11.《ネタバレ》 これは完全にジブリ作品ではなく駿作品。 ジブリお馴染みの愛くるしいキャラクターは全くでないので 親子連れはこれを観ても退屈でしかないと思われる。 大人向きと言われるのもよくわかる。 ジブリお家芸的な食事シーンの代わりに喫煙シーンのなんと美味しそうなことか。 普段煙草を吸わない私がそう感じるのだから某団体が頓珍漢な抗議をしたのも理解できる。
さて私の思う宮崎駿氏はがっちがちの男性脳人物なので思ったとおり 今回も気持ちいいまでの破壊衝動をカタチにしてくれている。 関東大震災、うねる衝動とエネルギーは私達には単純に恐怖の対象であるが 創造者にはおそらくそれに加えて畏怖と興奮もどこか感じるのではなかろうか。 美しい機体が空を滑空すると同時に粉々に砕け散る様も 相反して脳裏に浮かぶという再生と破壊のループ。 ヒロイン像に関しても毎度想定内の男が理想とする『儚げな女性はコレ』像そのまんまの安牌。 そして物語の随所随所でぽろぽろと誰もかれも簡単に泣く、泣く、泣くので 涙が安いなあ…と最初は思っていたのですが物語の演出として 観客を泣かせるために感動的なエピソードを挟みこんでいるというより 涙も日常のひとつでしかないといいたいのかなと感じた。 大切な人が死地へ向かう最中も移動中にも設計図をひく、 涙を落とし紙を滲ませてでも線をひく、ただひたすらひたむきに無心に先へと進む。 この衝動を情熱とか焦燥とか狂気とか何が一番あてはまるか考えたのだけど 「無心」が一番しっくりくるのかな…と思ったり。 駿氏のやんちゃな部分を切り取ったようなカプローニのデカダンさが 要所要所で重くなりそうな雰囲気を蹴散らしてくれるのが心地いい。
私にはこの作品は駿氏の自己投影と理想像の極限の映像化に思えたから 作った本人が泣いたというのも納得できる映画だと思った。 【どぶん子】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-08-25 00:46:06) (良:3票) |
10.《ネタバレ》 スタジオジブリ、宮崎駿監督渾身の実話に基づいた飛行機設計士のドラマ。「列強国ニッポン」の時代、仕事と愛に生きた男女の純粋で切ない物語。ジブリシリーズならではの神秘的な映像表現は健在。美化しすぎたファンタジックな演出、スモーカーのケムたさ、セリフ棒読みの「エヴァンゲリオン」監督には興ざめで期待外れでした。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-08-18 00:48:43) |
9.なにかに懸ける人生っていうのはすばらしいなぁ、と思いながら見た。けどそれを見せられたところで、自分のようにふらふら生きる凡庸な人間が本当に堀越二郎の思いを理解できたかというとそうではないし、ましてやまだ働いていない若者ならもっとそうだろう。そういう意味では、見る人を選ぶ映画だと思う。映画館の出口で、「全く理解できなかったー」と口々に話していたお姉さんたちの会話が、この映画の間口の狭さを端的に表していた。 【ぽん太】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-08-13 13:30:02) |
8.◇風、空、飛行機。愛するものを詰め込みました!という潔さ。◇説明的な描写が少なく、時代背景がわからないところがあったり、明らかな口述効果音に違和感があったりで、思ったより感情移入できなかった。◇でも、映像の美しさは存分に楽しめました。◇震災・戦争の時代背景や「生きねば」というコピーとは裏腹に、主人公はそれらをたんたんと受け入れているように見えます。が、「生きる」ということは、まさに生活であり、日常の連続なのだ、というメッセージのようにも感じました。 【ハクリキコ】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-08-03 11:53:12) |
7.《ネタバレ》 6点にしたのは5点だとDVDでもいっかって評価だから…。これは映画館で観なかったらつまんないかも。 話としては面白いか面白くないかっていうと正直あまり面白くないです。子供向きでは絶対ないと思う。子供はラピュタ見てなさい。 ただただ映像の素晴らしさを見た2時間だった。宮崎駿の空に対するあこがれの集大成というような。 本当の堀越二郎さんのことは置いといてこの映画の二郎さんですが…。とにかくおたくだなあ…。当時のいいおうちの知識人ってみんなこんなかんじっぽい。 最初は大震災の時に助けた女中さんのことが好きだったんじゃないかと思ったので(年からいっても後姿を思い出してたりというシーンとか)奈穂子さんの方ですか…。まあそうですよね・・・。 でもほんとに菜穂子のことが好きなのかな。向こうが好意を寄せてくれたからじゃないのかなあ?いきなりおうちに訪ねていっちゃう情熱的なとことその後の生活のあっさり感が変な感じ。まあ日本の男はそんなもんか。肺病の人の前でタバコ吸ってるしね…。病気の苦しさも貧乏のつらさも戦争の恐ろしさも次郎の周りに薄い膜があってそこから少しのぞくだけ…。クリアなのは美しい飛行機だけ。なので夢のシーンのほうが現実感があるというか、生き生きしている。 庵野さんの声に批判もあるようですが、私的にはすごくあっていました。というのも知り合いのT大の理系君にそっくり。そうそう、こういうしゃべり方するよね。常に他人事のような。 歩き方もこんなかんじ。どこかで観察していたんだろうか・・・・。 【ぺーこ】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-29 22:49:25) (良:1票) |
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6.宮崎監督はファンタジーを作るのに長けている監督なのでノンフィクションを描くのは向かない監督だと思っていたが、この人物に関して言えば宮崎監督で良かったと思う。他の監督が描いていたら零戦をメインに、それができるまでの話になってたと思う(そうするとまたかの国がクレームをつけて来るかもしれない…)。しかしこの作品では零戦はほとんど出てこない。二郎そのものを描いている。かなりフィクションも入っていると思うが、飛行機設計に情熱をかけた人物という点はよく表現できていたと思う。残念だったのは夢の部分。これは二郎を表現する為に監督が創作したものだが、これは二郎が現実逃避しているようにしか感じず、正直いらなかったのではないかと思う(ただそこがなくなってしまうと監督らしさがなくなってしまうが…)それでもこの作品に感動してしまうのは菜穂子さんの存在が大きい。今まで数多のヒロインを描いてきた監督の本領発揮という感じだ。歴史好きとしては物足りなさを感じる作品だが堀越二郎にそこまで注目した事がなかったので観れて良かった。堀越二郎にスポットライトを当てたという意味ではこの作品は成功している。 【Yoshi】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-26 21:35:45) |
5.《ネタバレ》 本作は、飛行機設計に邁進する堀越二郎と堀辰雄の「風たちぬ」を融合させたものとのことでしたが、単に2つの話を合わせたものという印象が残りました。 菜穂子が結核であると分かっても、主人公は生活の軸足を飛行機設計から菜穂子へと移すか移すまいかと葛藤するようなことは全然なく、それぞれ独立したストーリのようでした。いくら昔のこととはいえ、やはり、結核患者のすぐ脇で煙草は吸わないでしょう。ここの違和感は強く残りました。 そんな主人公よりも、高原のサナトリウムで大人しく我慢して一寸長く生きるよりも、多少命は短くなるけれども一番居たい所にいる決意をする菜穂子とそれを理解して応援する周りの人々に共感しました。 この菜穂子は、意志の強さから、同じ堀辰雄の作品でも「風たちぬ」の節子でなく「菜穂子」の菜穂子でしょう。 エンドロールで流れる荒井由美の「ひこうき雲」は秀逸。この映画にベストマッチですね。まるで、タイアップ曲のようです。 【ぶん☆】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-25 22:17:00) |
4.《ネタバレ》 <超ネタばれ注意> 終盤、二郎は自身と菜穂子のことを「僕たちは1日1日をとても大切に生きているんだよ」と言い、黒川婦人は山に帰る菜穂子のことを「美しいところだけを好きな人に見てもらおうとしていたのね」と言いました。 菜穂子が出て行く前、二郎はタバコを吸うために外に出ようとしますが、菜穂子にここでよいと言われます。 このタバコのシーンは批判を浴びることも多いようですが、たとえタバコの害があっても「少しの間だけでもそばで寄り添うこと」「美しい自分を見ててほしいこと」を菜穂子が望んだ―と考えれば納得できます。
そして素晴らしかったのはラストシーン。 菜穂子は再会したあの日のように、パラソルを持ってそこにいます。 菜穂子は「あなたは生きて」と二郎に声をかけます。そして彼女は風のように消えていき、パラソルも消えました。カプローニは奈保子を「美しい風のような人だ」と表現しました。 二郎は、ただ美しい飛行機を作りたかった・・・しかし二郎が作った飛行機は、望んでいない戦争のために、やがて残骸になるものでした。 中盤に本庄が言った「矛盾」ということばは、二郎にも当てはまります。 菜穂子の「美しいところだけを見てほしかった」という想いは、二郎が最後に飛行機の醜い残骸を見たことと正反対のものです。 だからでこそ、菜穂子は二郎の前から姿を消したのでしょう。 そして彼女は最後まで「美しい風のような人」となったのです。 本作で戦争の描写が一切ないのも、観客に「美しいものだけ」を観てほしいという意向なのだと思います。
中盤の主人公が仕事をしている描写が全く面白くなかったのは残念ですが、晩年の宮崎駿の想い、そして美しさを感じられる作品です。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-25 20:23:30) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 飛行機を素材にしたファンタジーとして考えればまあまあの佳作として評価できますが、時代背景とのバランスにはちょっと納得できないところがあり過ぎです。登場する人間は皆善人ばかり。配属された職場での複雑な表情の人物などがいても何も問題は発生しない。主人公は田舎の旧家出身の秀才で帝大工学部で航空工学を学び第一次大戦後の大震災による不況の中ですが航空機産業に嘱望されて入社し、ドイツ留学と全く恵まれた環境で休暇は軽井沢のホテルとの境遇。またヒロインは実業家の娘ですが母を結核で失いまた自身も当時不治の病と言われたこの病で恐れおののきながら生きていたのだけれど、それでも看護人付きのサナトリウムでの療養と言う当時の庶民とはかけ離れた境遇です。先の短い娘に短い期間でも幸福をと願う父親としては徴兵など関係ない近眼で航空機技術者の主人公は願ったりの相手として娘の無理を聞いてやって都会での結婚生活を認めたのもうなづけます。丁寧に描かれた当時の庶民生活との間にある大きな格差は下界と無関係な神々の演じるラブストーリとの趣があります。しかし、背景の小道具である乗り物・景色などは解説抜きで判らせるのは子供相手でなくても難しそうです。戦争のシーンは主人公のライバルの設計した中攻が防弾能力の欠如で炎上墜落のシーンとB29の爆撃による炎上する都市だけ。 【たいほう】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-23 13:36:42) |
2.う~ん、う~ん..期待が大きかっただけに..残念の一言..この物語をアニメで創る意味があったのか..疑問だ..コテコテのヒューマンドラマで、アニメでしか表現できないシーンも皆無..監督の才能は、枯れてしまったのか..物語のジャンルが合っていないからなのか..全てが中途半端..筋金入りの宮崎駿ファンとしては、残念でならない... 【コナンが一番】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-21 14:49:32) (良:2票) |
1.駿の駿のための駿映画。トトロみたいなファンタジー求める人はいっちゃいけません。庵野の声は慣れます。 【とま】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-07-20 23:04:02) |