4. その辺の通りを歩いてる人達を適当に二百人程呼び集め、百人ずつぐらいの二グループに分け、一方のグループにはこの映画を見せ、もう一方のグループにはこの映画のレリゴーの部分だけを見せたとします。そしたら、後者の方が好評な気がしちゃうんですよね。これって映画のアイデンティティー的にはちょっとマズい事なんじゃないでしょうか。だって、それって「これが必ずしも映画という形態をなしてなければならない理由は実は無い」ってことになるわけですから…。
例えばジェームズ・キャメロンのターミネーターなんて作品がありますけど、あの映画の中でターミネーターが真の姿(スケルトンの姿)を現してムクッと起き上がってくるシーンなんかは、確かにそのシーン単体だけでも十分格好良いんですが、全体の流れの中で見た場合にはさらにそこへ「しつこさ」という付加価値が加わるようになってます。大は小を兼ねるという言葉がありますが、このターミネーターの場合には、シーン単体だけを観たとき<流れの中で観たとき、になってるわけだ(キャメロンと、他の「ただ単にカッコいいシーンを作るだけなら俺に任せてくれよ!」という凡百の映像クリエイター達とを隔てる境界線はここかも)。ところがこのアナと雪の女王の場合には、シーン単体だけを観たとき>流れの中で観たとき、になってしまってる気がしました。マジで映画のアイデンティティー的にマズいことなんじゃないでしょうか…。 【バーグマンの瞳】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-07-07 17:42:12) (良:3票) |
3.ずいぶん凄い興行収入だなと思っててやたらメディアに取り上げられて主題歌が大ヒットして・・・という感じで、実際どうなのかなと思ったらとてもいい映画。
自分の中では映画の評価はマスコミに取り上げられた回数に反比例してたんだけど、例外だった。ディズニーらしい映画で無論なハッピーエンドだが、感動的で音楽や映像美がさらに感動を呼ぶ感じで観終わった後の爽快感ときたら・・・ 【ラスウェル】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-08-29 20:55:47) (良:1票) |
2.ついに“本性”を他者に知られてしまった女王が、失意の中走り出す。 港湾の海面を一歩ずつ凍らせて、雪の中にに消えていく。 とても悲しく、でもあまりに美しいこの序盤のシーンを観て、この映画は“アメージング!”その一言に尽きると思った。
物凄い興行成績を叩き出している大ヒットぶり自体は、明らかに大衆の過剰反応だと思えたので、必然的に超ロングラン公開を横目に結局劇場鑑賞は敬遠してしまった。 ただその流行ぶりはやはり物凄く、どれくらい凄いかというと、当然映画なんて観てもいない3歳の愛娘が、「ありの~ままで~♪」と歌い出すほど。 そんなわけで、愛娘に見せてあげたい気持ちも先行し、レンタルショップに走った次第。
大ヒットの要因は誰が観ても明らかで、一にも二にも音楽とビジュアルのクオリティーの高さだろう。 主題歌「Let it Go」は、その音楽性も、綴られるメッセージ性も含めて、名曲が溢れるディズニー映画史上においても屈指の名曲だと思える。 音楽とビジュアルでこれほどの満足感を世界中に与えられた時点で、その映画的な価値は揺るがないだろう。
一方で、描き出されるストーリー性も、クラシックストーリーの中に常に「時代」を映し出してきたディズニー映画らしく、新たな価値観が導き出されている。
個々人の「特性」をオープンにすることの難しさと、正しさ。 ディズニーの新たなマスターピースが描き出したストーリーのテーマは、恋物語でも姉妹愛でもなく、“固定観念からの脱却”そのものだったと思う。
お姫様が幸せになるために“王子のキス”なんて必要ではない。 この時代において必要なことは、自分と異なる他者を寛容することと、自分の運命は自分で決めるという意志だということを高らかに宣言しているように思えた。
個人的には、もっと女王が悪役に陥る淵まで描いても良かったとは思うし、ラストの顛末などはあまりに御都合主義だと思う。 「少しも寒くないわ」と氷の中に閉じこもろうとする女王の様は冷ややかではあるが、とても魅力的だった。 彼女が彼女らしく盲進する様をもうしばらく描いて、そこから彼女自身が妹を含めた他者を寛容する様を描き出してくれたなら、この映画はもっと感動的になったと思えなくもない。
ただし、そんなことは、ようやく作品自体も観た上で「ありの~ままで~♪」と得意気に歌う愛娘にはどうでもいいことだ。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-08-24 01:04:50) (良:1票) |
1.私もCMで感化された一人です。初めてアニメを映画館で観ました。しかも、普段は絶対字幕派なのに松たか子の歌声に惹かれて、吹き替えで!だいたい、こうやって期待感MAXで見に行くと、期待値以下で終わる事の方が多いけれど、今回は、本当に良かった!何よりも吹き替えがばっちり!何の違和感もなし。映画館に入って、子供が多く「しまった、字幕にすれば良かった。煩くてかなわん。」と思っていたけど、上映が始まってすぐ静かになった。あと、何よりびっくりしたのは、神田さやかの吹替え。歌声はもちろん、台詞にもばっちり感情移入されていて、本当に驚いた。内容についても文句なし。いや、こんな吹き替えなら今後もみたいな、流石ディズニー!!見直しました。 【はりねずみ】さん [映画館(吹替)] 10点(2014-04-05 21:26:14) (良:1票) |