4.再起に向けての指南書。過去の傷、現在の人間関係、希望ある未来。妻の浮気現場を目撃し、浮気相手に暴力を振るって精神病院に収監されていた元教師パット。夫を事故で失ったショックから職場の全員(男女問わず)と寝てしまい、解雇されたティファニー。そんな二人が友人との食事会で出会うことになる。暴力沙汰で妻への接近禁止命令まで出されてはいるが復縁したいと願うパットは、妻と交流のあるティファニーに復縁を取り持ってもらおうとする。だが、交換条件で一緒にダンス大会へ出場しようと要望され、振り回されることに...。イカれた男女の恋模様は、笑えて泣けて切なく、最後まで素敵な物語だった。ティファニーが以前のようにパットを誘った際、妻しか見えない彼は誘いを断る。彼女は、彼女の弱みに漬け込まないパットだからこそ、徐々に惹かれて行ったのだろう。ラスト間際、パットとティファニーが出場するダンス大会のシーンは印象的。練習もろくに出来なかった二人の対戦相手は強豪ばかり。そんな状況でも晴れやかに誇らしげに踊る二人の姿は、輝くばかりに感動的だ。そしてあの点数で皆が大喜びすることになるのは...見てのお楽しみ。また、二人の周囲の人たちもイカれた人間だらけだ。賭け事に熱中しジンクスを重んじるパットの父。家族を愛しているが何も言えないパットの母。結婚の理想と現実のギャップに苦しむ友人(ティファニーの義兄)。精神病院から何度も脱走する患者。しかし、彼らのキャラクターはリアルで、どこか愛しく、誰一人悪人が居ない。観客も最初は彼らを傍観するだけだが、彼らの荒っぽくもコミカルな掛け合いを観ているうち、いつしか応援し、物語にどっぷり浸ることになる。最後まで彼らはイカれたままだが、希望あるラストが描かれる。素敵な物語だと思う。ハナマル! 【しぇんみん】さん [DVD(吹替)] 8点(2016-12-03 22:46:37) |
3.これはいいおっぱい映画ですね。 出会った瞬間から薄々気付いてたけど、踊り出してからはもうおっぱいに夢中です。 黒人のナイスアドバイスで一気に揺れ出したおっぱいに感無量。 ラストの衣装もエロくて良かったです。 それにしても、この女優さんどっかで見たことあると思ってたら、あのハンガー・ゲームの娘だったのか。 もう2度と見ることのない糞映画だと思ってたけど、ハンガー・ゲームでのおっぱいも再確認しなくちゃいけなくなってしまったよ。 作品の内容的には社会復帰に苦悩する姿と言動の滑稽さのバランスが絶妙で、大笑いさせられた直後に複雑な気持ちにさせられたり、なかなか奥の深い作品に仕上がってると思います。 あと、どうでもいいことだけど、タイトルが意味不明。 【もとや】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-02-03 21:22:24) |
2.想像以上に愛らしい映画だった。 年の瀬、描かれる映画世界の時候的にも、本質的なテーマ的にも、この頃合いに観るに相応しい映画であったことを幸運に思う。
人は人により傷つく。ならば人との関わりなんて持ちたくないと思いがちだけれども、その傷を癒すのも、また人との関わり合いだ。 面倒で、大変なことだけれど、その繰り返しがなければ、生きてはいけない。 その人間ならではの弱さと脆さ、愛すべき滑稽さを雄弁に語る映画だったと思う。
物語はそれぞれに心に傷を負い、精神をこじらせた男と女を軸に描き出される。 この映画が巧いのは、“こじらせている”のは決してこの主人公たちばかりではないということ。 彼らを取り巻く家族や友人、街の人々も、それぞれが心に何らかの問題を抱え、時にそれを仕舞い込み、時にそれを吐き出しつつ、生きている。 それは即ち、決して主人公の二人が特異なわけではなく、世の中全体が抱える普遍的な病理性なのだ。
ほんの少し切り口を変えたなら、容易にもっと悲劇的なお話にもなるだろう。 しかし、この映画は、その社会全体が抱える心の闇を豪快に笑い飛ばしている。 それはとても勇敢で、幸福なアプローチであると思う。
アカデミー賞の俳優部門のすべてにノミネートされるに相応しく、俳優たちの演技はそれぞれ素晴らしい。 その中でもやはり特筆すべきは、主演女優賞を勝ち取ったジェニファー・ローレンスだろう。 この若い女優の存在感には、この映画が持つ愛らしさと繊細さと勇敢さのすべてが満ち溢れていて、あまりに魅力的だった。 彼女がこの先さらにどのようなキャリアを辿っていくのか、映画ファンとして楽しみでならない。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-12-30 14:20:35) |
1.性格(精神?)的に難ありな男女と、その周辺の人々が織りなすドラマ。 初めて予告編を観たときは、「また薄味な映画なんだろうなあ」と思って期待していませんでしたが、良い意味で裏切られました。監督デヴィッド・O・ラッセルの持ち味で、ハートフルならぬパワフルな映画になっています。 外へ外へとエネルギーを発散させる「ザ・ファイター」とは好対照で、内へ内へとギューッと凝縮されたような映画です(別に引きこもってるわけでは無いです)。登場人物たちの丁々発止のやりとりも楽しい。
自分も、主人公程ではありませんがカッとなりやすい性格です。そして散々一人で暴れた後、すぐ後悔するのもよく分かります。なので、周囲から理解されない主人公のもどかしさに、かなり感情移入してしまいました。 極端に感情的になるのはもちろん良いことではありませんが、まるで「感情をなくせ!」と言われているかのような周囲の反応に、結構イライラしてしまいました(汗)。周囲の人々からすればハタ迷惑なのもよく分かりますが。
ただ、「周りから理解されないもどかしさ」はとても描けていたと思いますが、逆に「他人の気持ちを察し、理解する」ことに関してはあまり掘り下げられてないような気がしました。 そこに気づけない自分が、まだまだ大人になりきれてないってことなのかなあ。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-02-23 14:45:54) (良:1票) |