3.シュワルツェネッガーの『ラスト・スタンド』と併せて見たので余計にそう感じるのですが、60代後半でここまでの体力を維持し続けているスタローンの役者魂には心底恐れ入ります。シュワ氏が完全におじいちゃんとなり、小走りすらキツそうだった『ラスト・スタンド』と比較すると、上半身裸での格闘や、ジェイソン・モモアとのタイマンを余裕でこなす本作のスタローンは、本当に輝いて見えます。その一方で、歳をとって年季の入ったスタ氏の顔は、若々しさとは別方向での迫力を見せており、老いと若さが絶妙にブレンドされた現在のスタローンは、映画史上でも非常に稀なポジションにいると言えます。。。 ウォルター・ヒルの演出は、良くも悪くも昔ながらのものでした。勢いや迫力よりも風情を重視した演出により、殺し屋稼業というものをじっくりと映し出そうとしているのです。老いた殺し屋と若き刑事との掛け合いなど、それなりに見るべきものはあるのですが、その一方で、21世紀のアクション映画としては残念すぎるほど展開がチンタラしているという欠点も気になります。陰謀の正体も大したものではなかったし、こんなどうでもいい謎解きに観客を付き合わせることなどせず、もっとストレートに情念をぶつける内容にした方がよかったのではないかと思います。ジェイソン・モモア演じる殺し屋が非常に良かっただけに、黒幕ではなく彼をフィーチャーした殺し屋バトルにでもすれば、より盛り上がったのではないかと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 6点(2013-11-06 01:10:45) (良:1票) |