尖ってない せかせかしていない その上、人に親切 人に緊張感を与えない 人に一切の害を与えない。 そうね まったり行こーよ 憎めない青年 世之介さん。 お名前、世之道横介さんだったならもっとおかしかったのに。 沖田修一さんが撮った横道世之介 高良健吾が演ずる横道世之介さん 共に良かった。 終始ニヤけさせてもらって不思議で楽しく大変心地の良い時間を過ごさせていただいた。 【3737】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-03-20 20:46:25) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 このところ『ジャンゴ』『フライト』『世界にひとつのプレイブック』『バチェロレッテ』と立て続けに「激しく極端な性格付けをする事で人間性を際立たせる映画」を見てきたところに、その正反対に位置するかのようなこの映画を見られてホッとひと息つけたような感じです。 世之介は彼なりの個性を持ってはいるけれども、人と違う特別な能力がある訳でも、何かが極端に秀でている訳でもなく、それでも彼と触れた人達がなんとなく幸せな気持ちになって。それは映画を見ているこちらまで巻き込んで。 冒頭からしばらく、世之介という人物を疑って見つめ、彼のちょっとイタい感じになんだか恥ずかしさを覚えたりします。だけど、彼の暮らす日々に寄り添ってゆくうちに「あ、こいつなんかいいヤツじゃん」って。人が世之介によって得られた幸せ、世之介が感じた幸せ、それをこちらも共有するような感覚に包まれて。 そして、だからこそ、それが過ぎ去った、戻らない日々であるという痛みが切なくて。 過去のシーンはちょっとノスタルジックに退色させ過ぎな感じもあります。80年代の半ば以降と言ったら、私の中にあるイメージはピカピカキラキラしたした世界、ほら、クルマだってカクカクした直線からオシャレな流線型へと変化した時代でしたし(映画には古臭いクルマばかり登場していましたが、実際はあの時代のクルマが最もオシャレだったと思います)。 でも、そうやって過去色に染めてあるからこそ、過ぎ去りし日々と16年後のシーンとの間に流れた時の長さ、重さを感じる事もできるのであろうとは思います。 俳優の個性をきっちりと捉えた160分、その長さが全く苦痛になる事なく、もっとずっと世之介とその周囲の人々に寄り添っていたいと思う、映画が終わってしまうのが残念な気持ちになってしまう稀有なひとときを過ごせました。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-03-15 14:53:02) (良:1票) |