7.監督誰なんだろうと思って観てたら、ポール・グリーングラスだったのね。成程とも思えば、「ほ~」とも思う。観てる間、節々で、トニー・スコットが蘇ったのかとも思う瞬間もあったりして。実際の事件を元にしていながら、うまく娯楽作に仕上げています。でもトニー・スコットならドサクサまぎれにハチャメチャなシーンを白々しく入れてたかも知れない。 貨物船が海賊に追われる段階、乗っ取られる段階、海賊が乗った救命艇内で船長が人質になる段階、米海軍が救出作戦を実行する段階、それぞれに見せ場を設けて、飽きさせません。また、様々なリアリティ、特に海賊4人の、いかにも我々の価値観の外の存在であるような危険な感じが、映画の緊迫感に大きく貢献しております。ただ、それが、本作の限界ともなっているようにも思えて。 凶暴さそのものといった感じの4人の海賊が、映画終盤では、圧倒的かつ無機質な米国の軍事力を前にして無力な存在となっていく。その頃には4人のキャラクターにもある程度の色分けがなされていて、我々も、彼らに肩入れするとは言わないまでも、「消耗品としての悪役」とは見なせなくなっている・・・と言いたいところだけど、それならそれで、海賊4人の存在それぞれを象徴するエピソードが、やっぱり足りない。そこがリアリティとのせめぎあい、本作の限界かも知れません。 一方で、ラストの、看護師さんの淡々とした言葉と所作が、えらく印象に残ります。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-09 08:29:26) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 まるでNHK特集を見ているようなリアルさ。海賊側のキャストはまるで本物をスカウトしたのかと思うぐらい、風貌といい、堂に入った海賊行為だ。 予告から感じられたような、人質の船長がその卓抜した人格で彼らの行いを変えてゆく、という超人的なことは無かった。基本、船長は銃で脅され、怒鳴られて小さくなっているだけだ。もちろん現実とはそういうものだろう。 体格の良い米国クルーに比べて、ソマリア人たちのやせ細っていること。漁場を荒らされた彼らの言い分をも汲み取っているようには見える。しかし、米国海軍の、いちいちカッコ良い描写を見るとどちらに肩入れしているのかはおのずと明らかだ。イケメン軍人の皆さんが三々五々、艦に向かい出動準備に入るその後ろ姿。あれは計算づくのかっこ良さだ。 娯楽に走りすぎない脚本はいいとして、でも映画としてなんらかのメッセージ性は明確に欲しかった気もする。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-11-11 00:17:20) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 行き過ぎたグローバリズムの歪みを描く、グリーングラス監督らしい骨太な映画。たった数人の海賊が巨大なタンカーを占拠する過程にリアリティあり。脚色を加えても、船長と海賊のリーダーに奇妙な友情が芽生えることも、ラストで対面することもない。その腹八分目さが丁度良くも物足りなさを感じるのは野暮か。豊満な体格のトム・ハンクスと酷く痩せこけたバーカット・アブディの対比がテーマを鮮烈にさせる。ちなみに船長は規約違反のショートカットにより、多額の損害を被った運輸会社から訴えられている。何もかも合理的に突き進んだ行動で高くつくとは皮肉な話だ。 【Cinecdocke】さん [映画館(字幕)] 7点(2018-09-08 01:42:57) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 トムハンクスが体を張って演技しているという点と、珍しいシージャックものという点で面白かった。
ソマリア沖をいくアメリカの貨物船。1度目の襲撃は撃退したが、2度目の襲撃はかわせない。船長は乗組員を隠す。焦るシージャッカーたち。稚拙な攻防。いや、互いに精一杯の攻防。これが作品を一味も二味も深める。
そして船長は…。
広い空間から狭い空間にどんどん詰まっていくのは観てる私たちも一緒。頑張る船長の心の動きを見事に描写したおかげで私たちも囚われの身になった気分全開!だんだん弱っていくのもとてもよく伝わってきた。
実際にあった話の伝記映画とのこと。ラストには当時の人たちがその後どうなったのか記述される。
でも伝記映画でもここまでエンターテイメント映画に仕上げるのはさすが。ハリウッド汁飲んでるんだろうなあ、間違いない^ ^(これからハリウッドハリウッドしてる映画はハリウッド汁飲んでるって書こうと思って(^_^;))
改めて、ハリウッド汁恐るべし(≧∇≦)
ところで製作にケヴィンスペイシーの名前が!やるなあカイザーソゼ(^O^)/ 【JF】さん [DVD(吹替)] 7点(2015-09-13 23:13:38) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 それはいつものように平穏な船路になる予定だった――。フィリップス船長率いる大型貨物船アラバマ号はその日、大量の積荷と20人の船員を載せてアフリカのソマリア沖を航海中、武装した4人の海賊に乗り込まれシージャックされてしまう。持てる限りの知略と勇気、そして普段からの訓練を活かしてそんな絶体絶命の危機を脱しようとするフィリップス船長。たが、決死の遣り取りの果てになんとか海賊たちを追い返すことに成功しようとした矢先、彼は人質として連れ去られてしまうのだった。同胞の命を救うため、直ちに現場へとやって来るアメリカ海軍。彼らと小さな救命艇に乗り込んで逃亡を図る海賊たちとの決死の攻防をスリリングに描き出すトゥルー・ストーリー。かつて、911で乗っ取られた飛行機に偶然乗り合わせた乗客たちと凶悪なテロリストの攻防をリアルに描いた政治アクションの佳品「ユナイテッド93」を撮ったグリーングラス監督。その海上版とも言える今作も、全編に半端じゃない緊迫感が漲る良質の社会派アクションドラマに仕上がっておりました。相変わらず、観る者をまるでその場に居合わせたかのように思わせる、息をも吐かせぬリアルな描写はさすが。貧しさゆえ海賊行為へと手を染めざるをえなかった痩せ細ったソマリア人たちと対照的にでっぷり太ったアメリカ人船員との静かでリアルな駆け引き。そこからアメリカ巡視艇との迫力の攻防戦へと一気に雪崩込む後半の展開は見応え充分でした。政治的背景は匂わせるだけで、海賊たちとの戦いに特化した見せ方も良かったです。まあ、全編を覆うあまりにもアメリカ礼賛な空気が若干鼻につくきらいはあったものの、船長とは言え平凡な会社員でしかないトム・ハンクスの演技も良かったし、広大な海上でうねるように波打つ美麗な水飛沫の描写も今にも潮の匂いが漂ってきそうだったし、うん、なかなか面白かった。暑い日が続き、夏本番を迎えつつある今日この頃、こういうのを見るとなんだか無性に海に行きたくなりますね(海賊とかは、マジ勘弁だけどさ!笑)。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-07-05 13:12:11) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 もうこの監督の手ブレ映像のために創ったような映画。実は監督の意図は、この映画で船酔いをさせようという魂胆じゃ・・(笑)。ともかく面白かった。しかし、ここまで守ってくれる国っていいよねぇ。漁民四人の海賊に、駆逐艦や空母ほか最新設備の人材まで投入してもらうなんて・・。海外に出ると自分の国が分かるってこういうことなのかな。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-06-21 03:57:18) (笑:1票) |
1.最初から最後まで続く緊張感が辛かった・・。映画館で観ていたら汗かきまくりだったと思う。実話ベースと言う事だけど、実際こんな痩せ細った命かけて海賊してくるソマリアの若者に襲撃されたら、この船長の様に対処出来るんだろうか・・。絶妙な演技のトム・ハンクスを改めて凄い役者だ・・と思った。ちなみに観るなら字幕の環境が必至。ソマリア人がソマリア語で話てる所とか緊張感UP。 【ネフェルタリ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-04-07 20:14:03) (良:1票) |