12.《ネタバレ》 グロさと暴力描写が尋常じゃない。時折インサートされるアニメーションやポップな場面がなければ、これは園子温監督の映画?と錯覚してしまうほどです。作品を根本から否定する意見になりますが、加奈子が明らかな人格異常者であることを、親たちがこの年齢になるまで全く気が付かない、という事実に違和感を感じました。幼少の頃から何年も共に暮らしていれば、奇行の数々はあるだろうし、その兆候は少なからず感じるはず。特に母親です。その辺にいる不良とはワケが違う、このような犯罪者と一つ屋根の下で暮らしていて、何も知らなかったではあまりにも不自然です。藤島の行動に全く賛同できないことも大きなマイナス。娘をこれだけ愛しているならば、娘のためなら何をしても許される、では日本中が犯罪者で溢れてしまいます。過度な暴力描写は他の監督に任せて、「下妻」「嫌われ松子」路線をもう一度。渇きではなく、これは私の渇望です。 【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 2点(2014-07-03 23:43:48) (良:2票)(笑:1票) |
11.《ネタバレ》 久々に中島監督の大失敗作。テンポ良さ気に見えて冗長。3時間くらいに感じた。
テーマはこれ人間の愛と狂気なら前にやったじゃん。「告白」や「松子」で。なんでまた? 若い子の軽い狂気、好きですねえ。 おお!!こいつが黒幕だったのかあああ!!こいつが犯人かああ!とかいう驚きもなにもない。 すべて他人ごとに感じる。見事に感情移入できない。 グロだのなんだの言う人が多いが、たいしたことない。コレ以上の映画なんかいくらでもある。 このストーリーって、むしろ完璧に推理ミステリードラマ風に調理したほうがよかったんじゃないだろうか。
役者は役所広司は熱演だがイマイチ単調。娘の小松菜奈はうまいがゾッとするような悪魔のオーラがない。 こんなガキに惹かれるかという感じ。妻夫木はなかなかよかった。
とにかく進撃の巨人のほうを降りてやるような映画じゃない。 大駄作。ぶっちゃけてゆうと、この映画の言葉を借りると「クソ」つまらん。 以上。
【うさぎ】さん [映画館(邦画)] 2点(2014-06-29 01:16:02) (良:3票) |
10.《ネタバレ》 今回もまた中島監督らしい映像の洪水っぷりなんですけど、でもこれまでと違ってちっとも面白くありません。
暴力とか悪とか、そこに魅力を感じないの。「そういうのが嫌いです!」とかっていうんでなくて、この映画のソレが類型的で表面的な感じ。暴力団絡みとか警察も含めた陰謀とか大物とかいう話になると、ああ、そっちね、って。そのウンザリする感じを決して越えてはゆきません。
加奈子って魅力的じゃなきゃダメなワケですよね。それで初めて成立する話で。ところが、そんなに魅力的なキャラに見えないんです。周囲がみんな魅了されちゃう、振り回されちゃう、そして破滅してゆく、その流れに説得力を与えるのは、少なくともあの異様にダサいダンスシーンではないハズで。 「彼女は幻影のような存在でもある」という事か、揺れ動くフレームの中、光の中、逆光の中に存在してたりする画が多いのですが、その曖昧さは決して魅力を醸すのに効果を生んではいないと思います。
シネスコ画面いっぱいに顔のアップの連続だったり情報で埋め尽くしたり、だけどなんかそれが空疎。中身が無いのにゴテゴテ飾ってるようで、それはこの映画のテーマにも繋がっているようにも思えますが、でも、その平板化した状態はシネスコの使い方が下手なんじゃない?って。
原作からしてつまんないのかもしれませんが(少なくともこの物語ではねぇ)、にしても独自の魅力でガーン!ってクるもののない、既成のイメージの寄せ集めコラージュに終始した感じで、これまでの中島作品が好きだった私としては今回、失望が大きかったです。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 4点(2014-06-29 00:26:48) (良:3票) |
9.《ネタバレ》 オシャレにカッコつけようとしてスベってしまった場に居合わせたような居心地の悪さ。役所広司の熱演?も空回りしているようで見てられない。あの演技は暑苦しいだけで、本物の狂気や怖さ、怒りや憎悪を感じない。全然伝わってこないので、娘の狂気や怖さを引き立たせるための狙いなのかと勘ぐってしまうくらい。 どっちにしても、中島哲也監督にしては期待はずれ。中島作品は好きなのだが、こういうヤバイ世界は全然向いてないのかも。アンダーグラウンドのダークな世界を扱うのであれば、真に迫ったエログロを避けないほうが面白かったのに。「グロ過ぎたら、ホントに申し訳ありません」との監督の謝罪文が話題になったが、そこまでのグロでもない。エロは皆無に近くて生ぬるい。過激なふりをしたイミテーション。耐性のまったくない人には、これでも刺激が強すぎるのかもしれないけれど。 こういうドロドロしたものに関しては、韓国映画のほうが一枚上で本物っぽく迫る。役所広司の役にしても、チェ・ミンシクあたりのほうがピッタリくる。役所広司の中には本物の狂気は存在せず、きっと根が常識人の良い人なんだろう。そういう意味では、本当に狂気が潜んでいるのかもしれないと思わせる北野武とも違う。演技のうまさでいえば、出番の少ない中谷美紀のほうが目に留まった。 アイドルをキャスティングしたせいなのか、内容の割りに中途半端に終わった印象。小松菜奈に悪魔のような女子高生役をやらせるのなら、演出も及び腰にならず徹底してほしかった。どうせなら園子温くらいのことをサラッとやってくれないと。できないのなら、わざわざエロ、グロ、狂気、タブー満載の原作を映画化する意味が薄れる。 【飛鳥】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-05-23 01:12:43) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 終幕。茫然自失。とりあえず、ペットボトルの水を喉に流し込んだ。 “潤い”を感じるのに一寸の時間を要した。 渇き切ったのは、喉か、心か。
善し悪しを判別する前に、”とんでもない”映画であることは確かだと思えた。 「劇薬エンターテイメント」というキャッチが示す通り、この映画は「猛毒」以外の何ものでもない。 映し出されたものは、絶望、絶望、そして絶望。 はっきり言ってそれ以外の要素は見出せず、クラクラする。
誰がどう拒否感を示し酷評しようとも、それを論破する論理は見当たらない。 「吐き気がする」と言われれば、「まったくその通りだね」と言う他ない。
しかし、だ。
己の理性が拒否し、目を背けたくなる描写が羅列される程に、自分の中で染み出すように生じている「高揚感」を感じ、身動きが取れなくなった。 体のあちらこちらの血圧が高まり、紛れもない「興奮」を覚えている自分自身を呪いたくなった。
その理由は明確だ。映画の中の誰でもなく、僕自身が“加奈子”という【悪魔】に魅了されてしまっていたのだ。
こつ然と消えた己の娘・加奈子を探し求める主人公。 演じる役所広司の脂ぎった表情が、娘の悪魔性が明らかになるにつれ油分どころか水分さえも消え失せ、渇いていく。 父親は娘の生存を終始望むが、その「理由」と「目的」は絶望と共に変わっていく。
この映画を拒否する人を否定するための論理が見出せないのは、この映画そのものに論理など存在しないからだ。 即ち、悪魔が悪魔であることに理由など無い。 言い換えれば、悪魔が悪魔であることに罪悪など生じる筈も無い。 “それ”が、娘であろうと、恋人であろうと、友人であろうと、教え子であろうと、出会ってしまった以上、憎むべきものは魅了された己自身と人生そのものだ。
この映画は、そういった嫌悪感も、おぞましさも、吐き気すらも“エンターテイメント”として悦楽に浸るべき作品なのだろうと思う。
拒否に対して決して擁護は出来ないし、心から薦めることも出来やしない。 ただし、コレがとんでもないものであることは間違いないし、ならば唯一無二の映画であることも否定しようがない。 この正真正銘クソッタレな映画に狂わずにはいられない。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-07-03 23:58:08) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 制作が「やりたかったこと」はうっすら分かるんですけど、(冒頭が露骨にタランティーノですし)これはもうセンスの問題といいますか、バイオレンスを料理できる人とそうでない人って明確に分けられると思うんですよ。 タラ風にスタイリッシュにしたい、北野風に乾いたバイオレンスを撮りたい、という思いばかりが募った結果、「いつか見た事ある」コラージュの寄せ集めみたいです。 イカれた若者の生態としてクラブで踊らせる、(それもフラッシュ点滅で)、ヤクザは暗い倉庫でリンチの画を撮る、じいさんと女子高生の援交場面を差し挟む。ああこの使い古した画づら。 中2病をこじらせたような内容ですので、ヒロインは3度見するような逸材であってほしい。集団アイドルの中から引っ張ってきたような普通の小娘では持たないです。 そして「狂気」が絶対的に足りない。役所広司はやたらと「クソが」を連発してケータイを叩き付け(よく壊れないものだ)、ヤクザは「ゴミが」の繰り返し。この語彙の乏しいこと。これでは知的レベルの低い”人格障害のひと”でして、狂気ではありません。怖いというより鬱陶しい。 ストーリーはそういえばこれミステリーだったか、と途中で思い出すほど話の構築度はおざなりですし、人が殴られる場面を好むわけでもないので、飽きましたしやや苦痛でした。 【tottoko】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2017-04-10 00:08:11) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 普段、積極的に邦画は観ない。何故かというと、安易な商業主義に走るあまり、アイドルのPVもどき・昔のアニメの実写化・テレビの連ドラの延長でしかない「ナントカ・ザ・ムービー」等というほとんど中身のない類型的な作品ばかりが公開され、僕が映画に求めるものがそこにはないように思えるからだ。そんな邦画の世界で僕がその新作を心待ちにする数少ない傑出した才能の持ち主である中島哲也監督の待望の最新作ということで、もう期待に胸を高鳴らせながら今回ツタヤでレンタルしてきた。夕食を食べ終え、トイレで用を済まし、部屋の電気も暗くして、映画の世界にどっぷり浸かろうともう万全の体制を整えてDVDプレーヤーにディスクをセットする。長い最新映画情報も終わり、ようやく本編が始まるといきなり主役を演じる役所広司が口汚く罵る「この糞が!!」という言葉…。さらに続く、極彩色の映像で描かれる不穏なバイオレンス&エロ描写に、「ああ、これこれ。この誰もが最後まで安心して観ていられる“無難な”娯楽映画ばかりを求める昨今の邦画の観客たちにガツンと挑戦状を叩きつけるような、いかにも中島哲也監督らしいこのアンモラルで淫靡な世界観。これを待っていたんだよ~」と僕のテンションは否が応でも上がっていくばかり。『告白』という中島の生んだ傑作を髣髴とさせる、心に闇を抱えた中学生たちが織り成す不穏な世界と、狂った大人たちの狂った欲望がどんどんとエスカレートしてゆく阿鼻叫喚の地獄絵図を交互に展開させ、さらにはそんな狂った世界を彩るポップでサイケな抜群の映像センス、「やっぱ、中島哲也は天才だ!」と僕はそんな不穏で淫靡な世界にますます嵌り込んでいった。だが…、1時間が過ぎ、完全にぶっ壊れてしまった役所広司が暴走していく後半からそんなヒートアップした僕のテンションは急速に萎んでしまうのだった。加奈子という悪魔的な美少女が周りの人々をどんどんと不幸にしていく過去パートと、アクの強いキャラクターたちが織り成すもろにタランティーノを意識しただろう現代のバイオレンス展開が完全に乖離しているのだ。この2つの世界が上手くリンクしていない。これが本作から僕の心が離れてしまった最大の原因だ。僕が中島哲也の作品に求めるものは、極端なまでにシニカルな暴力描写と人間の心の闇に鋭く切り込む冷徹な視線、そしてその狭間に垣間見える豊かな詩情性だ。もう言わせて貰えば、この役所広司演じる狂った父親の暴走ストーリーは完全に要らなかった。加奈子という悪魔的魅力に満ちた美少女がその持って生まれた“美貌”と“悪”でもって、周りの世界をどんどんと破滅させていくというこの耽美的ストーリーだけを徹底的に追求していたら、既存の道徳観を爽快に踏み越える物凄い傑作になりえただろうに。残念と言わざるを得ない。とはいえ、それまでの作風に安易に留まることなく、さらに新しい世界を追求する中島哲也監督のそのアグレッシブな姿勢を僕は素直に称えたいと思う。今回は残念な結果に終わったが、これからも彼の新作を期待して待とうではないか。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-08-17 22:46:25) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 へー役所さんこんな役やるんだ~、すんごい役を引き受けたもんだわ~~。でも後半ちょっと一本調子になってきて少し飽きてきたかも(カラダも強過ぎるしw)。全般的な構成や時系列のいじり方は面白いけど(ちょっとタラちゃん風?)最後の辺りはなんだかよく分からなくなってきて制作側もうまく消化しきれてない感じ。というか前作の告白は最後のある意味爽快感があったけど、今回の後味の悪さはちょっと苦手かなぁ、、、と久々にカミサンと映画を観に行って重苦しく帰ってきた二人でゴザイマシタ 【Kaname】さん [映画館(邦画)] 5点(2014-07-13 09:44:22) (良:1票) |
4.衝撃映像をあまりにも見せられるので、衝撃的な出来事がこの作品では日常的に起こる普通の出来事に見えてしまった。展開が飛び飛びでわかりづらいし、薬も暴力もエロスも全く痛みが感じられない。ただ映像を見せたいだけの作品に終わっている。 【Yoshi】さん [映画館(邦画)] 4点(2014-07-12 00:53:47) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 地上波で放送されることは、まず無いので、興味を持たれた方はどうせなら劇場へ足へ運んだ方が良いでしょう。 とにもかくにも、これでもか!というほどの毒を垂れ流し状態で全く救いもなく、 観る側を選ぶ映画で、ファミリー感もまったくない作品ですが、 ぬるい評論を気にして大人しくなるよりは、自分の作りたいモノを貫き通す姿勢は、 個人的に評価したいし、 問題があるだのどうだのという提議は、所詮、個人の主張でしかなく、 世論の全主張であると平気な顔で言い放つPTAはすっこんでろ。という雰囲気が好きです。 まぁ、しかし、最初っから最後まで絶望しかないのも珍しい。 面白いか面白くないかとの判断では、そこまで面白くはなかったけど、 こういう挑戦的な作品は増えてほしいし、火を絶やさずいて欲しいので、甘々の7点です。 【バニーボーイ】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-07-06 20:39:14) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 原作未読。うーん、面白くない…そして、長い。私にはこの作品、全く合いませんでした。ひたすら汚らしい形の役所広司が「クソが!」と叫び、暴力を振るうシーンを見せられ続ける映画。時系列や人物が異なるシーンをかなりしつこく繰り返しカットインさせる手法も、さして効果的とも思えず途中で飽きましたし、何より物語を把握する妨げにしかなっていない。主人公や娘の行動原理も不明で「あいつは俺の娘、俺がぶっ殺す」のセリフが言葉通りで無いとしても、何を目的にどうしたいのか、さっぱりでした。頭を使う訳でもなく、行き当たりばったりな捜査も、ほぼすべてが暴力で進行。目を背けたくなる残酷シーンも多く、正直途中で見に来たのを後悔。ラストもいきなり時が過ぎ、カタルシスも無いまま終了。「告白」も後味の良くない作品ではありましたが、話は面白かった。こっちの方は全く救いがない。4点 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 4点(2014-06-28 16:04:14) (良:1票) |
1.私は8bitさんとは逆で、観に行く前の日に原作を熟読し、ばっちりと耐性が付いた状態で観に行ったので、いくらバイオレンスなシーンが続いても全然余裕がありました。 原作を知らずに「告白」の中島監督だから観に行ったという人には期待ハズレかもしれません。「告白」では全編に渡って無駄の無い完璧な映像世界が繰り広げられていたが、本作は荒削りで暴力シーンのたびに挿入される血のカットや、わざとらしい効果音も多く、演出がかなり大味な印象を受けるからだ。 内容としてはかなり原作に忠実だったので文句無し。違うのはオダギリジョー演じる小山内がただの快楽殺人者になっていた事くらいかな。まあ、小山内の子供のエピソードとか盛り込んだら上映時間的に長くなりすぎるから省いて単純に悪役にしたのかな。
簡単にどういう映画か説明すると、これは2時間あまりの間、ひたすら役所広司を観る映画である。終始、画面狭しと吠えて暴れまくる!まるで「役所広司」という怪獣映画を見ているかのよう。殴って殴られて、撃って撃たれて、叫びまくって、罵って、ゲロは吐くは、ヤクは打つは、強かんするはでとにかくヤバすぎる。こんなダーティーな主人公なかなか居ない。常に血と汗にまみれているので大画面で観ると余計に暑苦しい。これは久々に良い役所広司。このテンションの高さに付いていけるかどうかが鍵。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-06-28 00:03:49) (良:1票) |