9.監督誰なんだろうと思って観てたら、ポール・グリーングラスだったのね。成程とも思えば、「ほ~」とも思う。観てる間、節々で、トニー・スコットが蘇ったのかとも思う瞬間もあったりして。実際の事件を元にしていながら、うまく娯楽作に仕上げています。でもトニー・スコットならドサクサまぎれにハチャメチャなシーンを白々しく入れてたかも知れない。 貨物船が海賊に追われる段階、乗っ取られる段階、海賊が乗った救命艇内で船長が人質になる段階、米海軍が救出作戦を実行する段階、それぞれに見せ場を設けて、飽きさせません。また、様々なリアリティ、特に海賊4人の、いかにも我々の価値観の外の存在であるような危険な感じが、映画の緊迫感に大きく貢献しております。ただ、それが、本作の限界ともなっているようにも思えて。 凶暴さそのものといった感じの4人の海賊が、映画終盤では、圧倒的かつ無機質な米国の軍事力を前にして無力な存在となっていく。その頃には4人のキャラクターにもある程度の色分けがなされていて、我々も、彼らに肩入れするとは言わないまでも、「消耗品としての悪役」とは見なせなくなっている・・・と言いたいところだけど、それならそれで、海賊4人の存在それぞれを象徴するエピソードが、やっぱり足りない。そこがリアリティとのせめぎあい、本作の限界かも知れません。 一方で、ラストの、看護師さんの淡々とした言葉と所作が、えらく印象に残ります。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-09 08:29:26) (良:2票) |
8.事件の途中で船長の家族の描写や、事件を知った一般の人々の姿を一切出さなかったことがよかったです。 フィリップス船長の恐ろしい体験は、あくまで彼のまわり(クルーや海軍)でしか起きていない事実です。 そのほかの描写が入り込んでしまうと、観客は少し客観的な立場で映画を観てしまうのではないでしょうか。 この映画は、船長が陥った絶望的なシチュエーションを、これ以上ない方法で疑似体験させてくれるのです。 ゼロ・グラビティもそうでしたし、この「ほかのことを描かない」作風はこれからも支持されるのかもしれません。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-12-19 10:02:30) (良:2票) |
7.実話としての勝ちはあると思う。でも映画として面白いかというと自分にとっては微妙。 緊迫感もあるが、徐々に麻痺してきて間延びした感が出てしまう。 時代(ソマリア海賊関連)としての価値はあるかもしれないが、ほどほどの作品。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-09-19 23:20:47) (良:1票) |
6.予備知識なしで観たら、びっくり..よくニュースで耳にする、ソマリア近海の海賊の話..そんな映画だとは 露知らず..まぁ、トム・ハンクス だから、ハズレはないか..そんな軽い気持ちで鑑賞..映画として、とても真面目に創られています..リアルで、真に迫る、緊迫感..これほどの演出、監督の腕がないと 出来るもんじゃない..最後に、実話だと知り、また びっくり..どおりで生々しかったんだ..と、納得..劇的さや 過度の脚色は、抑えられているので、淡白に感じるかもしれませんが、地~味に 良作です... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-02-07 20:28:15) (良:1票) |
5.トム・ハンクスが渾身の演技をしていて、それが逆にマイナス。上手に演技をしていますというのが見えてしまいスリリングなシーンも作り事に思えてしまいました。「スプラッシュ」のときに、あれほど魅力的だったトム・ハンクスですが、「フィラデルフィア」で賞をとって以降の演技はどれも演技していますという風に見えてしまい残念な気がします。 【omut】さん [映画館(字幕)] 5点(2014-10-25 19:32:51) (良:1票) |
4.リアル志向で迫力もあり、緊張感は凄まじかったです。しかし裏を返せば、まるで某TV番組の再現ドラマを見ているようでもありました。不謹慎なのかもしれませんが、単にもう少しエンターテイメント性(遊びの部分)が欲しかったところです。 また、フィリップス船長(トム・ハンクス)の演技があざとすぎて嫌悪感すら感じました。個人的な見解ですが、彼の役へのアプローチは素晴らしいとは思いますが、2000年くらいから後はちょっとわざとらし過ぎて嫌いです。1999年のグリーンマイルや2000年のキャストアウェイくらいで私の中ではトム・ハンクスは終わりました。 本作でも救出された後のシーンがあまりにもあざとすぎて見ていられないくらい嫌悪感を感じました。あのシーンなんて明らかにカットすべきシーンなのに、おそらくハンクスの意向なのか判りませんが、無理やりねじ込んであるように感じてしまいました。
アブディワリ・ムセ(バーカッド・アブディ)ら海賊側の演技は本当に迫真でリアルでしたが、トム・ハンクスのせいでこの点数に落ち着きました。 【アラジン2014】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-09-22 11:50:25) (良:1票) |
3.アメリカ行けて良かったやん! 【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-05-07 18:59:01) (笑:1票) |
2.最初から最後まで続く緊張感が辛かった・・。映画館で観ていたら汗かきまくりだったと思う。実話ベースと言う事だけど、実際こんな痩せ細った命かけて海賊してくるソマリアの若者に襲撃されたら、この船長の様に対処出来るんだろうか・・。絶妙な演技のトム・ハンクスを改めて凄い役者だ・・と思った。ちなみに観るなら字幕の環境が必至。ソマリア人がソマリア語で話てる所とか緊張感UP。 【ネフェルタリ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-04-07 20:14:03) (良:1票) |
1.あらゆる側面において、真っ当な映画だったと思う。
実話を元に描いているとはいえ、これほどまでに徹底的に描くべきことをきちんと描ける映画はそれ程多くない。
先ずはこの映画の主演にトム・ハンクスをキャスティングした真っ当さ。
ヒーロー役が似合う華やかなスター俳優などを起用してしまったならば、分かりやすい娯楽性は高まるだろうが、この映画が求めるべきリアリティは著しく損なわれてしまったことだろう。 (勿論、この名優に華がないというわけではない) 絶体絶命の危機の中で、この主人公が見せるリーダーシップと勇気と智恵、そして執拗に突きつけられる恐怖感、そういったものを決して大袈裟すぎない絶妙なバランスで表現できる俳優は、やはりトム・ハンクスを置いて他にいなかったろうと思う。
次にソマリア海賊を演じた無名俳優たちのリアリティを追求した真っ当さ。
本当にソマリア出身の人材を見出し、主要キャストに配したことは、この映画の類い稀な説得力と成り得ている。
特に海賊側のリーダーを演じたバーカッド・アブディの存在感は抜群だった。風貌から喋り方に至るまで、映画におけるその支配力は時に名優トム・ハンクスをも凌駕していたと思う。
そして、ポール・グリーンダグラス監督による演出の真っ当さ。
元々、抑制の利いたリアルな描写が巧い監督ではあるが、今作でもその演出力は際立っている。
もっとエンターテイメントに走ったり、船長と海賊両者のバッググラウンドをドラマティックに描き出すことも容易だった筈だ。
しかしそれをせず、ひたすらに実際に起こったであろう描写のみを連ねた構成は、映画として極めて潔く、特筆すべき緊迫感を終始観る者に与え続ける。
その潔さは、今この瞬間も起こり得ている事実を描いているということへの責任と覚悟の表れだと思える。
無政府状態のソマリア、世界中の人々に荒らされた漁場、行き場を失った漁民たち……。
劣悪な環境の中で叩き起こされ、“彼ら”は海賊行為に駆り出される。
最初から彼らに「後退」という選択肢は無かったのだろう。
勿論、海賊行為を続ける彼らに対して肯定も同情もするつもりはない。
ただ、米国海軍の圧倒的な兵力の前に、完全敗北を喫した海賊のリーダーからは、茫然自失の中に一寸の安堵感が垣間見えた気がした。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-03-21 01:39:03) (良:1票) |