4.えっ?この作品がこの年の一番の邦画なの?森崎東監督の作品の中でも一番評価されている映画らしいけど本当にこれが森崎東監督の最高の作品なのかな?良い映画かもしれない。言いたい事、伝えたい事もよく解る。でも森崎東監督じゃなければならないのかな?という意味でこの点数が限度です。認知症、介護の世界の描き方、人間ドラマとしてもよく出来ているとは思うけど森崎東監督というと寅さんをはじめとするパワフルな喜劇を幾つも書いてる脚本家だ!そんなパワフルな面白さがこの作品には感じる事ができません。こうした難しいテーマを題材として扱えば普段は辛口な評論家達にも評価してもらえるかもしれない。それでも森崎東作品にしかない毒のある笑いで楽しめる作品が観たい。どうせなら元気な頃の渥美清主演、認知症の母をミヤコ蝶々で見たい気がする。主人公の母がお世話になる施設の名前がさくら館というのもどうしても寅さんを思えてしまいます。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2017-01-21 19:21:48) (良:1票)(笑:1票) |
3.《ネタバレ》 森崎東監督の新作ということで、気になっていた映画だったがようやく見ることができた。原作は認知症の母親の介護体験記を綴った岡野雄一の漫画で、認知症を題材にした物語を日本映画界最高齢監督である森崎監督が手掛けているのは興味深いものがある。老人介護をシリアスになることなく描いているためか、全体的にほのぼのとした人情喜劇に仕上がっていて安心して見られるのがいい。映画としても悪くないし、話としても良かった。母親を演じる赤木春恵はリアルタイムで見ると渡鬼などのイメージからかきつい印象のある女優なのだが、本作ではとても味わい深い演技を見せており、とても印象的だ。母親の若い頃を演じるのが原田貴和子なのだが、その幼馴染で原爆症に苦しんでいる友人を原田知世が演じているところがニクイ。ラストの写真のシーンもベタだが、心地よい後味で良かったと思う。ただ、森崎監督の映画としてはあまりにもほのぼのしすぎていて、毒気がなく、そこが物足りないところではある。喫茶店の主人役で温水洋一が出演しているが、岩松了演じる息子役は彼が演じていても違和感なさそう。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-07-29 22:55:55) (良:1票) |
2.凄く心温まる映画でした。岩松了をはじめとするキャストの演技も素晴らしい。短い出演シーンながら強烈な存在感を放つ加瀬亮もはまり役。竹中直人は存在自体がネタだが、面白いので良い。 ただ、ストーリー的にはよくある感動ものの枠を出てない感じ。良く言えば手堅く王道のストーリーが展開される。私にとっては実体験も無いし全く未知の世界の話である為入りずらかったのかもしれない。こういうファンタジーもあるんだなという視点で観てました。もっと歳を重ねてから観たら全然違う点数を点けるかもしれない。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-09-12 14:39:36) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 母の波乱に満ちた時期を演じた原田貴和子の存在感が光る作品でした。理不尽な物事に対して立ち向かう強い女が後半に見せる弱さ、その儚く脆い感じが美しく。 また、フレームの中にフレームを作って被写体を切り取ったり、重なるランタンの光の中に捉えたりと印象的な映像に溢れていて。
だけど、映画自体に対しては作り物めいた、これは何か微妙に違うのではないか?という違和感を抱き続けた感じで。 それは単純に、実際に認知症を患った親の介護を経験したという、そのフィルターを通して見てしまったがゆえ、ではあると思うのですが。
介護や認知症の問題について鋭く斬り込んだ映画でないのは確かです。歳を重ねるに従って重みを増す生の姿を描いた、それこそ「生きねば」な物語。
けれど反復するように羅列されるボケエピソードに「現実には存在しなさそうな面白い人々」が重ねられてゆくほどに(ほら、ハゲのイコンとしての竹中直人をそのまま使うでしょ)「特異な他人事」っぽい世界が構築されていくようで、結果的にここだけで閉じてしまうようで。
もちろんそこには普遍的な「時代を生きた生」がありますが、これからリアルにそこに立ち向かってゆかねばならない人々に対して示すものからはちょっとズレた感じがするんですよね。これはこれ、それはそれ。そんな感じ。
あと、原爆~赤線~友人の死という事で見ていて『この世界の片隅に』を連想しちゃったんですけれど、それは、まあ、たまたまかな。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-12-11 21:39:56) (良:1票) |