9.《ネタバレ》 素直な人、騙されやすい人ほど楽しめる、なかなかイカしたSF映画。イカにも低予算なつくりは、日本でいえば河崎実監督作品に似ている気がしました。イカツイ政府関係者の見立てを信じるか、はたまた中国語を喋る謎の宇宙人ワンさんの言い分を信じるか、スミズミまでよく観察しながら鑑賞することをおスルメします。ワンさん最後の言葉に痺れてくだサキイカ。これはB級映画の中でもアタリメの部類。設定上、幾つか致命的とも思える粗が存在しますが、スルーしてはイカがでしょう。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-05-12 19:56:37) (良:1票)(笑:1票) |
8.《ネタバレ》 鑑賞後、本作を振り返り、とても良く考えられ、練られた内容である事に気が付きました。(自分なりに) 普段からよく映画を観ている人は、途中ワンさんへの拷問が始まる辺りから、『オチ』を詮索し始めるんではないでしょうか?ここまでの展開から察するに、よほどひっくり返さないか、よほどあらぬ方向へ話が向かわない限り、オチは2つに1つ。ワンさんが本当の事を言っているか、それとも嘘をついているか、だと考えられます。事実、そのオチはぼくの予想出来た範囲のものだったんですが、そんな予見出来る範囲の幅が狭い話だからって、本作の『質』には何ら影響を与えません。ぼく自身、予見出来たラストなのに、ワンさんの『あの』ラストの言葉にドン底へ突き落とされてしまったワケなんです。それは何故か?ワンさんが地球へやって来た理由です。「人類と親交を深める為」何度同じ質問をされてもこうとしか答えません。観客はもしかしたら本当なのでは?と思い始め、次第に何故この政府の人は信じないのか?と逆に疑問と不快感を抱き始めます。その代弁者が通訳の彼女です。中盤、彼女は電話を探しに施設を捜索します。観客はその彼女へ感情移入し、彼女目線のサスペンス展開が始まります。観客はここで完全に施設側の人間が敵だと刷り込まれてしまいます。もうこの辺りで最初に抱いた『予想』はすっかり頭の片隅です。そしてワンさんと脱出します。階段を上れないワンさんに、その容姿に少なからず嫌悪を覚えていた彼女が進んで手を差し伸べるシーン…。もう完璧にやられました。人は目や耳にした情報(噂やカタログスペック等)にとても感化されやすい。とても見事なミスリードだったと思います。そして『あの』ラストシーンへ持って行くんだから、この演出をした監督サンは素晴らしい手腕だと思います。ムッキー!!アイツ憎たらしー!くやしー!そんなワケで、これをハリウッド一流スタッフでリメイクしたら、すんばらしい一級SFサスペンスに化けるんではないかと、実は期待したりしてます。そしてセットやCGに大金注ぎ込んでつまらない映画撮ってるハリウッド関係者はこちらを見習いなさい。 【miki】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-02-24 20:22:00) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 一帯一路で中国との関係に深入りしてしまったイタリア、そのおかげで中国に次ぐ新型コロナ感染被害国となってしまった。このイタリアSF映画に出てくるのはワンさんという中国語を話す宇宙人。礼儀正しく、愛嬌さえある宇宙人に主人公は同情してしまう…。たまたま観たのがパンデミックのときだったからか、ラストシーンはまさしく現在のイタリアの惨状とオーバーラップしてしまった。不気味なほど、先見性のあった映画といえるかもしれない。 【あっち】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-14 12:09:03) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 最初、この邦題を見て「ふざけた邦題付けちゃって、三流映画丸出しでダメじゃん」と思ったのだが、鑑賞し終えると、この邦題がミスリードの役目を担ってる事に気付くのだ。日本語だからこその「さん」付けによって、「これから出てくる宇宙人は良いヤツだよ」と刷り込まれるのだ。途中、女主人公が宇宙人に対し地球の人道的法律を適用しようとするあたりは、冷静に考えれば失笑ものなのだが、ひたすら紳士的な物言いの宇宙人と邦題によって、もしかしたらそれを認めてもいいストーリー展開になるのかもと思わされてしまう。しかし、職員達が騒ぎ始めたあたりから、ラストの展開は想像出来てしまうのだが、それでもラストのラスト、宇宙人のひと言によって作品は引き締まる。人道人権と一方的な見方でしかない正義にこだわり続けてると後悔するぞというストーリーは、そっち方面の主張を繰り返している人達が鑑賞した場合どう思うのか、ちょっと興味が湧いた。 【へろへろ】さん [地上波(字幕)] 7点(2015-07-15 11:09:30) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 寝る前にテレビの番組表見たらこれから放送の深夜枠に『宇宙人王さんとの遭遇(イタリア映画)』の文字、、、(なに?何この映画、、、胸騒ぎ、、、全く聞いたことないけど、、、)と思い録画予約。鑑賞後→ はぁ、、、私は主人公の上を行く愚か者かも。王さんが例のボタンを押して存在を味方に知らせれば、ラストの外部の展開が止むのでは???なんて、期待までしていたのだ。自分のボケ具合に唖然。点数は7~8の間で迷いましたが、なんとも久しぶりに感じる小気味の良い予想の裏切られ方だったので持ってけドロボウ! ボケを矯正してくれてありがとう! 【movie海馬】さん [地上波(字幕)] 8点(2014-10-23 00:43:21) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 制作費の殆どがイカじゃないかと思われるほどのチープな作品なのに、見事に惹き込まれました。 おそらくは正統派の社会派ヒューマンドラマなのではないかと信じ、真面目にコメントさせていただくのなら、「言語や文化や外見が異なっても心は通じ合える」ことへの警鐘を鳴らすふりをして、その実、やはり「愛」を唱えた作品と言いたいところですが、やはり信じてはいけないようで、そのまんまストレートに、風刺をたっぷり詰め込んだ某国批判誹謗中傷作品なのかなぁ… 政府関係者の興奮ぶりや拷問シーンなどから、「王さん」の言葉を信じないことへの確証があるやに思え、どうせ純粋な美人通訳が最後に裏切られると、若干斜に構えて観ていたら、案の定その通り。されど、意外性はイマイチなのに思いの外エンディングにがっくりさせられたのは、懸命な美人通訳にまんまと感情移入させられてしまった証。インディーズ作品とのことながら、各国の映画関係者等の注目を集めた作品だけのことはありますね。個人的にかなりハマったので1点おまけの8点献上です。
それにしても、エビ型宇宙人やらイカ型宇宙人やら、異星人に異形を求めたがる風潮は昔から変わりませんね。この流れを創り出した古のSF作家の皆さんの想像力に敬服。ま、人間型だとむやみやたらに攻撃しにくいってのもあるんでしょうけれどね。人間同士だと平気で攻撃し合ってるくせにね。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-10-27 01:54:59) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 宇宙人の使用言語について、使用人口が一番多いから、という説明はイカにもウソっぽく、個人的にはこれで宇宙人の信用度ががっくり落ちる(現に意志疎通の役に立ってない)。しかしほかに納得できる理由が思いつくわけでもなく、かえってどこまでも怪しい感じが残る。 それより映画の製作上は、やはり東洋人に対する西洋人の先入観を観客から引き出すための設定なのだろう。尋問者の「鏡見たことあるか」という発言に対する主人公の反応には、単に“外見に素朴な違和感を覚える”以上の偏見がちらりと感じられた。醜くて可哀想な劣等種族を法規や国際機関の手で守るという欧米流?の人道主義を、この人が何のためらいもなく全宇宙に適用しようとしていたのは微笑ましい。 以上はまあ東洋人としての感想だが、加えて当該国の最近の情勢や国際社会でのふるまいを反映した現実的な反応も予想され、日本人としてはこっちの方に誘導されそうである。「私の故郷では礼儀が重んじられています」という発言には大笑いした(それは仲間内限定の話だろうに)。
それで結末について、途中経過としては①完全にA、②完全にB、③全体としてはAだが個人の問題としては別、という3種類程度を予想していたが、劇中で実際にやっていたように、断片的な材料を並べるだけでも一応の心証は得られるように思う。自分は登場人物のうちでは秘密警察タイプだろうが(笑)、日本人が好むのは③のような結末ではないだろうか。あるいはそういう方向のどんでん返しがあるかと最後まで構えてはいたのだが、実際はあまりにもあっけらかんとした①だったのが逆に意外だったともいえる。 この映画を見て怒り出す人々もいるようだが、しかし出身地や外見や個別の物言いに関わらず信用できるかどうかは別の判断、という程度なら言っても支障ないだろう。劇中では移民系のアモニーケさんが、リアリストで猜疑心は強いが友好的な人物だったのはホッとした。
なお主人公は日本アニメを小馬鹿にしているようだが、「侵略!イカ娘」を見たことはないのだろうか(自分は見てないが)。 【かっぱ堰】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-03-20 19:52:18) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 宇宙人のワンさん、ブッサイクやな~。 でも愛嬌のある礼儀正しい宇宙人やな~ なんて思いながら見ていたので、 当然ながら拷問シーンには主人公同様 嫌悪感を感じ、ワンさんを助けてあげて! と思いながら見ていました。 ワンさんちゃんと助かるんやろうか~、 この先どうなるんやろうか~と思いながら 見ていたので、あのオチにはこれまた 主人公同様唖然。 ゆるキャラにまんまと騙されたーーー!! そしてあのラストの台詞、、、、、 なんちゅう腹立たしい奴や! ひょっとして中国語を喋ってるのも、 そういう意味深なメタファーがあるのかな? こんな救いようのないオチ、インディSF だからこそ出来るものなんでしょうね。 他に類を見ない作品。その独創性に6点。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-02-14 00:47:14) (良:1票) |
1.ネタバレ御法度となりますので、言葉を選ぶのに苦労いたしますが、ある時を境に長い拷問シーンからサスペンスシーンへと移行します。そこから先、長く鳴り止まなかったサイレン(警告音)がやけに長く感じた。でもこのサイレン、観ている間は20分から30分ほど聞かされてたように感じていたのですが、実際、あとで計ってみますと、10分ちょいのことであったのですね。でも結果的に、あんなにも長い時間警告音を聞かされ続けたことって初めてのように思います。あのサイレンが鳴り響いてる間ずっとこちらの胸騒ぎも治まりませんでしたからね すごく上手い警告音の使い方だったと思います。そして全編通してラストのセリフとなった 『お前 ●●だな』 ってあれ ちょっと耳を疑ってしまいましたが、ガビーーーン的衝撃! その一言で綺麗に清算。そしてジ・エンド迎えてしまいます。 【3737】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-02-10 13:00:50) (良:1票) |