3.《ネタバレ》 ヒットガールの魅力とイカした音楽。極めて単純な、しかし強力な娯楽性だけで、映画の枠組みと倫理観を吹っ飛ばした快作にして迷作。それが前作『キック・アス』の正体と解します。本作は待望の続編…には違いないのですが、“遅すぎた”ことも間違いありません。いや、続編の間隔としてはごく一般的です(前作から3年)。しかし、それでもやはり遅いのです。何故ならクロエ・グレース・モレッツが成長してしまったから。『チョコレート・ファイター』のジージャー・ヤーニンもそうですが、戦う少女の旬は驚くほど短いです。それはもう絶望的なほど。でもそうであるが故に彼女らは、その刹那、眩いばかりの光を放つとも言えます。ヒットガールという映画史に残る超スターの光が衰えた事で、『キック・アス』が持つ変態映画の本質が、良くも悪くも浮かび上がりました。その味わいは、珍妙の一言に尽きます。コスプレ軍団の血で血を洗う抗争劇は、ハッキリ言ってコントです。でも本気の殺し合い。しかも正義だの悪だの、大層立派なイデオロギーまで語っちゃいます。この悪ふざけは一体何?もしかして自分の感性がオカシイの?と不安になる出鱈目さです。ある意味トリップ映画かもしれません。ジャンルは違いますが『悪魔のいけにえ』の感覚にちょっと似ている気がしました。前作と比較して、クロエ嬢の成長-5点、音楽性-4点、サブキャラクターの追加(主にマザーロシア)+2点、アクション性の向上(特にカーアクション)+2点。というワケで計算上は10-5-4+2+2=5点ですが、8点進呈いたします。何故かって?そりゃクロエ姫の唇が相も変わらずチャーミングだったからですよ。 【目隠シスト】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-11-21 19:28:13) (良:1票)(笑:1票) |