5.《ネタバレ》 ブレ過ぎ。どの題材で怖がらせようとしているのか掴み所が無い。ちょいちょい伏線も張って、隣の爺さんに会うまではバッチリ掴みOKだったのに、かなり早い段階で正体見ちゃったからこの後どうなるのかと思えば案の定、爺さんそこでリタイヤ。クラスメートの「あの団地は幽霊が出る」という説や、毎朝聞こえる目覚まし時計の音、公園の少年が指差す部屋が得体の知れない隣室だったり、家族が何度も同じ話を繰り返したりと前振りがどんどん期待を盛り上げてくれたのに対し、実は前敦に原因があったという非常に残念な中オチ。キ○ガイが見る世界じゃ心霊現象じゃなく何でも有りの妄想展開になっちゃうじゃないかと心配していると、大ボスの正体判明で少しも怖くないどんでん返し。さらに手塚理美が本気になった時点でこれは解決しないんだろうなと読めてしまう。ラストはと言うとさらに予想を上回るガッカリで、助けようとした青年がとんでもない目に遭って前敦はさらにヤバい事になっていくだけってそれちっとも怖くないんですけど。あんなに前敦を慕ってた大ボスは最後どこに行ったの?あっさり前敦を諦めたの?盛大にお祓いを始める手塚理美軍団は微塵も役に立ってないし、青年を痛めつける手段が訳分からないしで残念のオンパレードだ。ホラーだったのは最初の爺さんだけで、話が進む毎にガッカリ感が増していく非常に残念な映画。見ている側を騙せばいいってもんじゃないんですよ。余程唸らせる効果が無ければホラーに意外性なんていりません。もっとストレートに怖がらせて下さい。ホラーファンは「すごいな~よく練られた映画だな~」なんて感心したくて見るんじゃなく、恐怖が欲しいんです。それと軽く突っ込ませていただくと、手塚理美の言う「霊は場所ではなく人に憑く」って断言しちゃっていいのか?だったらお祓いは前敦のいる所でやらなきゃ意味無いだろう。なんで遠隔でお祓いが出来ると思ったんだ。お祓い成功するどころかカウンター食らってんじゃないか。ちょっと霊能者にしては無能過ぎる。醍醐味の一つである化物との対決が全く対決になってないのがまた残念。前振りが良かったのと、爺さんがホラーしてくれたのと、序盤のみのる君が可愛かったので3点。 【にしきの】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-11-24 21:46:25) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 住人が減って高齢化の進んだ団地という設定は、右上がりの時代が終わって少子高齢化と人口減少が進行する現代にふさわしいと思えなくもないが、実際それがあまり生かされていないようなのは面白くない。 例えば問題の事件が起きたのがこの団地の最盛期だったとすれば、団地そのものの衰退と、そこにいつまでも一人で残る少年の孤独が重なる形になっただろうが、実際は13年前(西暦2000年頃?)とのことでそういう取り方はできず、単に主人公が孤立しがちな舞台を用意しただけに終わっている。または「仄暗い水の底から」(2001)の舞台設定を再利用しただけに思えなくもない(エレベータはないが)。また主人公が介護の学校に通っていたのも、高齢化の時代の表現というより隣室の老人を発見するきっかけだけで、ストーリー展開上の都合でしかないように見える。そういった設定と主人公の負った心の傷にも直接関係がないようで、全体として散漫な構成になった印象がある。
ところで普通一般のホラー映画でよくあるように、登場人物が自分からわざわざ危険に近づいていくという制作側に都合のよい(観客にとっては苛立たしい)展開に、この映画ではまともに理由づけして開き直ったように見える。祈祷師は「優しい」という言い方だったが、それよりも感情面で割り切りのできない性格ということだろうし、また自分で言っていたように怖いものから目を逸らせなくなり、逆にまじまじと見つめてしまうタイプだったのではないか。それでは今回のような受難も仕方ない気がするわけだが、これも「仄暗い…」の虚弱な主人公のイメージを流用したように思えなくもない。劇中では、すぐに部屋を出ろと言われたのに待っているかのようにまだ部屋にいて、予定通り入れてしまったあたりでこれはもう見捨てるしかないと思われて、あとは応援しないから勝手に破滅してしまえという投げやりな気分だった。
なお主演女優に関しては、個人的に愛着はないので特に感想もないが、ここを見ると皆さん好意的なようでもあり、どうか今後とも頑張っていただきたいと一応書いておく。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 4点(2015-07-23 00:26:23) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 中高生向けに作っているからだろうか、とてもわかりやすい作りになっている。目の肥えた人にとっては、おいおいそこまで教えてくれなくてもわかるから、なえるわーってなりかねないくらいわかりやすい。 なのに、ラスト、前田敦子が床を全力でスクラッチする行動と、孤独死した老人のスクラッチとの一致性を説明していない。まあ、本当は全体を通してこれくらい説明なしのほうが見ごたえあっていいんだけど、たとえば前田敦子がスクラッチしまくった床板の傷を最後映したほうが、Jホラーおなじみの輪廻性が醸し出されたに違いない。さらに、下の階に住んでる人が「なんか、上の人がりがりうるさいんだけど・・・」とか言えば、『クロユリ団地2』が作れる。僕は見に行かないけど。 言わなくてもわかるだろうが、冒頭、なぜ老人が壁をスクラッチしていたか、それはあの少年が、おばあちゃんを壁の奥へ連れてってしまったからだ。 誰が見ても中途半端だっただろ、あの霊能力者。あれはもうマクガフィンみたいなもんなんだから、『TRICK』のインチキな香ばしい霊能力者でよかった。前田敦子の物まねする人でいいじゃん。いちおうヘンテコ除霊してるから、あそこで我々は映画館でげらげら笑ってあげればオッケー。そもそもあの霊能力者自体必要なかった。最後血吐くし。なんで? だいいち、あの少年、恨み呪いを残すのは構わないけど、あの死因はある程度自己責任だろ、引っ越してきた無辜の少女を呪うのはよくないだろ。せめてあのゴミ箱を設計した区の人とか、焼却場の人とかを呪ったほうがいいんじゃないか。なぜあの少年はゴミ焼却場に出現しないのだろう。団地にしてみればとんだとばっちり。水面みたいな変な照明まで使って。海の中か? ただし、前田敦子に「お友達たくさんいるんだね」と言われたとき、少年が「みんな引っ越しちゃった」と答えたのには背筋が凍った。この少年、お友達全員ヤリヤガッタナ。 【no_the_war】さん [映画館(邦画)] 5点(2013-08-27 01:41:33) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 団地というと経済成長期に建てられた物が多く現代ではかなり老朽化していますね。でも、団地住まいの友達も多くいたので、完全に庶民派な私なんかは愛着があるというか親近感が湧きます。5階の友達の家に遊びに行って留守だった時の徒労に終わったガッカリ感も疲労感も良い思い出です。 で、クロユリ団地。現代の日本の最大の問題かもしれない超高齢化社会における孤独死なんかを絡めつつ、主演二人のバックグラウンドも悪くないので面白くなりそうな雰囲気はあったものの非常に雑な作りだったかな。点と点が線にはならなかったという印象。 全く無意味で不能な霊能者には失笑だったし、あのミノルくんも、あれだけ凶悪な力(別世界に引きずり込んだり念動力じゃ飽き足らず、身内に化け心理攻撃をする5歳児ってのも凄い)を身につけるコトが出来たのは何故だろう?勝手にゴミ箱に入って焼かれただけで恨みも怨念も呪いもそこまで無いでしょうに。友達と遊べなくなった悲しみだけでアレだけの力を得られ悪霊化するなら、世界中悪霊だらけで大変だわ。リングの貞子にしろ呪怨の伽耶子にしろ強烈な思いがあったから、アレだけの存在になった。このミノルくんにも幼児虐待を受けてた、などの説得力を持たせるモノが欲しかった。それが無いのが作品として浅いなと思わせる点。最後、明日香は現世に残ったものの家族に囲まれ幸せな頃に幼児退行、もう一人はどこぞに引き込まれ行方不明。ミノルくんはこれからも弱い心を持った者にとり憑き引き込んでいくのだろうか。なんいせよ悲哀が感じられないし何でもアリの化物になっていて面白みのないキャラクターでした。 音楽だけ雰囲気あって良かったな。川井憲次のムダ使い。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 3点(2013-05-24 22:43:51) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 B級ホラーマニアとしては「今すぐ見に行かなくちゃ」、という思いで見に行きました。前売り券まで買って。周りの反対を押し切って。 ええ、もう、前半までは楽しく見させていただきました。 伏線も十分に張ってるし、前田敦子は意外に演技上手いし、映像の不気味さも出てるし、ちょっと強引な展開もあるし、前田敦子は意外とアップが厳しいし。 特に前半の伏線回収は見事でした。あれ?面白い?何で?とか思ってしまいました。 そして後半。 彼女は真実を知りながらも"みのる君"に負けてしまい、家族と共に暮らす妄想の世界へ戻る事を選択してしまう。そして、彼女は誰もいない食卓で幸せな笑顔を浮かべるのだった。弟だけがみのる君に入れ替わって…。 そうか、あの老人も、結局幸せな妄想の中で死んでいったのか…。 狂気の妄想の中、時間が止まってしまった彼女は、そんな人々は幸せなのか!?という現代社会に対する啓示を受け、私は帰途につくのでした。 あ、嘘です。 後半のネタバレも全部。 みのる君めっちゃつえー。 【玉葱】さん [映画館(邦画)] 3点(2013-05-20 00:53:38) (良:1票) |