10.クライマックス直前、マクレーンと息子・ジャックが討ち入りの手筈を話し合う場面。作戦を聞いてくる息子に対して、「作戦はない。ただ撃ちまくるだけだ!」と得意気に返すマクレーン…『ダイ・ハード』ってそんな映画でしたっけ? 当初は『コマンドー2』として企画された『ダイ・ハード』第一作ですが、シュワルツェネッガーから出演を拒否されたためにリチャード・ギアが主演することを想定して脚本が書き換えられ、そのギアからも断られたためにテレビのコメディ俳優だったブルース・ウィリスに白羽の矢が立てられたという経緯があります。主演俳優が変更される中でマクレーンのキャラにも修正が加えられていき、その末に出来上がったのはステロイド漬けの80年代アクションヒーローとは程遠い、若ハゲでおっさん体型の等身大ヒーローでした。テロリストとの勝負となれば、1対1の格闘であっても劣勢に立たされる程度の戦闘力であり、おまけに敵を殺傷することには消極的で、撃つのをためらったために窮地に陥ることも何度かありました。彼は正面切って敵と戦うのではなく、緻密に練り上げられたテロリストのスケジュールに干渉し、その戦力を徐々に切り崩していくという戦い方をします。十分な装備がなく、状況も把握できていない段階では物陰に身を潜めておく、戦闘を開始した後にも、複数人の敵に囲まれて戦況が不利になればとりあえず走って逃げる、こうした現実的な戦い方が『ダイ・ハード』の魅力だったと記憶しています。。。 一方最新作である『ラスト・デイ』ですが、マクレーンは襲いかかってくる数十人の敵特殊部隊を冗談言いながら撃破し、武装ヘリからの攻撃を受けても傷つかない、さらには、チェルノブイリの核施設に普段着で乗り込むほどの超人と化しています。もはや『コマンドー』のジョン・マトリックス大佐をも越える程の戦闘力を誇っており、「マクレーンは敵に殺されてしまうのでは?」という緊張感は皆無となっています。見せ場はインフレ状態であり、アクションが派手になればなる程、映画から緊張感が失われていくという負のスパイラルに陥っています。ビジュアル派のジョン・ムーアが監督しているだけに視覚的な迫力はあるのですが、活劇としての面白みがまったくないために、味付けのなされていないステーキを大量に食わされているような感覚に陥ります。このシリーズも、いよいよお終いの時が来たように見受けます。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 4点(2013-02-17 00:24:57) (良:4票) |
9.劇場公開時、足を運ぶか否か迷った。“当たり屋”覚悟で劇場鑑賞しても良かったかもしれないが、やっぱり行かない方が良かったろうと思う。劇場でこの映画を観たなら、より一層の「憤慨」は避けられなかっただろう。
“ロートル”役が板について久しいブルース・ウィリスの“ただの”最新作なのであれば、苦言は大いにあろうが、憤慨するまでには至らないだろう。 馬鹿みたいに派手なアクションシーン自体はそれなりに見応えはあるし、昔腕を鳴らした老主人公が、スパイの息子をフォローしてアクションを繰り広げる展開は、目新しさこそないが基本的な娯楽性は備わっていたと思う。 ただしだ。それはこれが「ダイ・ハード」でなければという話だ。
第一作目の公開から25年の長き月日が経っていようが、端からおっさんだった主人公が完全な老人になっていようが、禿げ上げていようが、この映画に「ダイ・ハード」という冠を付け、客を集めている以上、ただの酷評では留まらない憤慨は避けられないというもの。
まあ何が悪いと聞かれても、「全部悪い」としか言いようがないのだけれど、敢えて一つ絞るならば、アクション映画の大傑作である一作目「ダイ・ハード」に対しての敬愛がまるで無いということだろうか。 一作目程の完成度など求められるわけもなく、それを越えることなど端から望んではない。 ただせめて、シリーズの主人公であるジョン・マクレーンという男の基本的なキャラクター性とか、過去作を踏まえたストーリーテリングとか、この映画がシリーズ作の一つであるということの最低限の「認識」くらいは持たせてほしかったと思う。
ま、この映画の場合、そういうシリーズへの愛着に伴う非難以前に、チェルノブイリでの安直なクライマックスシーンと、見識を疑う“中和ガス”が登場した時点で、完全アウトだけれど……。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 1点(2013-10-30 23:31:15) (良:3票) |
8.お金の掛かった派手なアクションシーンがもったいない気がしました。シリーズ1作目のファンには、あの頃の緊迫感がちっとも感じられない残念な映画でしょう。絶対絶命のピンチを何とか切り抜け悪に打ち勝つあの緊迫感がこのシリーズの肝なのに。随分簡単に終わった気がしましたが、実際時間も短かったのね。 【ぽじっこ】さん [ブルーレイ(吹替)] 6点(2013-08-14 11:54:28) (良:2票) |
7.酷評につぐ酷評で、シリーズ最低作の烙印をも押されてしまった気の毒な作品だが、本当に、そんなに酷い出来なのだろうか。存分に楽しめたという点では、私などは少数派だが、冒頭からクライマックスに至るまで、昨今、これほどダイナミックでスピード感溢れるアクション映画を他に知らない。些かもダレることなく、切れ味鋭くストレートな印象を魅せているのも、余計なドラマを極力廃し、アクションに徹する事で、上映時間を最小限に抑えているからなのだろう。この設定と内容なら、極めて妥当であり、過去の優れたアクション映画と呼べるモノは、すべからく上映時間は1時間半程度であり、そういう意味において、本作は、まさにアクション映画の王道なのだ。随所に、“偉大なる第一作”にオマージュを感じさせてはいるが、むしろ、これらは、“プチ・リメイク”と言えるもので、ご愛嬌として楽しめる。それと言うのも、監督に“リメイクの帝王”J・ムーアを迎えた事から、製作者側の狙いが読み取れ、彼もまたそれに見事に応えたのである。難を言えば、父と息子が殴り込みをかける戦場に、チェルノブイリを設定した事。アイデアは面白いんだけど、これはちょっと無茶だったかも。ただ、無茶は、このシリーズの大きな特徴で、ジャンプしたパトカーでヘリを墜落させたり、ライターの火で旅客機を空中爆発させるという、物理の法則を無視したり、高速道路で戦闘機がミサイルをぶっ放したりと、過去の事例を言い出したらキリが無いほど。だが、本当に問題なのは、テロ集団の襲撃に巻き込まれ、孤立無援の高層ビルの中、戦いを余儀なくされていく若き日のマクレーンから、冒頭の射撃の的に風穴を開けた時から、既に戦闘モードになっている、本作の彼の姿の変貌ぶりだろう。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-04-06 15:17:47) (良:2票) |
6.色々壊しましたね。車も建物もストーリーも・・ 【東京ロッキー】さん [ビデオ(吹替)] 5点(2015-02-08 14:17:55) (笑:1票) |
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5.あ~「ターミネーター3」を思い出しちゃった。人気作の続編だから予算は十分にあるんだけど、製作者に熱意が無いっていうか…。やりたい事もないからとりあえず派手にカーアクションをやってみたけど、あんまり面白くないよな~って感じが「T3」に似てる。ジョン・マクレーンについても「こんなキャラだったかな?」という違和感がすごい。それでも「ダイ・ハード」ブランドに負けて最後まで付き合った訳だけど、後半盛り返すどころかむしろ酷くなっていった印象。チェルノブイリパートは眠かった。シリーズ最低作。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-01-21 18:01:40) (良:1票) |
4.取り扱っているテーマは意外とトンでもないのに、なぜだろう、ものすごく小ぶりな仕上がりになってしまっている。スケールのでかさを感じないんですよね。そこが非常に残念。それからこのシリーズ特有の、機転をきかせて窮地を乗り切る、があまりないのも、味気ない要因の一つ。ただマクレーン親子の設定だけは絶妙で、もう何作か見てみたくはなりました。ま、たぶん作らないとは思いますけど。 |
3.冒頭のカーチェイス。カーチェイスを撮ればその監督の力量がよくわかる。それぞれの人物の位置関係がまずわからないし、そのわりにアングルは引きが多く、見ていて全くハラハラできない。 カーチェイスというのは「ぶつかるー」とか「うわ、ギリギリ!」とか歓声を上げてのけぞったりするように作らなくてはならないのに、そういう技量が全くなく退屈そのもの。こりゃダメだと思っていると結局最後までこの調子だった。 時々すごい引き(または引きからのズームアップ)が出てくるんだけどあれは何ですかね?編集マンがヘタなのかもしれないけど寄りと引きの関係がよくわからないから気持ちも引いてしまうんですよね。この監督には才能がないと思います。 【とと】さん [DVD(字幕)] 2点(2013-07-14 05:27:39) (良:1票) |
2.1作目の完成度をこの「ラストデイ」に期待すると、肩すかしであることは間違いありません。 本作はドンパチやってるアクションしかないと言っても過言ではないのです。 一応ドラマもあります。 本作で焦点があたっているのは、主人公の息子である「ジャック」のキャラクターです。 描かれているのは親子の確執・そして絆。 仕事ばかりだった父と、父を嫌っていた息子の描写は普遍的なものなので、多くの方に受け入れられるでしょう。 しかしそんな要素は添え物にすぎず、あとはアクションぶっ続け。 本作の上映時間はシリーズ最短の100分足らず。 しかもアクションシーンがその7割を占めるというバブリーな構成なので、それを期待するなら大いに楽しめると思います。 さらにマクレーン親子は作中で言われているように「不死身」に思える無敵さなため、あんまりハラハラしませんwそこは弱点でしょう。 でもこれでいいんじゃないでしょうか。 小難しいドラマや会話シーンは最小限で、あとは大いにアクションで楽しんでもらうサービス精神は大好きです。 しかもけっこう意外な展開も待ち受けています。これも安っぽいと言えば安っぽいんだけどね。 シリーズおなじみの知略だとか、情報戦略だとか、現地の警察と協力するだとかの展開はありません。 こんな行き当たりばったりなゴリ押し映画を「ダイ・ハード」と呼んでいいのかどうかは激しく疑問ですが、「バトルシップ」などのバカ映画が大好きであればおいしくいただけると思いますよ。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-02-17 15:05:16) (良:1票) |
1.まぁダイハードと語るには惨憺たる作品だったワケでそっちは置いといて・・・ (あくまでロケ地が本当にロシア国内と仮定したうえで) ロシアの街並みの近代的な外観や走ってる車を含めた道路のインフラ等 欧米と比べても遜色なく割と意外だった。
ヨーロッパを舞台にした作品、例えばボーンシリーズなんかでは、とにかく走ってる車が 古臭いもんばかりで時代が30年前から止まってる感を受けるが 本作のロシア市街を走る車の真新しさには目を瞠るばかりだ。
さすが新興国と言われるだけあり斜陽な日本と比べたら活気があって勢いが感じられた。
さてと話を戻して本作のアクション、スゴく派手でスゴく金掛けてて スゴくあり得ない表現が満載なんだけど全くリアリティに欠けてて 映画を撮る為にアクションシーンを設えた感が先行しちゃってそれこそ中身がない。
なんでその行動に至ったか、なんでそういう結果になったかという動機に至る部分は 全て吹き飛ばし、とにかく見栄えのいい派手に映るアクションを前面に押し出し 話の筋はそっちのけで物語が進んでいく。
キャラの扱いもぞんざいで黒幕を追い詰めてやっとの思いで倒すという アクション映画最低限のセオリーを踏襲したカタルシスにも欠ける始末に閉口するばかり。。 ダイハードと名乗っておきながらまるで2時間TVモノの刑事ドラマを見たかの様に 薄っぺらなアッサリとした脚本にはもはや褒めるべき部分が全く感じられない。 【sting★IGGY】さん [映画館(字幕)] 3点(2013-02-16 21:49:53) (良:1票) |