7.騙して、儲けて、ラリッて、ヤッての繰り返し。それ以上でも以下でもありませんが、実話ものとしては文句なくおもしろい。こういう人物が実在すると知るだけで、良かれ悪しかれ「what a wonderful world!」という感じがします。 しかし、ストーリーとしては疑問も。さんざんラリるシーンが出てきますが、それは〝本業〟の詐欺や逮捕劇とは直接関係しません。「スカーフェイス」のような話になるのかと思いきや、さにあらず。ならばこれほど執拗に描く必要はあったのでしょうか。それに、自宅でも会社でも旅行先でもあれほど派手に吸ったり飲んだりしながら、なぜ立件されなかったのか不思議です。アメリカってこんなに麻薬に緩い国でしたっけ? そしてもう1つ。会社があれほど大きくなるまで、なぜ詐欺は発覚しなかったのでしょうか? 有能そうに描かれていたFBIが、実は無能だったということですかね。などとインネンをつけたくなるほど、作品の世界にすっかりのめり込んだということです。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2017-01-13 04:38:23) |
6.この内容このテーマで、3時間ちゃんと魅せてしまうこと自体が凄い。スコセッシの演出も、ディカプリオの演技もキレキレです。口八丁手八丁で莫大な金を稼いでも、その使い途が結局はあの乱痴気騒ぎ。実は、少し前に、失業者や最下層の人々がドラッグで転落するドキュメンタリーを見たのだけれど、金はあってもやってることは結局一緒・・・。こんなに虚しいことのために割かれる膨大なエネルギーの不毛さ。あの「レモン」からのランボルギーニと電話のくだりは、もうディカプリオの演技力の壮大な無駄遣い(誉めています)。そして、映画全体のドラッグのような編集と音楽(胸を叩いて「んーっんっぽー」の中毒性・・・)。才気爆発とはこのことを言うのでしょう。 【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-01-09 10:34:19) |
5.金とドラッグとセックスに飢えたヘドが出る様な犯罪者集団の話しなんだけど、業種は違えど私も営業に生きる身なのでその手口が大変興味深かったし、死ぬ前に一度はこんな経験をしてみたいな…なんて思ってしまったのは男の性ってものでしょうか?スコセッシ監督の作品鑑賞は初めてでしたが、とても美しく、分かりやすい映画で最後まで飽きずに観られました。 【Kの紅茶】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-11-24 01:03:47) |
4.平凡な日常を生きている自分にとって、こんなに非現実的な映画は刺激的で、だからこそ映画をまた見たくなる。 【おっちょ】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-09-15 18:45:55) |
3.いかにもオリバー・ストーンが扱いそうな題材から経済ネタをスッパリと削ぎ落し、下品な男が成り上がり、そして破滅するまでを描く簡単な物語とした脚色が絶品でした。舞台は変わるものの、やってることは『グッドフェローズ』や『カジノ』とまったく同様であり、スコセッシは自分の得意とするフィールドに題材を寄せて来ているのです。『ソーシャル・ネットワーク』や『マージン・コール』等、出来の良い経済映画というものは経済そのものを扱わず、これを観客にとっても馴染みのある別の物語に置き換えます。本作もその点で成功を収めています。。。 本編で起こることは予告編で描かれた通りのことであり、あっと驚くサプライズや、後半での方向転換等は一切ありません。これほどシンプルな話でありながら、179分という大変な長尺を一瞬の緩みもなく見せ切ったスコセッシの絶倫ぶりには恐れ入りました。上映時間の8割を占めるのは成金による下品なドンチャン騒ぎであり、そこにはアクション映画のような視覚的興奮も、ドラマ映画のような深い含蓄もないのに、それでも観客の目を画面に釘付けにしてしまうのです。この演出のパワーは本当にトンデモないものだと思いました。。。 もちろん、締めるべきところは締めてきます。普段は愚かであっても、社員の前で演説をぶつ時の主人公の表情や言葉には大変な魅力と牽引力があって、「確かにこの人は成功するだろう」という説得力を持たせているし、その主人公が破滅に至った道についても、「ここで引いていれば助かっていたのに」という運命を分けたラインを観客にもはっきりとわかる形で提示したことで、諸行無常の世界を描き出すことに成功しています。。。 以上、本編は文句なしでしたが、ボカシ入りまくりの日本公開版の無惨な有様は何とかならなかったのでしょうか。本来、スコセッシは映画におけるヌードを嫌う監督です。「裸が映った途端に物語がピタっと止まってしまう」との理由から、『タクシードライバー』や『エイジ・オブ・イノセンス』のようなセクシャルな題材にすらヌードを登場させてこなかったのですが、本作ではその主義を曲げており、ここで登場する裸には明らかな演出意図があるのです。にも関わらず、これをボカシで勝手に隠してしまった日本の配給会社の判断には納得がいきません。18禁という厳しい年齢制限を設けているのだから、その規制で十分ではありませんか。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2014-08-04 01:21:14) (良:2票) |
2.ディカプリオ様の迫真の演技もさることながら、英語の発声が実にクリアーで美しい! 映画インセプションでもそう思いました。ヒラリー・クリントン米国務長官の英語も素晴らしく、正確な発声は知性を表すと思います。だからこそ、どんなにバカなことやっても、彼のスピーチには迫力と真実が宿り、凡庸な人々を惹きつけて止まないのだと思います。鉄板のビジネスモデルと宗教団体のような会社… 実話に基づいたこの物語は、昨今のいわゆる情報起業家に通じるものがあります。 【windance】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-03-09 02:11:59) (良:1票) |
1.これだけ下品とバカ騒ぎのオンパレードなのに3時間が長く感じられないという不思議映画。 見ている間中、ソドムとゴモラという単語が頭にちらつきました。これはまるで、スコセッシ監督が天に向けたスクリーンから神に挑戦しているような映画。そらそら、アンタが作った人類がこの体たらくなんだが地獄の業火はまだかね?という。 というわけでまともな神経の観客が席を立つのは当たり前というぐらいの糞展開です。 金、女、人気に名声、果てしのない快楽。どこまでも欲望だけを満たすために突っ走る連中は、実に元気でものすごい働き者なのです。報酬が下品とはいえ、勤勉そのもの。 快楽を得るために馬車馬のようになっているバカな人間の滑稽さを、レオナルド・ディカプリオという役者はあまりに魅力的に演じている。そこがすごい。 相手のことをこれっぽっちも考えず、屑株を口八丁手八丁で売りつけるときの顔と全身の芸を見るだけでも彼が稀有な役者だということはわかるんだけど、それ以上に、人として最低なはずの彼が、どういうわけか見ている間中いとおしい。これは役者の魅力が脚本を突き抜けた幸福な例だと思う。 そしてラストシーンで彼が醸し出す空気の向こうで、何やら目をキラキラさせている市井の人々が、彼よりも愚かしく見えるという罠。 ここから受け取るメッセージとは、などとどうでもいいことを考えず、レオという役者を堪能しに行くだけでも十分楽しい。いい役者を得た監督がやっと、化学反応を起こした。そういう映画です。個人的に、レオにはこの作品でぜひオスカーを手にしてほしいですね。たぶん無理だろうけど。 【あにさきすR】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-02-05 08:49:20) (良:3票) |