《改行表示》 7.《ネタバレ》 アニメとしては空前の大ヒットの本作が遂に日本上陸…なのですが、実際に映画を見るとそのシナリオ・構成に穴や雑さがとにかく目につきます。 例えばストーリー的に重要なアナやエルサ(+周りの人達)の相互の誤解が解ける様が本編中で全然語られていないのです。 具体的にはクライマックスで、アナがその身を呈してエルサを救った後、愛の力で大復活。バシっとハンスをやっつけそれを見ていた臣下が「王女もなかなかやりますな」なんて語るシーン。 この時点で、アナとエルサの間の葛藤は実は何も解決していないんですよ。臣下達もハンスがほんとは悪い奴だなんて知らないはずなのです。そんなシーンは映画中のどこにもないんですから。 それなのに「真の愛の力」で「よかったよかった」的空気になられても観ている方は「おいおいおい…」です。 また、別の例で、2回目のトロール登場シーン。こいつらアナに会うのは2回目ですからここで「昔、エルサの魔法で傷ついたお前を治して…」なんて昔話をトロールに説明させるだけで全然違ってくるはずなのに、この2回目のトロールのシーンでは過去の事なんか全くしゃべりません。 クリストフもあのとき見たのがアナとエルサだったという事を知らないままです(誰も説明してくれないですから) だったらトロールを2回出す意味がそもそもないのです。映画の構成として残念すぎます。 全編がそんな感じなので、シナリオを普通に追っかけると本当に残念な映画だとしか言えません。 そんな映画を一人で支えたのが、オラフの日本語吹替をやったピエール瀧。 そもそもオラフ自体がピエール瀧になんか似ている事もあって、オラフのシーンをCGで全部ピエール瀧に入れ替えても違和感ないだろうほどにハマっていました。 吹替にはあまり期待していなかったのですが、松たか子、神田沙也加共がんばっていて、特にアナ役の神田沙也加の役へのハマりっぷりは見事。 松たか子も、例のLet it go のシーン、その歌声は役に合ってるという面ではオリジナルよりも上?と思わせる素晴らしいものでした。 で、実際に映画を観ていて、ボロボロのストーリー展開に突っ込み入れながらも、見事な映像美と派手なストーリー展開に引き込まれ、ふと気づけばもうエンディング。 「気が付けばもうエンディング」なんて名画でしかありえないじゃないですか。欠点は多々あれど、だからこれは名画なのです。 【あばれて万歳】さん [試写会(吹替)] 8点(2014-03-13 17:06:07) (良:4票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 過大な期待を抱いた感じで、さすがにそれを上回るような事はなくて。前半の繊細さに比べると後半はフツーなデキという感じ。 仲の良かった幼い姉妹がまるで光と影のように相反する存在へと離され隔たれてゆく過程を描いた前半、表情や仕草や歌の細やかな表現によって、アナとエルサ、それぞれの心情が切なく響いてきます。 対して冒険物語となる後半は、さしてスケールがないわりには個々のキャラクターにもあまり作品独自の個性を与えられず、娯楽アニメ映画の定石を踏むような展開。前半にあれだけ個性を与えられたアナとエルサも、後半はエピソードを消化してゆくことに終始してまうような感じ。せっかくの「姉妹が呪縛から解放され本当の自由を獲得してゆく物語」が何やらごちゃついてしまって。 結局ピークは映画を見にいくたび予告編タイムに見せられた『Let It Go』のシーンだったかな。 最後まで見てその存在に疑問が生じるエピソードが幾つも。 「氷売りを生業とする人々の中で育ったクリストフがトロールの村でエルサの魔術によって意識を失った幼い頃のアナへの治療を目撃する」 ここにたっぷり詰まった情報が後の物語に何らかの作用をしているのかというと、これが微々たるものだったり。 アナが途中で殆ど動けなくなってしまう事で物語の進行にもブレーキがかかってしまう印象がありますし。 ただ、その表現力は本当に素晴らしいものがあって。 アナとエルサ、二人の主役の豊かな表情から、そこに通っている血を感じる事ができます。エルサはやっぱりケバくなってしまう前の方がいいですけど。 色彩溢れる世界から冷たい氷の世界へのメタモルフォーゼ、画面の隅々まで彩られた美しさ。 切ない物語の中で笑いで楽しませてくれるオラフも愛らしく。 表現はCGに変わっても、夢と伝統のディズニーアニメの世界を十分に堪能できる作品だと思います。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-03-14 21:41:16) (良:2票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 非常によかったです。 面白かった。 抑圧され びくびくしていた 卓越した個性の持ち主 エルサが 本来の自分をとりもどす それが let it go アナも トイストーリー2にでていた カウガールに似て とても魅力的でチャーミングでした。 CGなのに なんて 人間的なんだろうと思わせる ディズニーの力量に感服。 王子様が あれなのには ちょっと残念。 でもその正直さは、人間的なのかも とも思いました。 教訓 白馬の王子様は君をさらいにはやってこない 【杜子春】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2015-05-15 18:39:02) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 ウチの子供とカミさんは映画館で観ているので、ワタシャ当面観ることなかろう、と思ってたのですが、諸般の事情によりレンタル借りることになり。子供たちは繰り返し観ては一緒に唄っており、やっぱり魅力的な作品なんですな(カミさんは「あ、このシーンも憶えてない。私、かなり寝ててんなあ」。そういう人もいるようです)。しかしどうやら、その魅力というのは、ストーリーにあるんじゃなくって、ストーリーそっちのけで展開する、歌、そして見事なCG描写、の方にあるんですね。つまり、いかにもミュージカルらしいミュージカルが、近年においてこれほどヒットしたということ、まさに画期的。いやいや、二人がそれぞれの思いを同時に吐露する「二重唱」に至っては、もはやオペラですよ、これは。ホント言ったら、ハンスの裏切りなんてキャラをを不明確にするだけでおよそ余計だと思うし、クリストフなんて登場させずにその役目はオラフに統合しちゃえばいいと思うし、ついでに雪ダルマは最後溶けちゃえばいいと思ってるんですけれども、あ、あまり目くじら立てないでもいいかな、と。 【鱗歌】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2014-12-13 16:16:30) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 冒頭、幼い姉妹のミュージカルシーンからエルサが山に逃げ込むまでほとんど歌いっ放しな展開は凄い とくに、序盤の脳天気なアナと女王の戴冠式を控えて憂鬱なエルサを対比するミュージカルシーン「For the First Time in Forever」での、畳込む様な歌と二人を交互にとらえるカット、堂々と真正面で歌うエルサと、動き回るアナを流れる様に追うカメラワークの対比は神懸かっている 往年の名ミュージカルシーンを彷佛とさせて鳥肌が立った 氷の城を作ってその女王となって、今まで縛られていた力を「Let It Go」に乗せて開放するまではとにかく抜群だ 以降、物語になると歌わないパートは少し退屈だった お話は予定調和を一歩も出ないので若干不満があった 後半はどちらかと言うと歌わない 「レ・ミゼラブル」の様に歌いっぱなしだったら凄い迫力だっただろうな 残念だ 雪だるまのオラフも溶けてしまう時を想像して哀しい気持ちになっていたので、溶けなかったのは逆に不満が残った やはりオラフの健気な脳天気さも溶けてしまうからこそ儚い雪だるまなのだ しかしこれ以上の絵作りは出来ないだろうと思われる作品を、毎回楽々越えて来る絵作りはいったいどこまで進化するのだろうか 「レ・ミゼラブル」を見た時にも感じたミュージカルの新しい方向を見た気がして心が奮えた 【にょろぞう】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-04-27 01:40:08) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 いや~~~良かったです。ディズニー映画じゃ久々、良かったかも!いつもありがちな王子様とお姫様でしゃんしゃんって感じじゃなく良い意味で裏切ってくれました。そっちに来たか~~って感じ。そして自身が姉妹もちの人はとてもグッと来てしまう内容じゃないかと思います。私は始まってものの5分くらいで涙腺崩壊しました。鍵穴に向かって声をかけてるアナの姿にボロボロです。その後も泣けるシーン連発でタオルが離せませんでした。今回は劇場の都合で吹き替えでしたが(吹き替えしかやってなかった)次は絶対に字幕で観ようと思います。でも松さんも神田さんもすっごく良かった。歌がとても上手だったし、演技もまったく違和感なかったです。後二三回観ても良いなって思っています。 【ゆみっきぃ♪】さん [映画館(吹替)] 8点(2014-03-23 03:06:57) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 昨年末に娘を連れてアメリカ国内の映画館で鑑賞。完全なこどもの付き添い気分だったので、「こどもの間で流行っているらしい」という情報のみで事前チェックなし。久々のピクサー以外のディズニー映画を映画館で見ましたが、意外といい・・・というか、いまや超有名な「Let It Go」のシーンは映画館で初めてみて、もう号泣。歌詞も、エルサが抱えてきた苦悩からの解放を描いてて本当にすばらしい(日本語版のこのシーンをYoutubeで見て、松たか子さんの歌はすばらしいと思いましたが、あの日本語歌詞は本来の意味を全く伝えていない・・・「姉」「長女」としての苦悩の部分が伝わってこないのが残念)! 正直、この映画はこのシーンがピーク。あとは、既存のプリンセスものの図式をうまくずらした展開はなかなかだし、オラフはキュートなキャラで「Some people are worth melting for」は名台詞でしたが、脚本全体はちょっと荒っぽく、残念な展開も少なくない・・・。なんか記録的な大ヒットとあとで聞いて、そこまでの映画かどうかはちょい微妙です。あとで知りましたが、日本では予告編でLet It Goのシーンをノーカットでオンエアしていたとのこと。でもあれは、その前の流れがあるからこそ感動的なわけで、あそこだけ見ても、まあ「いい曲だね」とか「CGきれいだね」で終わってしまうのが本当に残念。事前情報ぬきで、あのシーンを映画館で見て号泣できた私は幸せ者でした。あのシーンを最高の環境で見たいという理由だけで映画館に行く、というのもアリだと思います。 【ころりさん】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2014-03-18 01:27:28) (良:1票) |