5.《ネタバレ》 すげえ!インドすげえ、超すげえ!私はインド映画では無理を通して道理を蹴っ飛ばすタイプ(つまりラジニカーント主演作)の作品しか観たことがないのですが、本作はそんな映画とは違う実にウェルメイドな万人に勧められる作品だったと思います。とにかく脚本が素晴らしく、散りばめられた伏線が過去と現在の両方で解決されていく様は最高!の一言です。しかも観客が楽しめるように、笑い・涙・ロマンス・アクション・ミステリー・サスペンスがギッチリと詰まっている。なのに破綻していない!もう一度言いますが、脚本が素晴らしいと思います。 しかしテーマは実に鋭く、また重い。私は数年前に個人旅行でインドに行きましたが、スローライフのメッカと言われている国を見て感じたことは、その一般的印象とは裏腹に、本当に勝ち組と負け組がハッキリと分かれており、弱者にとっては非常に生き辛い世界だということでした。そこら辺の道に死体が無造作に転がっている(適当に道端で火葬する)。一方で、同じ道に高級車を乗り回しているビジネスマンがいる。スラムの直ぐ傍に超高層ビルが乱立する。ラージューの家庭が正にそうですが、金持ちになりたければ勉強をするしかない、そうでないと直ぐ先には死か物乞生活が待っている。だから親は子どもを何としても収入の良い職業につかせようとする。子どもはその重圧に耐え切れず自殺する。 そんな社会の中で「自分が本当に好きなことをやればいいじゃないか!」というメッセージを持つ映画が生まれ、大ヒットしている。GDPの伸びに蔭りはあるものの、インドという国はまだまだ伸び代がある国だと強く感じました。私も観て実に勇気づけられました。Aal Izz Well! 【民朗】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-07-18 23:44:41) (良:4票) |
4.もの凄く久しぶりに劇場リピしてしまった作品。なんなんでしょう、この見終わった後の幸福感&昂揚感・・・! こんなの味わえる映画、一体何年ぶりに見たかしら・・・。よくよく考えると、割と予定調和な部分もあり、キャラもそんなに斬新とはいえない。でもでも!! この圧倒的な爽快さとユーモア、ちょっとミステリアスでロマンスもあり、そして、一貫した人生讃歌。これぞ、映画でしょう。そして、コメディ映画としても、三谷映画なんて足元にも及ばぬ精緻で素晴らしい完成度です(三谷ファンの皆さん、すみません)。張りめぐらせた伏線は、終わりまでに見事にかつ鮮やかに、残らず回収してくれます、それも爆笑付きで。こういうアジアや中欧映画にありがちな「登場人物の顔の見分けがつかない」ということもありません。トビー・マグワイヤ似のランチョー、岡田准一みたいなラージュー、デストラーデ(20年くらい前に西武ライオンズにいた外国人選手です)そっくりのファルハーンと、主役3人はいずれも個性的かつ魅力的。大学生のランチョーを演じたアーミル・カーンは、なんと私より歳上・・・(驚愕)。また、敵役の学長や秀才“サイレンサー”の演技も素晴らしい。お約束の歌と踊りも少しあります。もちろん音楽もgood(サントラ買おうと思ったら売り切れ・・・!!)。インドの理系偏重熱については、最近、某全国紙の記者がコラムであまりにも度が過ぎ、若者の自殺の多さにつながっており不条理でさえある、という内容のことを書いていて、その記事を読んでいたのもあって、本作を見ると、それにまつわる悲劇も少なからず描写され、身につまされます。そして、学ぶことの本質とは何か、生きるとはどういうことか、自分にとって大切なことは何なのか、ということも、決して説教臭くなく、押しつけがましくなく見ている者に問いかけてきます。奥の深さを持ちながらも、思いっ切りエンタメ要素もてんこ盛りで、世界各地で大ヒットも納得です。あまり押しつけがましいレビューを書くのはポリシーに反するのですが、本作は「見て損はない」ではなく、やっぱり「見ないと損」と言いたい数少ない作品の一つとなりました。書きたいことは他にも山ほどあるのですが容量越えです。・・・点数は、9.8点というのが偽らざるところですが、my10点作品との兼ね合いを考えると、やはり10点をつけるのには若干のためらいがあり・・・、この点数で。 【すねこすり】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-06-29 01:25:39) (良:3票) |
3.面白い!圧倒的に面白い!本当は感想なんてこれだけでいいのかもしれない。 ご都合主義といえばそうかもしれないが、これがエンターテイメントってもんだろう。誰だってこんな風に悪党をやっつけてみたかったり、何か大きなことを成し遂げてみたかったり、素晴らしい友人に恵まれたかったり、ハッピーエンドになりたかったりだ。 そんな私たちの夢だったり妄想だったりをほんの少しだけ体現させてくれて、いい気分にさせてくれるのさ。それが映画の役割の一つじゃないか。それでいい。なるようになる。きっと、うまくいく! 【ばかぽん】さん [インターネット(字幕)] 9点(2018-01-27 07:09:46) (良:2票) |
2.《ネタバレ》 インドの学歴就職事情や生活事情について深く考えられさせ、でも泣いて笑って感動し、観終わった後は爽やかな気持ちちで自然に笑顔が続き、久しぶりに全力で友人に勧めたい!と思った映画でした。気持ち的には10点にしたいところですが、少々お下劣なシーンがあったのでマイナス1点です。「本当の親友とは、困った時やイザという時に損得勘定なしで助けてくれる・行動してくれる人物だ」と実体験や映画などから感じていたことですが、このランチョーこそそれを体現している人物ですよね。こんな友人がいたらきっと人生がより楽しく充実になると思います。親友二人以外にも学長やライバルなど強烈な個性を持っているキャラがいいスパイスになっていて、またミステリー要素も加えた事で3時間が長く感じません。私は女でいずれ母親になりたいと思っていますが、子供の個性や意志を大切にしたいなとも思いました。 【forestcrown】さん [DVD(吹替)] 9点(2016-04-01 22:04:25) (良:1票) |
1.ものすごっっっく面白かった! 数多くの大絶賛も納得の、笑えて泣ける素晴らしい青春映画でした。 本作では2つの物語の機軸があります。 ひとつは2人の男が印象深い親友であった「ランチョー」を探す現在の物語。 もうひとつは過去の工科大学での思い出を綴る物語です。 この2つが巧みに絡み合い、爽快感あふれるストーリーが築かれています。 そして本作はインドという国が抱えている深刻な問題も描いているのです。 インドは「数字に強い国」とされており、IT業界への進出もめざましく、日本にも多くのインド人の技術者が働いています。 しかし優秀な人材がいる一方、競争社会になっているために若くして自殺をする人も多くなっているのです。 (最近のインドの教育はとても発展しているのですが) 本作ではエンジニアになるべく工科大学で勉強する学生たちが出てくるのですが、彼らが抱える悩みもとても深刻です。 そこに現れたのが、名前から風変わりな男「ランチョー」です。 彼は物怖じせず教授に意見をたて、そして色んな人をギャフンと言わせます。 学校というものは村社会で、学生側は文句があっても我が身かわいさに意見をおおっぴらに言えないところもあります。 しかしランチョーはそうではありません。これがなんとも痛快なのです。 またこの映画は「喜怒哀楽」がとても早く切り替わる映画です。 楽しいシーンの次でとても悲しいシーンが出てきたり、深刻でせっぱ詰まっているシーンでも笑いを入れたりします。 観客をひとつの感情に縛り付けず、感情をとても刺激してくれるのです。 青春物語だけでなく、恋愛やミステリー要素も上手く機能しています。 膨大に積み重ねた伏線を無理なく回収してくれるのもたまらない! あえて問題点をあげるなら、女性にとって眉をしかめるであろう「単語」で笑いをとるシーンがあることでしょうか。 これも終盤の伏線になっているのですが、もう少し工夫してもよかったかな?と思ってしまいます。 あとは主人公たちは結構悪いこともするので、その辺でも気に入らない方が多いかもしれません。 ここまで「観て良かった」と万人が思える映画はなかなかありません。 上映時間の長さなんて、全く気にならなくなるはずです。 本国インドでの公開からまるまる4年、日本でこの映画が公開されたことがうれしくて仕方がありません。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-07-28 12:06:17) (良:1票) |